Archive for the '買い物日誌' Category

買い物日誌022 それはベルリンからやってきた



trippen “Tyler”
€207,00
購入場所 trippen.com (online store)


trippenのシューズは昔から憧れていた。ひと目でそれとわかるデザインに革製品の硬派な色気。久々に会った友人氏がパンチングレザーの”Golf”を履いていたのを見てtrippen熱は再熱した。2月、神宮前の直営店に行くと、やはり”Tyler”が目をひいた。しかし、欲しかったブラックは全店舗的に在庫がなく、取り寄せもできないとのこと。

だから本国ドイツのtrippenのサイトから購入(個人輸入)することにした。
trippen.comでは、革の色・種類、ソールのデザイン、さらにインソールの厚さに至るまでカスタムできてしまう。牛革のblack waxにtrippenロゴの入ったKatmandu soleを選ぶ。ベーシックだけど、これが欲しかった。オーダーの翌日にさっそくメールが来て、スタッフが納期や在庫状況を教えてくれた。(以下はイメージ)

ベルリンから親愛なるあなたへ。
ごめんなさい、今はオーダー通りのシューズを作るストックがないのよ。でもあなたのために用意するわ。6-8weeks待ってもらえるならね。

ていねいな連絡をありがとう。事情はわかったよ。でもせっかくだからオーダー通りに作ってくれるかな? 時間がかかってもいいから!

オーケーわかったわ! あなたのシューズの用意ができたら連絡をするからしばらく待っていてね。
Kind regards from Berlin,

今回海外オーダーしたのは、製品の価格差の大きさも理由だった。”Tyler”の国内価格は¥38,850だが、trippen.comでは€207(約¥23,000)で購入できる。輸送費の€28を加えても価格差は大きい、むしろ大きすぎる。ベーシックカラーだけではなく、革の種類によってはパープルやレッドも選べるから個性的なtrippenが欲しい人にもおすすめ。

待つこと6weeks。ベルリンから発送メールが来た数日後に”Tyler”は到着した。厚みのある革が艶めき、ステッチも頑丈だ。わがままを言って指定したソールも職人がくっつけてくれたんだろう。各国から多数のオーダーが入るだろうに、ペンパル風のやり取りがいかにも靴工房らしく、素晴らしいと思った。


本日の1曲
2 Hearts / Digitalism



せっかくだからドイツ出身のアーティストを、と思ったのだけど
Digitalismぐらいしか浮かばず。
でもこれ、最近のランニンチューンでもあります。(無論”Pogo”もいいんだけど)



買い物日誌021 地デジ狂想曲


LED AQUOS LC-32SC1-R
¥64,800
購入場所 ヨドバシカメラ新宿西口店


先週末は実家に帰った。おばあちゃんとテレビを観ながら、食ったりしゃべったりして過ごした。でもなんだか、始終ぼんやり頭が痛い。
原因はテレビだった。今年新調した実家のハイビジョンテレビの画像に酔っていたのだ。画面がでかすぎるし、映像がクリアすぎる。出演者のシミやシワが気になって番組に集中できない。

そう。高円寺のこの部屋では、いまだにブラウン管テレビを使っている。立方体みたいな箱型で、愛猫ハク氏(故人)も上に乗って暖をとっていたゆとりのサイズ。目にも優しいし、たいていの女優は美人に見える。

しかしいよいよ、12月から家電エコポイントが減るという。そこでようやく地デジ対応テレビを買うことにした。(買うなら赤いAQUOSが良い)11月最後の土日は家電量販店も混雑するだろうと、前夜の金曜日に新宿へ。これが実に疲れた。

ビックカメラは店員との購入相談にも整理券を配布する騒ぎで、19時半の時点で81人が待っていた。ひっきりなしに大音量のマイクで番号が連呼され、パチンコ店のような騒がしさ。さらに大量のモニタに囲まれ頭はふらふらだった。
やっと番が巡ってきたものの、赤いAQUOSは在庫無しの取寄せ不可で買えなかった。

