9月 6th, 2009 by taso
RICOH GR DIGITAL III
¥71,820
購入場所 マップカメラ1号店
デジタル製品は発売から時間が経つほど価格が下降する。製品の最安値を示すグラフは株価よろしく、今日も小刻みに変動を続けている。
もう少し安くなってから、と思っているとどこからか新製品発表の噂が聞こえてきたりして、慎重になればなるほど手を出しにくくなってしまう。それに、購入を我慢している間に「撮れたはずの写真」を撮り逃がしているのだ。きっと。
たとえ躊躇する価格だったとしても、フィルム時代に写真にかけていた費用を考えれば安いものだ! と思うことにした。(実際にそうなのだけど)
実は数ヶ月前に、愛機D90をコンクリートの地面に落として背面液晶を割ってしまった。購入後一定期間付与されるメーカー保証は、使用上の過失によるトラブルは対象外となる。購入して間もなく訪れた悲劇を教訓に、落下や水没も補償してくれる店舗での購入を決めた。マップカメラなら購入金額の5パーセントの掛金で破損にも対応した3年間の補償がつく。
今夜はひとり新宿に出掛け、至極あっさりとGR DIGITAL IIIを購入した。すぐに撮影できる状態にセットして街に出れば、手に馴染むGRの質感に自然に顔がほころんでしまう。歩きながら無意識に『よろしくナー。』と言っていたくらいだ。
フィルム時代にはNikon F3HPとGR1vをセットで持ち歩き、画角の違う二台を使い分けていた。重くて大きな一眼レフと違って、GRはポケットに入る手軽さが良い。そんな最強の布陣が、今夜ようやくデジタル版に移行した。これからはNikon D90とGRIIIでいこう。
GRデジタルシリーズはずっと欲しいと思っていたものの、高額なため購入をためらっていた。しかし、先日の愛猫ハク氏との悲しい別れが、写真を撮る行為の尊さをあらためて感じさせてくれたのだった。この部屋には沢山のハク氏の写真があり、そこには我々が過ごした日常生活の “さま” が写っている。気付けば、写真日記[デイ・バイ・デイ]も、開設から一年が過ぎていた。
これからも日、一日を文と写真で記録していきたい。その想いにGRが力を貸してくれると思ったのだ。
本日の1曲
That’s What You Get / Paramore
VIDEO(Official Site)

5月 22nd, 2009 by taso
Photobackというサービスを利用して『デイ・バイ・デイ』を文庫本にしてみた。
このサービスを知ったその日のうちにユーザ登録して編集を開始した。以前からブログを製本してみたい気持ちはあり、いくつかの製本サービスを試したことがある。でも編集しているうちに(なんか違うな)と思ってなかなか注文にまで至らない。
Photobackは、シンプルで内容を邪魔しないデザインであるところが良かった。
専用ソフトをダウンロードすることもなく、オンラインで編集出来るからデスクトップに編集データが溢れ返ることもない。ブログを更新するような感覚で編集できるし、編集が終わったら管理画面からそのまま注文できる。(トンボをつけた画像データを手にキンコーズに駆け込む必要もないのだ)
ラインナップに馴染みのある文庫本サイズがあったことも気にいった理由のひとつ。写真枠の有無や使用するフォントも選べて、ブログの雰囲気に合わせてカスタマイズできるのが楽しい。
『デイ・バイ・デイ』開設から4月末までの約300エントリーの中から記事を選ぶ。72ページのほとんどを同じレイアウトにし、数枚の写真を見開きで配置することにした。

