Archive for the '黄昏コラム' Category

ラ・ジュルネのおいしいお皿



上:ベトナム肉のせご飯 1,050円
下:本日の鎌倉野菜のナムル丼 1,000円


鎌倉駅から10分ほど歩いたところにカフェレストラン、ラ・ジュルネがある。今、鎌倉在住の友人コスモ氏が個展を開催しているので、久し振りに鎌倉に行くことにした。もらったメールを頼りに商店街を進み、通りで合流してラ・ジュルネへ行く。

鮮やかな青のペンキ塗りの扉がかわいらしいお店。店内には自然の形そのままの木のテーブルが壁から2つ伸び、カラフルな藤のスツールが並んでいる。左手にはカウンターがあって、その先に厨房がある。カウンターと厨房は天井まで伸びた木製の棚で仕切られている。棚には調味料やワインボトルがぎっしり並び、カウンターは野菜や下ごしらえ中の食材で埋まっていた。

15人も入れば満席になりそうな店内は、厨房から全ての客に目が届きそうな広さ。奥のテーブルには若い女性客が一人。手前のテーブルの入り口に一番近い席に座った。しばらくして常連らしき青年がやってきた。

メニューには写真がないので、友人おすすめのベトナム肉のせごはんとナムル丼を注文。
しばらくして運ばれて来た大きな皿にはバジルなどのハーブと野菜が山盛り。友人氏が慣れた手つきでスプーンとフォークでざくざくと混ぜると中に牛肉とご飯が見える。(ここでようやくこれがサラダではなく、ベトナム肉のせご飯であることを理解)

近隣で採れた鎌倉野菜を使っているそうで、新鮮で種類が豊富。野菜にもオイルが馴染んで生の野菜もぱくぱくと食べられる。塩とオイルのシンプルな味付けがとても美味しい。

続いて運ばれて来たナムル丼にさらに頬が緩んでしまう。鮮やかな色と素敵な盛り付けにときめきすら感じる料理。それなのに、食べて欲しいものを盛り付けているうちになんかきれいに出来ちゃったワという感じが伝わってくる。

ラ・ジュルネは女性オーナーが一人で料理を作る店。友人も時々お店を手伝っているというので、オーナーの綾さんを紹介してもらった。今はロハスやマクロビオティックの特集で取材を受けることも多いようだけれど、もう14年もここで営業しているとのこと。美しい盛り付けと料理のレシピは全て独学、オリジナルで料理も詳細なレシピを記録せず、味付けは目分量というチャーミングさ。

ラ・ジュルネの料理は本当に美味しかった。たくさんの野菜を頬張りながら、その美味しさがなんなのかとさぐり、感嘆しながら食べていた。そして気がつくと皿は空になっていた。野菜たっぷりなので、胃が重くならず心地良く満腹になれる料理なのだ。

食べることは毎日のお楽しみ。せっかくカメラを持ち歩いていることだし、料理を美味しそうに撮ることができたらこの先も楽しめそうな気がする。だから撮りたいと思わせる素敵な料理に出会いたい。
この日も最初から写真を撮るつもりでいた。順光になる位置に座り、配膳の前にテーブルに置いた荷物を退けておく。すると想像以上に美しい料理があらわれて、ちょっと忘れられないほど美味しかった。二品で店を出たのが惜しいほどで、もっと他のメニューも見てみたいと思わせた。

綾さんの『いろんな作品でお店の雰囲気を変えたい』という意向で、ラ・ジュルネではアーティストの作品展示も積極的に受け入れている。この日も若い女性がフライヤーを持ってお店を訪れていた。作品展示をしたアーティストとそれを観に来た友人達も、ラ・ジュルネの美しくて美味しい料理に魅了されてしまうかもしれない。まるで私たちのように。


本日の1曲
Hey Mama / Black Eyed Peas
youtube

穏やかで気さくな綾さんも実はラテンのりらしい。


La Journée(ラ・ジュルネ)

神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-9-47 中丸ビル1F 【Google maps
TEL&FAX 0467-23-6731
11:00-21:00(週末は22:00頃迄)TELにてお問い合せ下さい。定休日は、<今月のお休み>をご覧下さい。

最寄り駅は、江ノ島電鉄線の由比ガ浜駅で徒歩約3分。和田塚駅からも4分程度。鎌倉駅からはゆっくり歩いて15分程です。

鎌倉観光の際には少し足を伸ばしてお立ち寄りください!
ブログではオーナー綾さんのおいしいまかない飯が見られます。
http://lajournee.exblog.jp/


shoko akiyama silk-screen exhibition
[ dreamin' dreamin' ] in japan

コスモ氏こと、秋山祥子の個展情報はこちら。
http://www.momocosmos.com/
鎌倉ラ・ジュルネ開催は2010年1月11日までです。

2009年の上海開催を皮切りに、国内各地を回ります。
念願の個展開催に本人も気合十分。お近くの方はぜひお越しください!