次はヨドバシカメラに行った。
ところで、ひと昔前まで新宿といえばヨドバシカメラだった。Macや高額なカメラをはじめ、これまであらゆる家電をヨドバシカメラで購入してきた。広くてきれいな競合他店が続々進出する中、ヨドバシカメラの華美な電飾や、天井の低い陰気な感じの売場に愛着さえ感じる。

テレビ売場は店員と客が同数くらいいて、すぐに相談に乗ってもらえた。みんな「広くてきれいな方」に行ったのだ。赤いAQUOSはここでも在庫が無く、取り寄せても納品は来年になるらしい。だめ押しにもう一軒まわることにした。

東口のLABIヤマダ電機は入り口付近がパイプ椅子で埋めつくされ、購入手続き待ちの客がぎゅう詰めに座らされていた。売り場の店員に話しかけても『整理券のお客様が優先なので!』と言われて逃げられてしまう。商品を指差して購入意思を伝えても『もう今日の分は締め切ったので!』と言われ、買えず。LABIは次々に店員が逃げて行く殺伐とした現場だった。

結局狭くて暗いヨドバシカメラまで戻って、地デジ対応テレビを買った。赤いAQUOSが買えてよかった。納期は来年2月だけど。


本日の1曲
youtube
Dig For Fire / Pixies


買い物日誌020 あなたにぴったりのシューズ


ASICS GT-2150 NEW YORK-2A
¥12,390
購入場所 アシックスストア原宿


ジムでランニングを始めて一年が経過。そろそろ新しい刺激が欲しくなってきた。ランナーで賑わっているであろう神宮外苑や皇居周辺を思うたびに、ヨシ!今から行くか? でもシューズ無いジャン!の状態。外ランへの第一歩、シューズを調達しなければ。

シューズはアシックスに決めた。ランナーに信頼の厚いメーカーだし、アシックスストア原宿は、ちょっと面白そうなことをやっているみたいだった。
表参道の原宿駅側、GOLD’S GYMのあるビルの地下にアシックスストア原宿はあった。シューズを探していることを伝えると、さっそく3次元足型計測機のブースへ案内された。そう、実はこれがやりたくてここに来た。足長だけではなく「足型」でシューズを探してみたかったのだ。

シューズ選びは、サイズのほかにも、走行ペースや走る目的、走る路面の種類などの要素が絡む。走り方の癖によっても適正なシューズは変わるはずで、そこまで考え出すと専門家の意見が欲しい。
片足づつ計測器のスキャン面に足を載せると、足長や足囲など細かな7項目のデータがプリントされた。どうやら平均よりも足囲が細いようだ。それも随分と。

プリントを持ってシューズコーナーに戻ると中年の店員氏がいた。とにかく声がでかくて饒舌、日に焼けたランナー体型をしている。見るからに走り込んでいそうな顧客の積極的な相談に応じていた。

しかし他の客の接客中にも関わらず、彼はデータを見せるように手を差し伸べてきた。先輩ランナーの顧客に遠慮しながらプリントを渡すと、医者がカルテを見るような表情でデータを睨んだ。そしてドクターは勢いよく上半身をひねり、一足のシューズを指差した。

それは外国人の狭い足幅を想定した海外モデルだった。この店舗は外国人客も多いので特別に置いているという。日本人でこのサイズがフィットするのは『マー、二ヶ月に一人くらいだね。』とドクターも目を見開く。今まで自分の足囲に無関心すぎたのかもしれない。

ドクターに処方されたシューズはぴったりだった。シンデレラ気分だった。実はアシックスのシューズを試着するのはこの時が初めてではなかった。何足か試したものの、くるぶし辺りに違和感を感じて購入を踏みとどまっていた。微かな違和感も、距離を重ねればあなどれない。でもなぜかこのシューズは快適だった。
最後に店内にあるトレッドミルでランニングフォームを撮影。再生しながらドクターにフォームを分析してもらった。