画像のリンク先でページを拡大して見ることができます
プレビュー画面も出来上がりをイメージしやすいので、楽しみながら編集作業が進む。(製本しなくてもサービスが成り立つんじゃないかと思わせるくらいだ)
一週間ほど試行錯誤したあと、まずは一冊注文してみた。
さあ、注文してからは到着が楽しみで仕方ない。注文後一週間後に発送完了のメールが来て、先週の日曜にメール便でポストに届いた。部屋着にサンダルで階段を駆け上がり、さっそく開封すると帯まで付いた文庫本が現れた。
印刷物への憧れは幼い頃からあった。小学生の日記でもワープロで打ち直すとなんだか立派な散文に見えたし、美しい書体が手に入るのが嬉しくて中学生の頃は美術教材のレタリング辞典をトレースして遊んでいたものだ。
出来上がった文庫本のページをめくりながら、「本の体裁をしていること」や「印刷された活字への憧れ」は今も変わっていないのだなと実感する。これからは一定の期間が経ったら本にまとめるのもいいかもしれない。新しいブログの楽しみ方を、また見つけてしまった気がする。
本日の1曲
Just Go On / Asparagus
長きに渡ってiPod再生回数ベスト3にランクインしていた「Just Go On」。
曲中で “day by day〜” という気持ちのよいコーラスが登場します。
これぞ『デイ・バイ・デイ』の隠れテーマソング! (と勝手に認定)
【番外コラム】いつか本を作るかもしれない人に、の話。
印刷の関係上、Photobackでは大きなサイズの画像が必要になります。
文庫サイズでも見開き前面に写真を配置する場合には、
2386ピクセル×1559ピクセルの画像サイズが推奨されています。
→《BUNKOで使用する画像について》
いつか書籍化するかもしれない人は、普段からできるだけ大きいサイズで
画像を保存しておきましょう。
実は、ブログで使うことだけを考えて「程良いサイズ」で撮影していたので、
ここでちょっと苦労しました。これからは贅沢なサイズで!
2月 2nd, 2009 by taso
森山大道はいつもコンパクトカメラで路上を撮影してきた。彼の長年のメインカメラはリコー製のコンパクトカメラ「GR」である。
彼の影響でGRを手にした人は多いと思う。敬愛する写真家と同じカメラが使えるなら、それを選ばないわけにはいかない。そんな動機でGRを購入したのは大学生の時、もう10年近く前のことになる。
そういえば、GRを購入した当初は「リコーってカメラ作ってるの?」とよく言われたものだ。リコーのイメージが「オフィス用光学機器のメーカー」から「高級コンパクトカメラのメーカー」に劇的に変わったのは、名機GRで作品を発表し続けている森山氏の影響が大きいと思う。
GRは2005年にデジタル化され、2007年には後継機のGRデジタル2が発売された。フィルム時代から比べてボディが一回り小さくなったものの、ほとんど同じ印象を与える。デジタルになっても、GRはボクトツとした外観の硬派なカメラなのである。
いつもモノクロフィルムを装填している森山氏が、今回初めてデジタルカメラ(GRデジタル2とGX200)を使った作品展を開催した。森山大道がデジタルを使う、これはファンにとっては大きなニュースである。
会場のRING CUBEはそれ自体が円形のビルディングで、ギャラリーの真ん中にある巨大な柱のような壁面に隙間なく作品が貼り付けられていた。作品を背にすれば、曲面を描くガラス窓から銀座4丁目交差点を見下ろすことができる。
銀座の街は外国のような雰囲気を持っていると思う。歴史ある建物は重厚で、質の良い洋服をまとった人が老舗デパートを行き交っている。最近では若者向けの店舗が増えたとはいえ、人々が銀座という地に抱く憧憬は根強いように思う。
毛皮をまとった女性の姿や、ショーウインドーに飾られたけばけばしい衣装の写真は銀座が歓楽街であることを思い出させる。
マネキンやポスターなどのイミテーション的モチーフや、女性の後ろ姿に注がれるファインダー越しの視線。シャッターや網タイツの模様を用いたグラフィカルな構成。それらはまさに “ダイドー的な” 写真であり、見慣れないはずのカラー写真も意外なほど違和感がなかった。
21mmの広角レンズは街の形相を俯瞰するに相応しい。標準レンズを装着した一眼レフとGRがあれば撮りたいものはたいてい撮れる。標準レンズでは入りきらない景色を撮りたければポケットからさっとGRを取り出して撮影すればよい。フレキシブルで写りも良く、ストリートスナップに適したカメラなのだ。
学生時代にはカメラを持ち歩かないと不安だった。いつどこで撮りたいものに出くわすかわからないからだ。そんな時もGRだったらさっとポケットに忍ばせることができるし、予備カメラとしてカバンに常駐させておいても良い。
展示数の少ないカラー写真の下地としてモノクロ写真の女性の顔が敷き詰められていた。存在感のあるこのマチエールがなかったらあの空間は随分淡白になっていただろうと思う。
空間を操るのは作家の意思だ。多くない作品数と特殊な会場の形態で写真の組み方が際立つ。小規模のギャラリーならではの、空間構成の妙を感じる展覧会だった。
本日の1曲
Alison / Holly Cole
森山大道写真展「銀座/DIGTAL」
http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/event/daido_vol2.html
【 展覧会情報 】
■ 会 期:2009年1月7日(水)~2月1日(日) 11:00~20:00
■ 休館日:火曜日
■ 会 場:RING CUBE
東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8.9F
■ 料 金:無料

12月 22nd, 2006 by taso
ある友人宅を訪れると、彼は間近に迫った個展の開催に向けて準備を進めていた。訪問した時、彼はカタカタとMacintoshを操作し、ポートフォリオを作成している真っ最中だった。
作品の脇に置こうと思うんだけど、どう?彼は少し自信なげに尋ねてきたけれど、その案には大賛成だった。
ただ、差し出された作品から全てを感じ取るのは難しい。どんな経緯で今回の作品を製作するに至ったのか、作品の共通テーマは何か。彼の用意した資料には今に至るまでのヒストリーが記されていた。
当時通っていた美術大学の校内では頻繁に作品展が開催されていた。芸術は学生にも平等にあった。表現することに夢中な学生達は積極的に作品をアピールしていたが、タイトルが与えられていない『無題』の作品も多かった。
ギャラリーの壁にかかった途端に立派に見える抽象画のマジックも知っていたし、清潔な空間では未完のオブジェがもの言いたげな空気を瞬時に身に纏うことも知っていた。
だから『無題』には注意しなくてはならない。何かを孕んでいる印象を与えるこの上ないありきたりな言葉に注意深くなった。作品から何を感じるか。タイトルを付けなかった意図は何か。無題の作品に遭遇するたびに、勝負に挑む感覚があった。作品にタイトルを与えないことが「単なる思わせぶり」か、「最良の選択」かを確かめるために。
ただ目の前に差し出された作品だけで、芸術を理解するのはやはり難しい。そういう環境にあったお陰で、常にアートとは何かを考え続けていたように思う。
日々差し出される芸術に懐疑的になることもあった。今でも無題の作品の前では立ち止まってしまう。
本日の1曲
Untitled / Smashing Pumpkins