【 鎌倉 in Kanagawa|La journee (ラ・ジュルネ)】
2009.12/12 sat 〜 12/25 fri vol.1 / chiristmas version
2009.12/26 sat 〜 2010.1/11 mon vol.2 / new year version
[open]12:00〜23:00(L.O.22:00) [close] 不定休
神奈川県鎌倉市由比ガ浜3-9-47中丸ビル1F tel. 0467-23-6731
http://lajournee.exblog.jp/ ※定休日は、<今月のお休み>をご覧下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【 広島 in Hiroshima|Plaisir (プレジール)】
2010.3/14 sun 〜 3/21 sun
[open]18:00〜翌3:00(LO/food2:00・drink2:30)[close]月曜日
広島県広島市中区袋町4-1産業ビル2F tel. 082-248-8866
http://www.syougeki.jp/syoukai/plaisir/index.shtml
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【 菊川 in Shizuoka|菊川赤レンガ倉庫 】
2010.4/11 sun 〜 4/18 sun
[open]11:00〜19:00
静岡県菊川市堀之内2丁目201 tel.0537-35-2876
http://ikiiki2008.hamazo.tv/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【 藤枝 in Shizuoka|アートカゲヤマ 】
2010.4/19 mon 〜 4/25 sun
[open]10:00〜19:00
静岡県藤枝市小石川町4-10-28 tel. 054-641-5850
http://blog.livedoor.jp/artkageyama/

高円寺の冬のアルバム



たとえば缶ジュースが飲みたくなってマンションの階段を降りて自動販売機に行くと、そのまま近所を散歩したくなることがある。それにしても部屋着のままだし、と部屋に戻れば、もう外に出るのが面倒になってしまう。いつもそんな調子なので、近所の景色はなんとなく見ることがない。

東京では形の整った街路樹を見るばかりで、ぼうぼうと茂り放題の樹木を目にする機会はほとんど無い。ここでは地滑りの心配も無いし、水はけが悪くて何日も乾かない泥のたまりに顔をしかめることも無い。行儀良く植わった植物を見ると、シュミレーションゲームでマス目に植えられた木を見ているような気持ちになる。植え込みのツツジは1マスから。4マスあったらケヤキの木。

その日、スーパーでの買い物のあとふらっと神社の境内に入ってみた。朝晩通りかかる神社なのに、境内に入ったことは数回しかない。我が家に遊びに来る友人達と、『こんなところに神社があるんだ。』『そうなんだよ。』というやりとりの元、何度か見学した気がする。

神社のすぐ前は車道になっていて、雨が降れば無数の銀杏の葉がコンクリの地面にぺったりと張り付き、翌日になれば乾燥した落ち葉が押し花のように路面に定着している。そう。毎日見るのは足元の落ち葉だった。だから休日の午後に鳥居の近くの大きな木をしげしげと見上げてみた。シリアルやらキャベツやらの入ったレジ袋を下げて。



12月の銀杏の木は大方の葉を落とし終えたみたいだった。遠目にもわかる先端の乾燥した枝の有様と、薄水色の空は紛れもない冬の景色で、こんなに近くにそんな景色があることに今更驚いた。そしてその時、どうしようもなく自分が時代遅れな人に思えてきた。

こんなところに佇んでいるのは自分だけではないのか。皆はもう違う場所に行ってしまったのではないか。自分が都会の景色の郷愁に浸っている間に暖かな安らぎを手に入れたのではないか。そんな風に思えて少し寂しくなった。

銀杏の木を見上げたまま体を反らせると冬の薄い水色の空が見える。ついでに更に更にふんぞりかえると、枝や白いマンションの外壁がカメラの四角い液晶画面に覆いかぶさってきた。

