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The Pillows “TOUR LOSTMAN GO TO YESTERDAY” @Zepp Tokyo




『今日は随分古い曲もやるけど、ついてきてくれ』
vo.山中さわおは確認するかのように言い、それに応える大きな歓声は、明らかに普段のライブとは違う期待が込められていた。
ライブ会場にやってくる人々はいつも、「ライブであまり演奏されない古い曲」を期待しているものなのだ。

The Pillowsは先月、13年間在籍したキングレコード時代にリリースした全シングルを集めた「LOSTMAN GO TO YESTERDAY」を発売した。そのリリースを記念した東名阪ツアーともなれば、新旧織り交ぜたセットリストは必至だろう。

開始早々、“Rush”、“NO SELF CONTROL”、“Wonderful Sight” と、The Pillowsらしいオルタナナンバーが続き、ステージ左側の幾分控えめな位置に場所を取ったことを少し後悔する。すなわち、痒いところに手が届くような垂涎の選曲である。

”ノンフィクション” の曲間のブレイクから突如MCに突入。山中氏が最近買った『2000円から3000円というお値段も手頃な』腕時計が壊れ、『ちょうど9 時16分で』止まったらしい。The Pillowsの結成記念日(9月16日)はファンにはお馴染みだけれど、こうして皆が一斉に驚く姿はなんだかほほえましい。

すると『これはノンフィクションです。』と言い放ち、間髪入れずに演奏を再開する。そんな気まぐれな演出を楽しんでいるオーディエンスを見ると、ライブって面白いなとあらためて思う。

今年結成18年を迎えたThe Pillows、名曲も多いが「持ち歌」も多い。今夜の会場の反応を確かめるように差し出される「定番以外の」楽曲の数々。イントロが始まれば所々で感嘆の声が上がった。

そんな雰囲気の中、イントロのわずか数音目で、思わず友人氏と顔を見合わせたのは “白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター” 。黒いギターを持った赤い髪の少年は、そのまま若き日の山中自身の姿。上京する前、まだ北海道で暮らしていた頃を回想して書かれた曲だ。

呟くような歌い方とセンチメンタルなメロディーが、ひねくれた若者の鬱屈とした姿を想像させる。The Pillowsの楽曲の中でも、もっとも好きな曲のひとつだけれど、ライブではあまり演奏されないであろう楽曲でもある。CDでは幾度となく聴いた曲も、実際に体感するとまた一層胸が詰まる。一音も聴き逃したくない気になってステージを見つめた。

ところで、最近パーマをかけたらしい山中氏は、ヘアスタイルの加減にも注力しているみたいだった。セットした髪をいじりながら『・・・膨らんでるのか?』という(なんとも返しようのない)問い掛けをマイクで轟かせながら、いつもの調子で水を飲みギターをチューニングしている。

そして懐かしい曲を演奏し終えるたびに『イヤー、良い曲しか書かないなぁ』と、冗談めかして笑いを誘っていた。かと思えば、ふと真剣な表情で『こんなに沢山の人の前でやれて嬉しいよ。(昔の)曲のためにもなった、ありがとう。』と言ってみたりもする。

自分に強い自信を持てる人を羨ましく思う。しかし彼の場合、現在の揺るがない自信を手に入れるまでにどれだけの迷いや困難を経験してきたのだろう。
自分の価値なんて誰も判ってくれないと思っていた時代。なんでもひとりで抱え込んでいた青年は、長い時間をかけてメンバーと信頼関係を築き、そんな心情が反映された名曲が生まれていった。

今夜の “ONE LIFE” “Swanky Street” の流れは、The Pillowsというバンドのヒストリーをそのまま語っているかのようだった。それは強い意志を持って自分たちの音に辿り着いたバンドの音楽であり、メンバーがいる尊さをちゃんと自覚している音楽でもある。誰もが親密な仲間を持てるわけではないことも、彼らは知っているはずだ。
続く『ストレンジカメレオン』。定番曲でありながら色褪せもせず、聴くたびに山中さわおのシャウトが心を震わす。

本編終了後にたまらず目の前のバーをくぐりフロントエリアに潜り込む。アンコールでは、先週39歳の誕生日を迎えた山中氏が、でかでかと「39」とプリントされたTシャツを着て登場した。

『なんか楽しくなってきちゃった!』と缶ビールを勢いよく飲み、『曲数増やしてもいいかな!?』とステージから叫ぶ。
大喜びするオーディエンスに向かって『照明さんに言ったんだよ!』と笑い、さらに皆が沸き返った。まるで会場中がアフターパーティーのような盛り上がりだった。


SETLIST

01.TRIP DANCER
02.RUSH
03.NO SELF CONTROL
04.Wonderful Sight
05.Sleepy Head
06.ノンフィクション
07.HEART IS THERE
08.Nightmare
09.白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター
10.開かない扉の前で
11.Ninny
12.DAYDREAM WONDER
13.ガールフレンド
14.Tiny Boat
15.Tokyo Bambi
16.Ladybird girl
17.彼女は今日、
18.ONE LIFE
19.Swanky Street
20.ストレンジカメレオン
21.その未来は今
-Encore-
22.チェリー
23.ハイブリッドレインボウ
-Encore2-
24.サード・アイ
25.Advice


本日の1曲
白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター / The Pillows


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>>connection archive >>
2007/10/09 『The Pillows “Wake up! Tour” @Zepp Tokyo
2007/08/15 『The Pillows 〜SUMMER SONIC 07〜 @Island Stage
2007/07/23 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 O-EAST
2007/06/13 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 CLUB QUATTRO
2006/12/16 『The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX
2006/09/07 『The Pillows 〜音楽と人 presents Music & People EXTRA 2!〜 @STUDIO COAST
2006/02/13 『The Pillows

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