Archive for the '黄昏コラム' Category

Tokyo Real Estate

上京後の10年で引越すること3回。予備校のパンフレットに掲載されていた物件にあっさり決めた1件目。大学近くの物件に住むと決めていた2件目もあっさり決まった。初めて怒濤の不動産巡りを経験した3件目。数年後にアパートの取壊しが決まり、不動産を巡りに巡って辿り着いた4件目の高円寺の部屋。

まず、何処に住むか?を考え、駅単位で狙いを定める。そして出せる限度額ギリギリのラインでの部屋探しが始まる。
幾多の間取り図を前に、その部屋での生活を想像する。東京の生活の拠点になるスペースであるから、まず快適でなければならない。好きなようにカスタムできて、自分の生活を豊かにできる空間が理想的だ。

限られた予算の中で広さを確保したいなら必然的に建物は古くなる。狭くて新しい物件と、広くて古い物件があったなら迷わず後者を選択する。
古い建物は設備の不備が目立ち、窓の立て付けも悪い。ボタン操作でお湯が沸くシステムとは縁遠いアナログな設備。しかし、例えボタンでお湯が沸いても箱庭のようなワンルームマンションで暮らしたいとは思わない。東京で繰り返した何度かの引越経験は新しい価値観をもたらした。

しかし賃貸契約の住居では出来る改造も限られている。床材を剥がしたり、壁のペンキを塗り替えるのはオーナーの許可がいるし、退出時に復帰できる程度にとどめなくてはならない。

ここ数年でリノベーション(renovation=革新、改善)やコンバージョン(conversion=変換、転換)という言葉をよく耳にするようになった。東京では街の至る所に空き室化したビルを見かける。大型ビルディングの建設が相次ぎ、慢性的なテナント不足なのだそうだ。
下町の倉庫や都心の雑居ビルなど経年と共に、用途を失った建物は多い。建て替えることなく、時代に合わなくなった機能や性能を向上させ、既存の建築を有効利用する動きがある。オフィスビルを店舗複合型賃貸住宅へ南青山1丁目のLattice Aoyamaや、表参道ヒルズに残された同巡会アパートなどは話題になった。

運が良ければ、入居前から改築を許可する物件に出会える。しかし街の不動産ではなかなか見つからないだろう。
Tokyo Real Estate(東京R不動産)はそんな希有な物件を専門に紹介するサイトだ。設備を新しく整え、快適な空間を自らプロデュースする。用途を変換した住居は外観も個性的だ。事務所や住居としてリノベーションされた空間はどれも魅力的である。
あるフォトスタジオスタジオ(写真)は築30年以上のせんべい工場を改築して生まれた。リノベーションすることで建物に新しい価値が加わった好例だ。

築年数の古いアパートに一度住んだことで、物件の決定の基準が便利さよりも快適性にシフトした。ほどほどの広さで、できるだけしきりのないスペースが見つかったら、住み易いように自分で改造すればよい。畳の部屋にフローリングを敷き、ふすまを取っ払い、好みの家具を配置すれば驚く程住居は変貌する。引越当初の連日の作業で、一日毎に自分の空間に姿を変えてゆくのは快感だ。

不動産屋の狭いテーブルに並べられた間取り図の数々を眺め、予算と照らし合わせた間取りに自分の生活を当てはめるのが常識だった。
しかしこれとは逆の発想で自分の生活スタイルに合わせて建物を改築する、という選択もある。
壁に画鋲一つ刺すのをためらうような生活にはもう戻れない。古い建物には工夫の余地が残されている。


本日の1曲
Under Control / The Strokes


彼女の魔法の薬

久し振りに会った彼女のキメの整った肌に驚いた。昨年夏に会って以来の再会だったが、滑らかで色ムラのない肌はいくら上手いメイクをしても作れるものではない。会わないうちに彼女はなにを施したのだろう?思わず問いつめたくなるような美肌だった。