今回、ぴったりのシューズは一種類のみ、カラーも一色なので選ぶ余地もなく、カラーで迷っちゃうかもナー、という事前の心配も吹き飛ぶ潔い結果に。でも、専門家に全てを任せて対価を払う面白さが味わえた。


本日の1曲
youtube
1234 (Van She Remix) / Feist

最近のお気に入りランニン・チューン。
ランニングには歌の入った電子音楽がよくあいます。
ヌァーッとみなぎる盛り上がり感で頑張れる。


買い物日誌019 聞こえの良い暇つぶし



フィットネス&スパ MODERNO阿佐ヶ谷 月額利用料金
¥12,600(レンタルオプション、契約ロッカー料金込)
購入場所 MODERNO阿佐ヶ谷店


とりあえず1ヶ月やってみようと入会手続きをしてから半年。今でも飽きずにジムに通い続けている。それどころか、半年の間に週末会員から利用時間に制限のないレギュラー会員にクラスアップして、電車の定期も阿佐ヶ谷まで区間延長して買うようになった。

ジムに通うことが意外にも自分にあっていたみたいなのだ。これには自分もびっくりしているけれど、周りの友人達はもっと驚いているような気がする。

ある日、友人氏がジムに通う事を勧めてくれた。彼は「走っていると余計なことを考えなくて済む」と言った。実はその頃はあまり良いメンタル状態ではなく、人間関係のストレスを発端に、むくむくと湧いてくるネガティブな感情に悩んでいた。週末も家から出ないことが多かったので、ストレスが熟成させているような感覚があった。

そんな生活習慣を変えるべく、ジムに通おうと思ったことは何度かあった。でも運動が得意ではないので続ける自信もなかったし、ちょっと試してみるには会費も高く感じた。
でも彼の言葉を反芻するうちに、ジムは体を鍛えるためだけの場所ではないのかもしれないと思えてきた。勢いがあるうちに実行しようとジムに見学に行き、その場で入会手続きを済ませた。ちょっとした賭けのような気持ちで。

まずはTシャツとソックス、トレーニングパンツを買う。次にスニーカー、バス用品。個人ロッカーを契約したあとは手ぶらで通えるようになった。プールもジャグジーも無いこぢんまりしたジムだけれど、スタジオレッスンも豊富だし、ひとりで黙々とワークアウトできる夜の雰囲気も良かった。

今は少なくとも土日のどちらかにはジムに行くし、仕事帰りに立ち寄ることもある。行く場所があるのは嬉しいことで、職場のある渋谷や、自宅のある高円寺以外の場所に通うことが気分転換にもなっている。ジムに通うことは、聞こえの良い暇つぶしなのだ。

少し前にデイ・バイ・デイで腰を痛めたと書いた時、スポーツインストラクターをしている方から腰痛に効果的なアドバイスをもらうことができた。考えられる腰痛の原因に『運動不足による血行不良』があるらしいのだけど、それは『ナシだと思うので(除外)』とさらりと書いてあった。優しいアドバイスに加えて、運動不足な人から除外してもらえたことにひっそりと喜びを感じてしまった。


本日の1曲
Fly Or Die / N*E*R*D


買い物日誌018 マイ・ラテ・ソイ・ラテ


THERMOS 真空断熱ケータイマグ 350ml ¥2,462
購入場所 amazon.co.jp

ハンディーステンレスボトルホワイト 500ml ¥3,800
購入場所 スターバックス阿佐ヶ谷駅前店


午後の仕事はソイラテなしには遂行できない。食事の後、それがないとなるとどうにも落ち着かない気分になる。外が暴風雨で一旦購入を諦めた日でも、数十分後には傘をひっくり返しながらコンビニエンスストアに駆け込んでいる。

