Tag Archive for 'トーキョーバイク'
6月 21st, 2009 by taso

土曜日。フト思い立って阿佐ヶ谷にあるスポーツジムの見学に行くことにした。高円寺からの高架下の通りには駐車場が続き、ところどころにコンビニやスーパーマーケットがある。休日になれば人通りもなかなか多い。
阿佐ヶ谷は隣駅で、電車に乗れば数分で到着する距離。線路沿いを行けばゆっくり走っても10分くらいあれば到着してしまう。桃園川緑道を通ったり、杉並学園のグラウンドの部活の掛け声を聞き懐かしい気分に浸ったり、ナイスフォントに感嘆したりしていると、ほどなくして阿佐ヶ谷駅に到着。早速、モデノ阿佐ヶ谷のフロントを訪ねた。
予約もせずに行ったのだけれど、スタッフの若い女性が快く施設内を案内してくれた。ちょうどその時、フラメンコのクラスが始まる直前だったらしく、通路に突っ立っている自分の前を原色のふわふわのスカートをはいた女性達がスタジオに駆け込んでいった。なんだかとても楽しそうに見える。
マシンルームでは男性達がワークアウトに励んでいた。自宅に置いたら床が抜けそうな巨大なランニングマシンの多機能っぷりに驚く。ちょっと触ってみたりする。
スポーツジムをあとにして、阿佐ヶ谷駅の周辺を散策。
「阿佐谷ジャズストリート」も開催される阿佐ヶ谷はジャズの街としても知られている。ちなみに高円寺はパンクの街、荻窪はクラシックの街、吉祥寺はフォークの街と言われる。それぞれに思い当たる理由もあるし、中央線の各駅の街を音楽に例えるのは面白い表現だと思う。
ラピュタ阿佐ヶ谷の個性的な建物を見上げたり、『美代子阿佐ヶ谷気分』の映画ポスターを眺めたり、飲屋街の路地を覗き込んだ後、自転車を止めてパール商店街を見て回ることにした。各地のビールをワゴンにディスプレイした酒屋や土のついた野菜を売る自然食品の店。ソフトバンクショップの店内では猫が気持ちよさそうに寝ていた。
喫茶店で休憩して外に出ると商店街の店が大方閉まる時間になっていた。商店街をいったん抜けてから中杉通りをぶらぶらと散歩する。(素敵なスナックの看板をいくつか見つけることができた)通りから商店街を覗くと、ミート屋という店舗に行列ができていた。カップルや若者に混じってOL風の女性客も1人で静かに並んでいる。一度気に止めた店に行列ができていると俄然食べてみたくなる。
ここはどうやら、ミートソースパスタを専門に出すお店らしい。トッピングに温泉卵や揚げナスが選べるけれど、初回は850円のプレーンなパスタに決める。初夜はこのくらい謙虚でなくてはいけない。食券を買い外の椅子に腰掛けて待つこと10分。
店内はわずか9席のカウンターのみ。パスタはラーメンの丼に盛られていて小洒落たラーメン屋のような趣がある。
せわしなく動き続ける店員氏は、手打ちの麺を大きな竹ざるに上げ、軽く水気を切って丼に投入。オイルを混ぜ、十分に煮詰めたミートソースをかける。ミートパスタは、”こし” のある麺と濃厚なミートソースでジャージャー麺のような食べごたえがあった。これを書いている時点ですでにまた食べたくなっているから行列ができるのも納得できる。
隣駅ながら、阿佐ヶ谷をゆっくり散策したことは初めてだった。ジャズクラブ「MANHATTAN」の看板が見える線路脇の路地はなかなか雰囲気があった。まだまだ発見がたくさんありそうな阿佐ヶ谷を今更気にいってしまった。
本日の1曲
My Romance (Take 1) / Bill Evans Trio
>>トーキョーバイクで行く東京散策『ポタリング・トーキョー』 >>
2009/04/06 『ポタリング・トーキョー 〜今日の中野は花見頃編〜』
2008/11/24 『ポタリング・トーキョー 〜紅葉美し昭和記念公園編〜』
2008/10/27 『ポタリング・トーキョー 〜秋の秩父でMTB編〜』
2008/10/13 『ポタリング・トーキョー 〜新宿で鳴らす音楽編〜』
2007/12/12 『ポタリング・トーキョー 〜ブンガクするは、冬の鎌倉編〜』
2007/10/22 『ポタリング・トーキョー 〜東京ドームは4区先編〜』
2007/06/10 『ポタリング・トーキョー 〜コンテンポラる荻窪編〜』
2007/04/01 『ポタリング・トーキョー 〜サクラサク代々木公園編〜』
