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彼女は死んだのか、本当に?

アートディレクターの野田凪(のだ・なぎ)氏が亡くなった。享年35歳。独自のコワかわいい世界観で、突出した才能を見せつけていた彼女。海外のエージェントに所属し、メディアでは海外の名だたるクリエイターと並んで紹介される人だった。

そのニュースを知ったのは9月12日の朝。情報を調べようとするも、訃報はなかなか見つからない。彼女が設立した宇宙カントリーのサイトにも情報はない。ブログは6月の更新で止まっている。

検索して行き当たるのは個人のブログばかり。一般に馴染みの薄い「アートディレクター」という職業についていたものの、アーティストのミュージックビデオや有名な広告を手掛けてきた人だ。世間ではほとんど無名の映画監督が大麻所持で捕まったときでさえ、報道はあったというのに。

今回奇妙だったのは情報が見つからなかったことだけではない。死亡の話題を伝えるブログで、この訃報が何かのパフォーマンスでないかと勘ぐる人がいたことだ。

彼女は以前、自分の作り出したキャラクター・ハンパンダの葬儀のパフォーマンスを行った(Mopix記事)。彼女は喪服姿でそこに佇み、ハンカチで涙をぬぐった。だから今回のニュースを聞いた人達のうちの一部が彼女自身の訃報を信じられなかったのだ。

「(葬儀の)パフォーマンスのニュースを間違えて伝えているのではないか」
「でも、彼女が人の命をネタにするとは思えない」

情報は横並びで皆が憶測を述べているに過ぎない。これだけインターネットが普及していながら、確かな情報が判らない状況というのは不可思議な事態だった。

彼女は、広告の手法ではなくアートに近いそれで世界観を作り上げた。一連の作品からクラフト感を感じ、その度に、もの作りが好きな人なんだなぁ、という印象があった。

2005年のラフォーレの広告は、グレートーンでモノクロの世界を作りカラーフィルムでそれを撮影したビジュアルを使用した。それは、アートとして扱われても差し支えない作品で、アートは広告になり得るのだと気付かされた。

海外のWebサイトで彼女の訃報が掲載され出してから、混乱はおさまりつつある。今回の数日間の「混乱」は、皮肉と言えば皮肉な事態だった。しかし、それだけ多くの人が彼女の個性を受け取っていたことも確かなのだ。
誤解を恐れずに言えば、自らの死の誤報を流すことも、“彼女ならやってもおかしくはない” 。アートを広告の舞台でやってのける、本当に創造的な人だったと思う。

心から哀悼の意を捧げます。天国でも楽しいパーティーがありますように。

・所属エージェント/Partizanのページ
・Nagi Noda Passes Away | Creativity Online の記事

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