冬らしい空を目の当たりにし、東京には空が無いという有名なフレーズを闇雲に信じすぎていたのかもしれないと思った。この神社は狭いけれど、その印象の良し悪しに関わらずここにはここの空があって、冬の景色があって、自分はあの詩作の主人公ではないのだ。もっと色んな東京を見たいと思った休日だった。


本日の1曲
BYRD / EGO-WRAPPIN’

今年バージョンの人

画像はクリックで拡大します
クリックで拡大

先日の産経新聞に今年の『ネット発ヒット商品番付』が掲載されていた。新語流行語大賞のノミネートより “ネット発” だからかピンとくるものが多くて嬉しい。

さて。この新聞記事の見出しそのままに、今年は「アイフォーンでツイッター」を始めてしまった。ゴールデンウィークの暇つぶしになりそうだからと購入したiPhoneも、今では通話以外の用途に使うことが圧倒的に多い。この番付記事はiPhoneの産経新聞アプリで見つけたし、エントリーはメモアプリのAwesome Noteで下書きをした(している)。iPhoneは、便利で楽しくて驚きをくれる。今では手放せないものになった。

iPhoneはTwitterやTumblerなど新参のwebサービスとも親和性が高い。専用アプリを使えば操作も簡単。昨年の夏にTwitterアカウントをとった時も、その時点でiPhoneユーザーだったら飽きることもなくハマっていたかもしれない。


クリックで拡大

左から Echofon for Twitter(無料):アプリ起動後に1タッチで入力画面に遷移できるTwitter専用アプリ。産経新聞(無料):毎朝5時に更新。当日の新聞が読めてしまう人気のアプリ。拡大すれば活字もくっきりと表示できる。今年、暇つぶしに気軽に新聞を閲覧する人になろうとは。Awesome Note/現在はAwesome Note +Todoとして販売(450円):エントリーの下書きに欠かせないので起動回数が最も多いアプリ。書いたメモをgoogleドキュメントにエクスポートできるのが大変便利。(販売価格は2009年12月時点)

個人的に、今年はWebサービスをシンプルに使うことを覚えた年だったように思う。mixiはRSSリーダーとして使い、Twitterはブログに最新のつぶやきを掲載するために使う。Tumblerでは自分宛のメールに添付された写真をアップしてコレクション。日々、インターネットという無限のストレージにデータを放っているような感覚がある。

番付に乗るほど流行ったとは知らなかったけれど、意外とカロリーが低い(110kcal)『ドロリッチ』にもハマったし、『皆既日食』のテレビ中継では、この日のために超高額なレンズを新調したハイアマチュアのカメラマンに感嘆した。当初友人氏のブログで語られていた『森ガール』をしばらく間違えて「山ガール」と言っていてやんわり指摘されて恥ずかしかった。(フジロックや富士登山をアクティブに楽しむ女子はきっと「山ガール」だ)

去年は知らなかった名称の商品やサービスが、その年を象徴するトピックを作っていく。来年も今はまだ知らないサービスや商品がリリースされ、それが流行するのだろう。それが繰り返される。毎年、毎年。

iPhoneでTwitterをし、(“なう” ってなに?)と首を傾げながらドロリッチを飲む。サンシャイン牧場のアプリ招待状を受け取り、割れチョコってお店の人が割ってるんだろうなと疑念を持つ。流行に敏感でないつもりでいても、しっかり今年バージョンの人になっていた。


本日の1曲
Sundance / EGO-WRAPPIN’

似顔で楽しいインターネット

アイコン【 あいこん 】
1. 《物事を絵で簡単にあらわそうとするもの。コンピュータにおけるアイコンはプログラムの内容を図や絵にして分かりやすくしているもの。》
2. 《インターネット上で個人のアカウントに設定される画像。》

毎日利用するものだけでも、mixi、 Skype、twitter。Webサービスを利用する時、IDやらパスワードに加えアイコン画像(プロフィール画像)を登録するのが定番になりつつある。仕事用、プライベート用、と複数のアカウントを持っているものもあるので、それぞれのアイコンは日常的に目にするものになる。

そして、気がついたらそれぞれのアイコン画像はばらばらになっていた。画像を気分で変更したり、サービスごとに切り替えるのも良いけれど、本当は全てのウェブサービスに同じアイコンで登録したいと思っていた。毎日目にする “自分の” アカウント。たとえサービスをまたいでも、発言や興味の方向はまぎれもない自分のものだから。

ある時イーゴン氏は走る格好の形態を使ってキャラクターを作り始めた。そしてほどなくして『イーゴン自治区』のトップページにイーゴン氏自身のアイコンが登場した。ベースはそのままなのに、髪型を変え、ボーダーシャツを着せてメガネを描き足すと、思わず『あなたにしか見えないよ、これ。』と言ってしまうほど本人らしく見えた。

そんな風に羨ましがっていると、イーゴン氏がアイコンをプレゼントしてくれた。粋なはからいでこの夏永眠した愛猫、ハクのアイコンも!