2006/12/29 『ポタリング・トーキョー 〜雨上がりの和田堀公園編〜』
2006/12/24 『ポタリング・トーキョー 〜としまえんで映画編〜』
2006/12/17 『ポタリング・トーキョー 〜西新宿騙し絵界隈編〜』
2006/11/25 『ポタリング・トーキョー 〜真昼の青梅街道編〜』
2006/11/12 『ポタリング・トーキョー 〜夜の新宿編〜』
2006/11/08 『ポタリング・トーキョー 〜ガード下で行く吉祥寺編〜』
2006/11/05 『トーキョーバイク』
4月 6th, 2009 by taso

天気予報で今年の桜は日曜日が見頃と言っていた。ということは今日を逃したら“見頃の週末”は来年に持ち越しになってしまうのか。そう思うと今日を逃してはいけない気がしてきて、半端な焦燥感で自転車を発進させた。
このあたりのお花見スポットといえば、井の頭公園や代々木公園が有名である。
しかし、一番身近な桜は実は「電車から見える桜」なのだ。高円寺から総武線で新宿に出、山手線に乗り換えて渋谷まで行く通勤ルートでは、中野駅と東中野駅の近辺で桜を見ることができる。
中野駅の駐輪場の桜は電車の中からよく見えるし、東中野の神田川沿いの桜はぜひ降り立って見てみたいと思わせる。だから今日の行き先を中野区に決めた。
まずは中野駅北口駐輪場に到着。先週は5分咲程度だったのに、今日はほぼ満開に近い。駐輪場の敷地に入ると屋根の隙間からもこもことした桜が見える。振り向くとすぐ近くのホームから携帯のカメラをかざして写真を撮っている人も見えた。(ところで、もこもこした桜と普通の桜ではもこもこした桜の方が好みかもしれない)
駅前広場に行くと、ちょうど中央線の旧型車両がホームに停車中だった。現在ではほとんどが新型車両に変わっていることもあり、思わずオレンジの無骨な車両の写真を撮る。中野サンプラザを過ぎ、頭上の道路標識を見ると哲学堂公園の文字。早稲田通りを右折して神田川に出ようかと思っていたが、前から気になっていた哲学堂公園に行ってみることにした。
桜の時期の中野通りは両脇がピンクに色づいている。桜祭りが開催されていて人通りも多い。中野通りは、ここで生活する人々の通年の期待が報われたような明るい雰囲気に満ちていた。
この美しさ、この集客力。短い期間しか見ることのできない桜は強烈に季節を印象づけるのだなぁ、と今更ながら思ってしまう。
長く続く桜並木を進むと新井天神に到着。お賽銭を投げて二礼二拝をする。中野通りは路線バスの往来が多く、今日は混雑で進むのもままならない感じだ。歩道橋の上には、カメラを構えるたくさんの人が見える。
再び自転車にまたがり、中野通りを北上する。途中で森羅万象(Shinra Bansho)というインテリアショップに入店。ランプや椅子など、部屋の雰囲気を変えてくれそうなセンスの良い品揃えで気に入ってしまった。
一際人々が歩道から溢れている地点に差し掛かると、そこが哲学堂公園だった。入り口付近に自転車を止め園内に入ると花見客の賑やかな声がする。雑木林を散策していると自分と同じNikonの一眼レフを持った少女がなにやら呟きながら写真を撮っていた。そういえば小さい頃、親に渡されたカメラは特別なオモチャだった。きっと家族に誉められて写真が好きな子になるんだろう。
哲学堂公園のサイトによると『明治39年に東洋大学創立者井上圓了博士によって精神修養の場として開設』された『全国に例を見ない個性的な公園』ということらしい。
一部では哲学のテーマパーク(!)といわれているようで、「理想橋(りそうきょう)」や「常識門」「時空岡(じくうこう)」など施設には哲学ライクなネーミングがついていて結構面白かった。
哲学堂公園をゆっくり見物し終えると日が暮れかかってきた。シートを片付けだす花見客も多い。酔っ払っているのか日焼けしたのか、赤い顔をして公園を後にする人々。
写真を撮る人ならわかると思うけれど、街中で写真を撮っていると通りがかりの人にレンズの向く先を見られることがある。その時撮っているものが、撮るに足らないモチーフ(例えば雑草や石ころや鉄屑など)だったりすると『いや、その、あのですね』と言い訳をしたくなったりもする。
でも今日は、通りでカメラを構えていても『何を撮ってるんですか?』と聞く人はいない。今日は皆が桜に向かってカメラを構えていたんだから!
