買い物日誌008 ひのきのときめき

ひのき泥炭石 150g
¥735
購入場所 サンドラッグ高円寺店
一般的に言って、「カビ臭い」という言葉は誉め言葉ではない。多分。しかしひのき泥炭石(でいたんせき)の香りを他になんと形容していいのか分からなくて悩む。
泥炭石はカビのいい臭いがする。
高円寺駅近くのドラッグストアのうっすら埃の積もった棚にひのき泥炭石はあった。商品が出ていかないから新しい品が並べられることもないのだろう、華やかなパッケージで賑わっているボディーソープ部門のすぐ隣にありながら、石鹸部門は実に地味でひっそりとしていた。
泥炭石を手にとり、においを嗅いでみた。パッケージに鼻をあて息を吸い込むと、山梨県山中湖村にある、親戚の別荘が思い出された。子供の頃は別荘に着くとまず胸一杯に空気を吸い込んだものだ。父親の「カビ臭いな。」という呟きを聴いてからは深呼吸を控えるようになったのだが、泥炭石はこの別荘の臭いによく似ている。
檜(ひのき)とカビの香りを混同しているのかもしれないし、実は檜とカビの臭い成分が似ているのかもしれない。でもとにかく、この懐かしい香りのおかげで泥炭石を気に入ってしまった。
炭には毛穴の汚れを吸着する作用がある。溶解でも中和でもなく「吸着」というのが良い。体を洗っている時は、テレビ番組のフリップよろしく、横線(肌)の上を円(炭成分)が滑り、円の回りに小さな図形(皮脂などの汚れ)がキューチャクされていくさまを想像してにやにやしてしまう。だから風呂上がりには得も言われぬ達成感がある。吸着は完了したのだ。
カビ(おそらくは檜)のすがすがしい香りも良い。個人的には、華やかな香りより薬用っぽい効きそうな香りにひかれる。ひのき泥炭石の香りには、オリジンズの「アンドルー・ワイル フォー オリジンズ」やアルビオンの「スキンコンディショナー」のような説得力がある。今やこの臭いを嗅ぎたいから風呂に入っているようなものだ。
ごしごしとタオルに撫で付けていると石鹸はどんどん小さくなる。使い終わったあとはひとまわり小さくなっているのがはっきりと分かる。減りの早さを考えればちょっと高価かもしれないが、このときめきは捨てがたい。
本日の1曲
Glass / pupa
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