彼女は某有名ブランドの基礎化粧品をフルラインで使っているらしい。実際に肌の綺麗な彼女を前にして、その効果に見入る。聞くと昨年から化粧品を切り替えたという。確かな効き目でロングセラーを続ける”信頼できる”ブランドだ。そして勿論高価である。しかし、彼女の肌を見入れば見入る程ものすごく説得力があった。

あくる日、周りの女性陣にその事実を告げた。一様に彼女達の目は輝き、こちらの言葉を聞き逃すまいと大きな目を更に見開いている。そして話し終わってからも暫く『へぇ・・・そうなの・・・』と繰り返している。

カウンターで商品のサンプルを貰った友人は大喜びだ。彼女は”それ”を使えば綺麗になるものと信じ込んでいる様子で、早く試したくて堪らないらしい。綺麗になったその後の妄想にまで話が膨らんでしまっている。顔はほころび、まるで魔法の薬を手に入れたみたいだ。

数日後、友人氏はより自分の理想に叶った基礎化粧品に出会ったようだった。彼女はあらゆる場面でその化粧品がいかに優れているかを力説している。皆が熱心に聞き入り、またしても女性陣の話題をさらっていた。これが口コミというやつなのだナ、と妙に感心する。

より時間をかけ、効果を実感しようと丁寧に肌をいたわる。一概に高価な化粧品が良いとも言い切れないのだろう。しかし「高価なものを使っている」という自己満足が一層スキンケアの時間を濃密にさせる。

その快感を知ってしまうと、もう今までの化粧品には戻れない。コスメジプシーの幕開けだ。ピーリングに顔を真っ赤にしても尚、彼女達は貪欲である。


本日の1曲
El Scorcho / Weezer


What’s mixi?

mixiは登録者300万人を突破したソーシャル・ネットワーキングサイトである。友人と話していると時々「mixiやってないの?」と質問をされる。
周りを見渡してみると意外なことに女性陣よりも男性陣の方が積極的に参加しているようだった。

mixiは招待制であるから、登録するには友人からEメールで招待状を貰わなければならない。さらにmixiは18歳未満利用を禁止している。
これらは運営者が”サイトの安全性、健全性、居心地のよさを向上させ、より多くの方々にこのサイトのサービスを評価していただくために設けたシステム”である。
インターネット上の世界は混沌として、暗いイメージと直結しがちである。mixiは利用者の環境に重点をおいて健全な大人の為のソーシャルサイトを目指す。

招待状の情報を確認し、サイトで登録を完了すると自分のページが与えられる。これがmixiのスタートページである。まずはプロフィールを登録する。性別、年齢、出身地、現住所など。名前はニックネームでもよい。友人まで<友人の友人まで<全体、と公開レベルを設定できる。もちろん「非公開」でも構わない。

まずは自分に招待状をくれた人が第一の友人となる。mixiでは、直接の友人、知人のことをミクシィと呼ぶ。直接の友人、知人は「マイミクシィ」に登録される。要するに友人同盟のようなものだ。お互いの友人リストに追加された後は必然的にお互いの友人に自分の存在が知れることになる。マイミクシィの人数は名前の横の(かっこ)内に表示されるが、100人を超えている人も珍しくない。

より確実な再会を望むなら氏名を本名で登録すれば良い。出身校のコミュニティに登録しておけば懐かしい友人に見つけてもらえるだろう。今はmixiで古い友人を探す人が多いようだ。
実は今までmixiにはあまり乗り気ではなかった。これまでに何度も「○○がmixiにいてさ〜」という報告を聞いたが、過去の友人に再会することに興味が湧かなかった。

勢いでmixiを始めてみて”コミュニティ”の存在を知った。数えきれない程の”コミュニティ”の存在がmixiを魅力的なものにしている。
高円寺在住の人々が集まる「高円寺」のコミュニティでは、近所の喫茶店のおすすめメニューや、地域の催事情報を教えてくれる。地域情報を知るためにインターネットで情報を検索することは多いが、情報が古かったりしてなかなか有意義な情報に出会えないものである。
それらは「歩いて何分か」の場所の情報であり、玄関を出たらすぐ「使える」情報だ。「冷蔵庫いりませんか?」という告知まであって、さながら駅の伝言板のようである。