本日の1曲
ファンタスキッス / bonobos
11月 24th, 2008 by taso

C氏から昭和記念公園に二人乗り自転車がある、と連絡があった。我々には行楽地でよく見掛ける二人乗り自転車に乗りたいという野望がある。
高円寺から中央線沿線を下り、午前11時前に西立川駅に到着。小さなプラットフォームの駅で大勢が下車し、皆が昭和記念公園のゲートに向かってぞろぞろと歩いていく。
昭和記念公園は、立川市にある国営公園で、その敷地面積は東京ドーム約40個分もあるそうだ。池や広場はもちろん、バードウォッチングができるバードサンクチュアリーや巨大なレジャープールまである。(園内マップ)年間入園者数は349万人になるという全国的に見ても立派なレジャースポットなのだ。
サイクルセンターには我々の予想に反して「ただのママチャリ」が100台くらい並んでいた。返却した時には1台も残っていなかったから、ママチャリも大人気の様子である。肝心の二人乗り自転車は残念ながらすべて貸出中だった。人気の程がうかがえる。
ただのママチャリにまたがった我々は、数々の植物を眺めながらサイクリングコースをひた走った。隣接するエリアでさえ遠く離れているからここの移動に自転車は欠かせない。子供たちは「くせー!くせー!(銀杏が)」と叫びながら元気よく我々を追い抜いていった。
バーベキューエリアのにおいに触発され、まず売店に向かうことにする。焼きそばやアメリカンドックで腹ごしらえを終え、サイクリングコースに戻る。
「こどもの森」エリアに差し掛かるとケタタマシイ歓声が聞こえてきた。近くの駐輪場に自転車を止め、ドーム型の巨大トランポリン「雲の海」を見物する。
子供たちは雄叫びをあげながら白いビニールの山に群がり、跳ね、ドームをかけ降りまた登る!まるで何かに憑かれたかのような貪欲な行動。連なった白い山々は興奮のるつぼと化している。そんなアンファンテリボーな光景を眺めたあと、C氏おすすめの「霧の森」へ行く。
「霧の森」では広場の中央から30分おきに水蒸気が噴出し、人工的に霧が作り出される。シューッと霧が出始めると付近のエリアにいた子供たちが甲高い声をあげながら駆け寄ってくる。濃い霧の中に入ると1メートル先も見えない。大人の戸惑いもなんのその、興奮状態の子供たちが濃霧の中から次々飛び出してくる。
C氏曰く「子供心を掴みすぎ」な遊具たち。昭和記念公園は(意外にも)斬新な遊具が揃っていることが判明した。
日本庭園のもみじは一段と赤く紅葉していて、そこらじゅうで年輩の方々の「あらぁ・・・。」とか「うわぁ・・・。」という声が聞こえる。雪吊りした松の姿が池に映って荘厳な雰囲気を漂わせていた。(国営昭和記念公園 日本庭園雪つり)
寒空のジョガーとすれ違いながら自転車を走らせているとイチョウ並木に差し掛かった。見事な黄色の並木を大いによそ見をしながら走る。
およそ3時間半の探索を終え、自転車を返却し「水鳥の池」にやってきた。スワンボートもなかなか繁盛している様子で、視界に入るボートの数は井の頭公園よりずっと多かった。
大学浪人で一年間立川に住んでいたものの、住んでいる間は昭和記念公園に来たことがなかったように思う。のちに花火見物やバーベキューをしに訪れたことはあったけれど、公園の奥地まで探索したのは今回が初めてだった。
久し振りにどんぐりを手にとったり、雑木林に現れたタヌキともキツネともつかぬ不思議な動物をまじまじと眺めたり。タイミングよく紅葉も堪能できてしまった秋の休日であった。
本日の1曲
Like A Lovesong (Back To Back) / the pillows
国営昭和記念公園