しかしあろうことか、会社近くのコンビニエンスストアから一番のお気に入りだった「ドトール カフェ・オ・レ(砂糖不使用)ラージサイズ」が忽然と姿を消した。他の商品をかき分け、陳列棚の奥を覗き込んでも無い。あくる日もそのあくる日もやはり、無い。
仕方なく、類似商品に手を出してみたものの、大抵が甘すぎるし、無糖のラテはどれも淡白すぎて苦い水を飲んでいるみたいだった。

これなら自宅で淹れるラテの方が美味しいナァとストローを噛む。そこでさっそく自宅のキッチンからひと昔前の水筒を発掘し、次の日からラテを持参するようになった。

飲みなれた味には満足したものの、飲み口を塞ぐキャップの “反り” が不十分で、注ぎ口から直飲みするとデコボコしたパッキンに鼻がぶつかってしまう。コップをねじ込んで閉めるタイプの水筒では、直飲みは保証外の行為なのだろう。鼻の頭にラテの汁をくっつけながら、その場でAmazonにアクセス、サーモス(THERMOS)の水筒を注文した。

サーモスは保冷機能が素晴らしかった。夕方になっても夜になってもぬるくなることがない。ロックリングがついているので液漏れせずカバンに入れても安心。フタはワンタッチで開くし、反りも十分で鼻にぶつからない。なんて優秀なんだ!

そのうち350mlでは足りないと思うようになった。そしてスターバックスで見つけたスターバックスカラーの500mlサーモスを購入。今は毎日これを持って出掛けている。

朝起きて顔を洗ったあと、エスプレッソマシンを稼動させる。抽出したてのエスプレッソをカップごと冷凍庫で急冷し、身支度が終わったらエスプレッソと豆乳を水筒に注ぐ。カバンにイン。靴を履いて部屋を出る。今日もマイ・ラテ・ソイ・ラテ。


本日の1曲
On The Brink / Dinosaur Jr


【番外コラム】水筒のにおい対策、の話。

水以外の飲料を水筒に入れた場合、内部にニオイがつくことがあります。
パッキンに乳製品特有のニオイがついてしまうと美味しさが半減するので、
キッチン用漂白剤で3日に一度くらい消毒しています。
薬品を使いたくない方は、水で薄めた酢でもにおいが取れるそうです。
(注:腐敗や変質の原因になるため、ほとんどの場合乳製品を入れることは推奨されていません)



買い物日誌017 よろしく、GR。


RICOH GR DIGITAL III
¥71,820
購入場所 マップカメラ1号店


デジタル製品は発売から時間が経つほど価格が下降する。製品の最安値を示すグラフは株価よろしく、今日も小刻みに変動を続けている。

もう少し安くなってから、と思っているとどこからか新製品発表の噂が聞こえてきたりして、慎重になればなるほど手を出しにくくなってしまう。それに、購入を我慢している間に「撮れたはずの写真」を撮り逃がしているのだ。きっと。

たとえ躊躇する価格だったとしても、フィルム時代に写真にかけていた費用を考えれば安いものだ! と思うことにした。(実際にそうなのだけど)

実は数ヶ月前に、愛機D90をコンクリートの地面に落として背面液晶を割ってしまった。購入後一定期間付与されるメーカー保証は、使用上の過失によるトラブルは対象外となる。購入して間もなく訪れた悲劇を教訓に、落下や水没も補償してくれる店舗での購入を決めた。マップカメラなら購入金額の5パーセントの掛金で破損にも対応した3年間の補償がつく。

今夜はひとり新宿に出掛け、至極あっさりとGR DIGITAL IIIを購入した。すぐに撮影できる状態にセットして街に出れば、手に馴染むGRの質感に自然に顔がほころんでしまう。歩きながら無意識に『よろしくナー。』と言っていたくらいだ。

フィルム時代にはNikon F3HPとGR1vをセットで持ち歩き、画角の違う二台を使い分けていた。重くて大きな一眼レフと違って、GRはポケットに入る手軽さが良い。そんな最強の布陣が、今夜ようやくデジタル版に移行した。これからはNikon D90とGRIIIでいこう。

