ポタリング・トーキョー 〜コンテンポラる荻窪編〜


トーキョーバイクに乗る時は毎回、タイヤに空気を入れてから出掛ける。出発前に入念に空気を入れたにも関わらず、暫くすると後輪ががたつきだした。
トーキョーバイク、初めてのパンクである。人知れず慌てる。しかし近所の自転車店に駆け込み、呆気なくパンクは完治。健康になったタイヤで高円寺通りをするすると心地よく進んでゆく。

今日の行き先を荻窪に決めた。高円寺からは二駅の距離である。
高円寺パル商店街を横切り、くねくねと住宅街をすり抜けて阿佐ヶ谷駅北口に到着。駅前のケヤキ並木が美しかったので、中杉通りを走ることにした。

通りで信号待ちをしていると、背後にいた御老人に話しかけられる。御老人はタイヤの細さに驚いているようで、何事かを呟きながら感心したように後輪を凝視している。

トーキョーバイクのタイヤは細く、男性の親指程の幅しかない。御老人は『そんなタイヤでパンクしないのかい・・・?ふーむ?』と興味津々である。ほんの10分前にパンクを直したばかりであるのに『コレね、意外と大丈夫なんですよ。へへへ。』と余裕を振る舞う。御老人に会釈をし、さらに中杉通りを南下。清々しいにおいに満ちた雨上がりの街を走る。

青梅街道を右折してしばらくすると、上り坂が見えてきた。普段は左折する道を直進。良い景色の予感に一気に坂をのぼりきるが、陸橋は塀に囲まれていた。
ひとしきり壁画を鑑賞した後、塀のフチに脚をかける。背伸びをすると、眼下には中央線の線路と杉並の街が見えた。こんな何でもない景色にも、なぜか東京っぽさを感じてしまう。いつもひとりで眺めているからかもしれない。

天沼陸橋を越えると荻窪駅前に到着。駅を過ぎ、環八手前まで来たところで、きれいな建物が目についた。建物のまわりを一周し、それが杉並公会堂であることを確認。「開館一周年」とある。
さっそく地下の駐輪場に自転車をとめ、建物に入ってみる。路面に面してガラス張りになったカフェスペースには、ぽつぽつと人が座っていた。

環八沿いを走っていると、前方のビルの一室にカラフルなオブジェのようなものが見えた。窓は開け放たれ、人の姿も見える。
きっと、こんてんぽらりーあーと(現代美術)のいぐじびしょん(展覧会)に違いない!興奮し過ぎてなぜか英語で確信する!

鼻息荒く建物の前へまわると、そこがアートギャラリーではなく、室内クライミングをするスペースなのだということがわかった。それはまるで壁にジェリービーンズがくっついているみたいな眺めだった。
ひとつひとつが有機的な形をしていて、とても愛嬌のある空間になっている。前面がガラス張りの空間は窓が開け放たれ、カラフル色使いのせいかとても明るく感じた。

中では、トレーニングウェアを着た人々が談笑している。もちろんインドア・クライミングにチャレンジ中の人もいた。どうやら今週オープンしたばかりであるらしい。

再度人通りの多い駅前に突入する。駅前には古い雑居ビルが建ち並ぶ。大学生の時、友人氏がアルバイトをしていた ”ユアビル” を懐かしく眺めた。

駅前を巡回していると焼鳥屋を発見。上京してからの長い間、多摩地区に住んでいた。中央線が荻窪駅に停車するたびに香ばしい焼き鳥の匂いがして、いつの間にか「荻窪イコール焼き鳥」という数式が完成した。ここが匂いの元だったのかもしれない。焼き鳥の匂いに刺激され、春木屋の中華そばを食べてから帰宅した。


本日の1曲
Wound / Smashing Pumpkins


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