公式ホームページ:http://www.showakinenpark.go.jp/
JR青梅線・西立川駅より約2分/JR中央線・立川駅より徒歩15分
開演時間:3月1日〜10月31日 9:30〜17:00/11月1日〜2月末日 9:30〜16:30
休園日:年末年始(12月31日・1月1日)及び2月の第4月曜日とその翌日
入園料:大人(15歳以上)400円/小人(小・中学生)80円
レンタサイクル:大人(15歳以上)3時間410円(30分ごとに70円)
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2008/10/27 『ポタリング・トーキョー 〜秋の秩父でMTB編〜』
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10月 27th, 2008 by taso

友人と自転車で併走するのは久しぶりだった。今は友人達と住まいも離れ、一緒に自転車を漕ぐことも無くなってしまったからだ。そんな折、最近MTB(マウンテンバイク)にハマっている友人C氏と、“関東近県で自然が多いところ” にサイクリングに行く計画が持ち上がった。
今日の目的地は埼玉県秩父郡長瀞町(ながとろちょう)。C氏はそこにアウトドアブランドのmont-bell関連の施設があることに目をつけたらしい。
練馬インターチェンジから花園インターチェンジへ。都内から約2時間で長瀞に到着した。あらかじめC氏がMTBを予約してくれていたので、アウトドアセンター長瀞へ向かう。入り口には色鮮やかなカヤックが並び、ウェットスーツ姿の大学生のグループもいた。
1,000円で1日レンタルしたMTBに乗り、まずは周辺を軽く走ってみることにする。駅前には昔ながらの商店街があり、土産物屋や古い飲食店が並ぶ。長瀞の町は、こぢんまりとした地味な観光地だった。
そして至るところで「ライン下り」の看板を見かけた。ライン下りの出発点に向かう送迎バスには50代くらいの皆さんが乗り込んでいた。アクティブな中高年はライン下り、若者のグループはラフティングをし、アウトドアに親しんでいる人々はカヤックを選択するのかもしれない。(MTBをレンタルしている人は我々の他に誰も見なかったが)
町を一周した我々は昼食をとることにした。緑に囲まれたウッドデッキで、山菜釜飯と豚肉のソテーをつつく。気候は暑くも寒くもなく、空気はさわやかで時折鳥の声が聞こえる。あまりの居心地の良さについ長居をしてしまった。
川岸に降り、幾何学的な模様をした岩の造形に見入っていると、向こうからC氏が大声で呼んでいる。指差す方を見ると、上流から一隻のボートがやってきた。ライン下りである。
おじ様おば様方が興奮と戸惑いの表情で目の前を過ぎていく。中には川岸にいるギャラリー(我々)に果敢に片手を振り続けている人もいる。もちろん我々も手を振り返した。
「あれダッキー(二人乗りゴムボート)じゃない?」とC氏が言う。確かに人影は2つあった。が、近づいてきた船体に目を凝らすと犬が搭乗しているではないか。
犬氏は救命具をつけガタガタと揺れるボートの上でクールにバランスを保っていた。なんて芸達者なんだろう!犬氏の多趣味さには恐れ入ってしまった。
ところで長瀞の町並みは我々の故郷に似ている。国道周辺の景色は藤枝市や島田市のようだし、SLが走っているところも金谷みたいだ。故郷のしがらみは嫌いな我々だが、故郷に似た風景では盛り上がってしまう。
次はアウトドアショップで貰った周辺マップに記載されている阿左美冷蔵・金崎本店に行くことにした。マップには「2時間待ちもあるかき氷」とある。2時間待ち!?