GRデジタルシリーズはずっと欲しいと思っていたものの、高額なため購入をためらっていた。しかし、先日の愛猫ハク氏との悲しい別れが、写真を撮る行為の尊さをあらためて感じさせてくれたのだった。この部屋には沢山のハク氏の写真があり、そこには我々が過ごした日常生活の “さま” が写っている。気付けば、写真日記[デイ・バイ・デイ]も、開設から一年が過ぎていた。

これからも日、一日を文と写真で記録していきたい。その想いにGRが力を貸してくれると思ったのだ。


本日の1曲
That’s What You Get / Paramore
VIDEO(Official Site)


買い物日誌016 1000 songs on your T-shirt


iPod shuffle 4GB Personalized シルバー
¥8,800
購入場所 Apple Store(Online)


2009年3月に発売されたiPod shuffleは、長さが45.2mm、重さは10.7gしかない。
大きさは第二関節から指先位までしかなく、Tシャツの襟に挟んでも重さで生地がたるむこともない。

ランニングマシーンの前面パネルに立てかけたiPodが派手な音を立てて滑り落ち、慌てて緊急停止ボタンを押す。心配そうに駆け寄ってきたトレーナー氏に会釈して、だらりと垂れ下がったコードをたぐりよせる汗だくの自分。要するにトレーニング中にiPodを落とすのは結構恥ずかしい。今月から通い始めたフィットネスクラブで、実はそれを二回もやってしまった。

その、普段使っている第5世代のiPod、もしくはiPhoneをアームバンドで装着して使う事も考えたけれど、走るという目的にあわせて考えると軽くて小さいiPod shuffleが適している気がしてきた。

ところで、iPodが発売されたのは2001年で、当時のコマーシャルで使われていたのは『1000 songs in your pocket』というコピーだった。(YouTube:#01 – iPod 1G – The first Original Commercial

iPodなら1000曲のミュージックライブラリを持ち歩くことができる。事実をそのまま伝えているだけのシンプルなコピーだったけれど、その事実そのものが驚きと興奮に満ちていた。(「ア サウザンソーン イニュアポーケッ」とよく真似していた)

当時は収録曲数と携帯性においてMDウォークマンが優勢だった。MP3プレーヤーなんて触ったことも無くて、CDウォークマンに入れるためにCDを数枚持ち歩いていた時代だ。1000曲分の音楽ファイルを自宅のパソコンで管理することも一般的ではなかった。

それが今や、この小さな小さなiPod shuffleに同じく1000曲が保存できるようになった。ポケットに入れるよりもさらに自由に、Tシャツの襟にくっつけられるようにもなった。

今後iPodはどのように進化していくのだろう。コンピューターをとりまくあらゆる記述がそうであるように、何年後かにこのエントリーを読んだら『2009年はそんなことで驚いていたの!?』 ということになるかもしれない。購入したその日に自室でiPod shuffleを数度見失っているから、これ以上小さくなっては困る気もする。

フィットネスクラブに通いだしてから、環境を整えるための出費が続いている。
でも、iPod shuffleのおかげで集中力が増したのを感じるし、いつもより速く、長い距離を走ることもできる。そしてなにより、好きな音楽を聴きながらするトレーニングは、やっぱり楽しい。


本日の1曲
Let’s Get Retarded / Black Eyed Peas
youtube


買い物日誌015 探すは楽しきFREITAG


FREITAG F41 HAWAII FIVE-O
¥16,000
購入場所 伊東屋銀座本店


FREITAG(フライターグ)のバッグは、西ヨーロッパの国々を駆け巡っていたトラックの幌を再利用して作られている。代表的なメッセンジャーバッグのほかにも、トートバッグやボストンバッグ、財布やサッカーボールなどラインナップは40種に及ぶ。幌から直接裁断して作るため、同じ柄はふたつとない。しかしながら独特の材質感で一目でそれとわかる個性的なプロダクトなのだ。