自治区民ニガオ、はじまる。

自分のアイコンが欲しくなった方へ。イーゴン氏にアイコン画像をオーダーしませんか?

似顔【 ニガオ 】
1. 《「似顔絵」の略。》
藤子不二雄Aの漫画作品『まんが道』の中で気弱な主人公 満賀道雄(まが・みちお)が教諭の似顔を描き、それが見事に特徴をとらえていたためクラス中の喝采を浴びるシーンがある。



イーゴン自治区で『自治区民ニガオ』というお楽しみ企画が始まりました。

今ならイーゴン氏が無料であなたのニガオを作成してくれます。ちなみに上の7名1匹は実際にオーダーを受けて制作したもの。特徴をうまく捕らえていて上手い!

イーゴン氏と直接知り合いでない方でもオーダーが可能なので、「ラーメンが好きだからラーメン丼を頭にかぶりたい!」など、あなたのパーソナリティを現すようなオーダーをしてみてください。あなたのアイデアできっと素敵なニガオが完成するでしょう。

『自治区ニガオ』のオーダーは、mixiのイーゴン自治区公認コミュニティで受け付けてくれるそうです。ソーシャルネットワークのアイコンのほか、ブログのプロフィール画像なんかにも使えます。まずは気軽に「ニュータウン計画」トピックをのぞいてみてくださいね。
● mixi 「ニュータウン計画」トピック mixiアカウントが必要です)


本日の1曲
ワンダーフォーゲル / くるり
youtube

ある雨の日の僕の話。


まったく嫌になっちゃうことが起こったら、みんなはどうしてるんだろうね。
シートの破けたソファーにうずくまったり、薄ら寒いテレビショウを見て時間を潰してるとそんなことがやけに気になってくる。

でも残念なことに、この質問に気の効いた答えを返してくれそうな奴はいないな。少なくとも僕の周りにはね。だからもし誰かに聞いたとしても特効薬にはならない。こんな言い方って冷たすぎるかもしれないけどさ。

人ってのは自分のことで忙しいらしい。もっともらしくため息をついたり、退屈だと嘆いてみたり、死んだ哲学者が書いた本を読んだりさ。言うまでもないけど、奴らは僕なんかより余程順調に生活してる。そんなのってなんかまいっちゃうよね。深刻ぶってるやつほど頭の中は空っぽなんだ。

僕はいつだって、ある一定のレベルで、そういう浅はかで気の効かない連中にうんざりしてる訳なんだけど、時々は世の中も捨てたもんじゃない、って気分になることもある。そんな時にはこうも思う。僕に起こったことは単なる運の悪いアクシデントだ。気を滅入らせるほどでもない「とるに足らないことなんだ」ってさ。

でも、とにかく、僕は今ちょっとシリアスな問題でまいってるんだ。さっきも言ったけど、まったく嫌になっちゃうことだよ。こんなことがこれからの僕の人生で何回もやってくるかと思うとほとんど狂いそうになる。こうなっちまう前に僕が冗談を言って誰かを笑わせたことがあるなんて今じゃ奇跡みたいに思えるね。

とりあえず、この喫茶店を出てからが問題だ。雨も強くなってきたし、僕には明日の楽しみがこれっぽちもないんだから。

(注:筆者は『The Catcher in the Rye』に感化され、ホールデン口調になっています)


本日の1曲
Where Is My Mind??? / Pixies
youtube

1999年、ナンバーガールが “Wave Of Mutilation” をコピー。
それをきっかけに聴き始めたPixiesは、ボストン出身のオルタナティブ・バンド。
哀しげなコーラスが美しい “Where Is My Mind???” は特に好きな一曲。
映画『ファイトクラブ』のテーマソングとしてもよく知られているらしい。


>>関連エントリー >>
2006/06/28 『J.D.サリンジャー 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
2006/06/21 『退屈なだけの僕の話。