暖簾をくぐると、古い母屋の庭先にぽつぽつと籐椅子が並ぶオープンテラスがある。母校の学園祭を思い出すような手作り感溢れる空間である。軒先に揺れる「氷」の旗や、オレンジの光を放つ照明など、古き良きを現代に還元したような若いセンスが感じられる。
天然氷は天然水を自然に凍らせ切り出したもの。プールのような巨大な貯水池では、毎日氷の表面を掃除するそうだ。自分がトイレに行っている間のC氏の取材によると、阿左美冷蔵の創業は明治時代で現在のご主人は四代目とのこと。
我々は揃って白玉せん茶あずきを注文する。口に入れたら一瞬で溶けてなくなるキメ細かく柔らかい食感。思わず目を見合わせる我々。はっきり言って感動的に美味しい。例えるなら、三角に切ったスイカの頂点の触感と甘さが続く。そんなことは滅多に思わないのに、珍しく家族に食べさせたいと思う逸品であった。
食べ終わる頃には日も暮れ、すっかり肌寒くなっていた。親しい友人とのドライブに、美味しいものと自然に囲まれたさわやかなポタリング。休日を満喫し我々は大満足だった!
さくっと日帰りで楽しむ小旅行は我々の間でブームになりそうな予感がする。
本日の1曲
I Was A Kaleidoscope / Death Cab For Cutie
阿左美冷蔵金崎本店(リンク)
埼玉県秩父郡皆野町大字金崎27-1
電話 0494-62-1119
定休日:毎年12月1日〜翌年2月末日までの毎日
秩父方面へお出かけの際には、是非。
メニューは季節で変わるようですが、白玉せん茶あずきは絶品でした。
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10月 13th, 2008 by taso

隣駅の中野にはつけそばの老舗「大勝軒」がある。散歩にでも行こうかと、中野の地域情報をインターネットで調べていたら、そのつけそばが無性に食べたくなってしまった。暇を持て余していたところだったので、自転車で出掛けてみることにした。
もう21時近くだったけれど、カウンターだけの狭い店内は満席。食べているすぐ後ろの丸イスで数人が待っている。インターネットで調べたお店にすぐに出向くのはちょっとわくわくする。太麺のつけそばを美味しく平らげた後、そのまま新宿方面に向かって走ることにした。
大久保通りを東に進み神田川を渡り、大久保駅の手前の交差点を右折して、新宿駅西口の大ガード下に出る。新宿は、前職で5年半も勤務していたから特に目新しい土地でもないけれど、食後の腹ごなしには丁度いい。時間だってたくさんあるのだ。
閉店後の京王百貨店の前では、古内東子的な歌声の女性が路上ライブを行っていた。都心の特徴なのか、時代の流れなのかわからないけれど、新宿のストリートミュージシャンはちゃんとアンプやマイクを備えて、周辺に歌声を轟かせている。この辺りでは「アコースティックギターに生声」というアンプラグドなスタイルはあまり見かけない。
そのまま南口に回り、サザンテラスに向かう。Krispy Kremeもまだまだ人気のようで40分待ちの行列ができている。開店当初からよく通りかかるものの、その行列のせいでまだ食べたことがない。
高島屋も、東急ハンズも、紀伊国屋もすでに閉店していた。(無駄に昼寝をしてしまったせいだ) 紀伊国屋脇のスロープをするすると下り、バルト9で上映作品をチェックした後、甲州街道を戻ってflags前で自転車を止める。
広場を見下ろすと、バンドスタイルのミュージシャンがいて、改札の近くにもキーボードを携えたミュージシャンがいた。どちらも女性ボーカルで一定の観客が輪を作っている。
キーボードの彼女の軽妙なトークは、FMラジオのディスクジョッキーみたいだ。彼女を囲んでいるのはほぼ全員が男性だった。彼らは微笑みながらトークに頷いたり、至極控え目に写真を撮ったりしながら、歌う彼女を見つめていた。
ところで、街は歌を披露するのにこれ以上ないシチュエーションのように思える。街をひとりで歩いている時には、結構色んな事を考えないだろうか。人生で重要だと思われる決断について、日常生活の些細な出来事について、何年も前からうんざりし続けている自分の問題について。
そんな時に聴こえてくる歌は、心情とシンクロして印象的に響くかもしれない。(小谷美紗子が路上でライブをしていたら、皆が足を止めて聴き入ってしまうだろう)
今夜新宿で見かけた3組の女性ミュージシャンは、自分を見据えるいくつもの視線に臆することもなく歌を歌っていた。
LUMINEの中にあるBook 1stに入店し、文庫本を購入。30分後に店を出ると、キーボードの彼女の周りにはさっきと同じ規模の人だかり持続していた。彼女は「最後の曲です。」といい、最後の演奏を始めた。
本日の1曲
ひこうき雲 / odani misako・ta-ta
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