取り扱い店舗の限られたFREITAGも、本国スイスのオンラインショップでは豊富に在庫が揃う。(各モデルが100個ほど並んでいるさまは壮観な眺めだ!)商品写真が頻繁に入れ替わるのは、すべてが一点もののFREITAGならではのこと。だから前日に見てお気に入りだったバッグが次の日にはなくなっていることもある。

誰かに購入されれば商品はそこから無くなり、代わりに新しい商品が追加される。前日に目を付けていた商品が無くなれば、誰かが買っていったんだな、と思う。流通と購買を意識させる実にシンプルな仕組みをしているのだ。

ところで現在、銀座の伊東屋FREITAGフェアが開催されている。それを知ったのは購入を思い立ったその日だった。なんていいタイミング。早速仕事帰りに寄ってみることにした。

FREITAGの場合、売り場に出かけたからといって必ずお気に入りに出会えるとは限らない。でも、だからこそ、売り場に向かう間にも好奇心を駆り立てられる。FREITAGそのものが、モノとの出会いを意識させる演出のようだ。

伊東屋4階の会場にはF-FURNITUREと呼ばれるFREITAG専用の収納棚が並び、各モデル数十パターンが販売されていた。鼻息荒く商品を見渡し目当てのF41モデルをいくつかピックアップしたのち、大きなロゴの入ったクリーム色のバッグを購入することにした。(まったく! どれも捨てがたかった!)

FREITAGが他のバッグと一番違うことは、探す楽しみがあること。だからこそFREITAGを求める人は、もっと違うバッグも見たい! と欲張りな気持ちになるかもしれない。

スイスの工場では、次々とバリエーションに富んだ幌から生地が裁断され、新しいバッグが生まれている。だから最初からパーフェクトに自分好みの『運命的な』FREITAGを追い求めるのもいいけれど、ゆっくりと待ち、運命のバッグを探すのも楽しいのだ。(もし今すぐFREITAGが欲しいのなら、とりあえずひとつ購入して直ちに物欲を沈静化すべきだ!)

同じ幌から断たれた兄弟バッグを探したり、珍しいプリントのバッグを探すのも楽しい。ファーストバッグを手に入れたあとでも、FREITAGには楽しみがいつまでも残されているんだから!


本日の1曲
Song2 / Blur
youtube

関連エントリー
2006/09/17 『個性は楽しきFREITAG

デイ・バイ・デイの関連エントリー
2009/07/12 『FREITAGの選ぶ楽しみ
2009/07/13 『FREITAGの知る楽しみ
2009/07/13 『FREITAGのこの夏のお楽しみ


買い物日誌014 食べたいものをつくる箱


曲げわっぱ 二段弁当箱
¥2,450
購入場所 漆木屋(楽天市場店)


今まで使っていたお弁当箱を無くしてしまった。帰り道にはプラスティックの仕切りがかちゃかちゃと鳴る機関車トーマスの青い弁当箱。随分前から使っていなかったから、いつから無かったのかも判らない。

前の職場には時々弁当を持って行った。昨夜の残りのおかずを詰めたり、すぐ出来る炒め物をご飯にのせた簡単なものだったけれど、外で自分の作った料理を食べると落ち着く、というささやかな発見があった。

少なくとも、今の会社に入ってからの2年少しの間、一度も弁当を持参したことがない。渋谷には弁当屋も飲食店も沢山あるのだ。毎日違う店で食事をしても半年はもつ。
考えてみれば当時に比べて自炊の回数自体が減っているのだと思う。飲食店の豊富な選択肢は、自炊離れを加速させる一因になる。

もっとも、一人暮らしでは作った料理を食べきれないこともあるし、翌日の晩に自宅で食事するかはわからない。外食が続けば、冷蔵庫の野菜もいつしか忘れられてしょぼくれてしまう。

そんなわけで、ここのところ会社帰りに立ち寄るスーパーで出来合いの惣菜を買うことが増えた。生鮮食品のコーナーも、余ってしまう食材のことを考えて素通りしてしまう。いつしか食べたいものを作る習慣が薄れ、食べたいものに近いものを食べている気がする。

曲げわっぱの弁当箱は杉の良い香りがする。水分を逃がすから、冷めたご飯も美味しく食べられるそうだ。おかず専用の容器がついているところや、入れ子になってコンパクトになるのも良かった。

これは自分の料理を運ぶための箱。これからは食べたいものを躊躇せずに作ろう。


本日の1曲
今日を生きよう / サニーデイ・サービス


買い物日誌013 明るくて頼れるやつ


SIGMA 30mm F1.4 EX DC /HSM
¥49,000
購入場所 ビックカメラ新宿西口店


一見難しそうなレンズの商品名は、その特性が数値で表された “実に親切なもの” なのだ。30mm F1.4と書いて「明るい標準レンズ」と読む。

30mm F1.4とは、焦点距離30mmで開放F値が1.4のレンズということ。

焦点距離とはレンズと撮像素子(フィルム)までの距離で、いわゆる写真に写る範囲を表す。一般的なデジタルカメラの場合、30~35mmが標準レンズに相当する。「標準」とは人間の視野(45°)に近いということなのだ。

※ 数値が小さくなれば広く景色が写せる「広角レンズ」、大きくなれば景色の映る範囲の狭い「望遠レンズ」となる

開放F値はレンズの明るさを指す。数値が小さくなるほど光がたくさん取り込める「明るいレンズ」ということ。明るいレンズほど値段は高くなるが、ピントの合う範囲が極端に狭くなるので、被写体を際立たせる美しい背景ボケが好きな人にはたまらない。

一ヶ月前にD90を購入した時、レンズを買わなかった理由はいくつかある。

■ 購入時はNikonの35mmレンズがF2.0のものしかなかった
(夜や室内の撮影を考えると2.0では少しもの足りない?)
■ Nikonから近日中に35mm F1.8のレンズが発表されるという噂があった
(少なくともF2.0よりは明るいということだ)
■ SIGMAの30mm F1.4も気になる
(値段は張るが開放F値1.4は捨てがたい)

新しいレンズを買うまでの間、とりあえず手持ちの50mmを使うことにした。しかしマニュアルのレンズでは、F値・シャッタスピード・ピントを一枚撮るごとに手動で設定しなくてはならない。これではせっかくの高性能が発揮できないし、中望遠レンズでは狭い室内での人物撮影がドアップになってしまう。やはりD90用にレンズを購入する必要は、ある。

ボディを買ってから一週間程して、噂通りNikonから35mm F1.8のレンズが発表された。まずは3月6日の発売日を待ち、店頭で実写してから買うのがよさそうだ。
Nikon35mm F1.8の魅力は手頃な価格と200グラムという軽さ。対してSIGMA30mm F1.4のレンズは、400gもある大口径でずっしりとしている。価格も高いがF1.4の値は心強い。このどちらを選ぶかで散々悩む。

週末、意気揚々とビックカメラに向かう。カメラ売り場に直行して持参したD90にSIGMAとNikonの両レンズを装着して試写させてもらった。
声を掛けた店員氏は二つのレンズをテーブルに並べ、細かな説明を始めた。カメラ好きからすると、やはりSIGMAが優勢な様子。確かに価格の差も歴然としている。

実物を触ることで、カタログの数字を睨んであれこれ考えていた理論が覆ってしまうことがある。SIGMAのレンズは想像より重くて大きかったけれど、その分の頼りがいを感じさせてくれた。手に馴染む質感もなかなか良い。

悩むこと10分。D90に窮屈そうに大口径のレンズがくっついているものなかなかキュートな気がしてきて、SIGMAの30mm F1.4 EX DC /HSMを購入することにした。
ようやくデジタルの悩ましい問題に終止符が打たれた。悩ましい時間は過ぎたのだ!


本日の1曲
Wave Of Mutilation / Pixies