便利なのはもちろん地域情報だけではない。登録してあるコミュニティに書き込みがあるとトップページに反映される。
写真展の開催の情報は雑誌やインターネットで得ることが多い。しかし毎週ぴあをチェックするのは骨が折れるし、いつの間にか終わってしまうことも多い。

好きな写真家のコミュニティに登録しておけば情報を逃すことは減るだろう。全国のメンバーが地方の展覧会のレポートをしてくれたり、次回開催の詳細も知ることが出来る。
mixiのトップページは自分流にカスタマイズされたポータルサイトのように欲しい情報に溢れているのだ。



本日の1曲
Miracle Drug / U2


教室は墨汁のかおり

交差点を渡り、ひっそりとポルノ映画を上映する映画館を過ぎ、民家の裏口へまわる。自宅から歩いて5分の道程を四角いバックを下げて通った。幼馴染みに誘われて習字教室に通い出したのは確か小学2年生の時であった。

教室は一軒家の離れにあり、先生の自宅と廊下で繋がっていた。先生が自宅に引っ込んでいる隙に、生徒達はゴミ箱をひっくり返し、丸めて捨てられた半紙を投げ合って遊んだ。

教室の隣では体格のいい先生の奥さんが洋装店をしていた。店には近所のおばさんがひっきりなしにやってきて世間話をしていった。教室に居ても大きな笑い声が聞こえた。その頃の商店街にはまだ活気があった。

机が並べられた教室には墨の匂いが漂い、畳や壁は墨汁のしみや控えめな落書きに覆われていた。その日の稽古が終わると飛び石を踏んで洗い場に行く。墨の色で灰色に変色したレモン型の石けんが蛇口にぶら下がっている。筆とすずりを丁寧に洗い、半紙で水気を取り道具箱にしまう。

先生は当時60歳くらいだった。浅黒い顔に白髪まじりの硬そうな髪。深い皺のある顔に黒淵の分厚い眼鏡をかけていた。自分の言ったことに自分で笑い、いつも変な柄のチョッキを着ていた。半紙や墨汁を買ったおつりを渡す時、いつも〜万円という単位をつけた。

生徒の後ろにまわって手を取り、一緒に筆を動かす。前列の生徒の指導の時は先生の尻が目の前にきて、集中力が途切れた。皆で先生をからかっては遊んだが怒られたことは一度も無い。つまらないギャグを言っては、一層子供達に遊ばれていた。

小学校を卒業すると同時に習字はやめてしまった。馴染みの薄い行書に不安を感じたせいもあるが、目先の中学校生活を楽しむ方が優先だったのだろう。

数年前に、先生が亡くなったと聞いた。区画整理がされ、やけにすっきりしてしまった大津通りにもう教室はない。いくつかした習い事の中で、一番長続きしたのは習字だった。先生はいつまでもひょうきんな先生のままで、奥さんはいつまでも高らかに笑っている。


本日の1曲
リバー / くるり


ノーコントロールZZZ

ある朝、隣で寝ていた友人氏は突然「やめて!」と叫んだ。はっきりとした発音で意志を感じる言葉だ。慌てて起き上がり「どうした!?」と聞くとなんだか様子がおかしい。言葉を発した感触は残っているらしいが、何を話したかは思い出せない様子だ。つまりそれは寝言だった。
そういえば前日、彼女に人間関係のいざこざを打ち明けた。夢の中で自分を弁護してくれたのかもしれない。たかが寝言だが、まるで脈絡が無いわけでもない。

小学生の頃は祖母と一緒に寝ていた。祖母は布団に入ると驚くべき早さで寝てしまうから、先に寝た記憶が殆どない。それまで寝言というのはムニャムニャと”なんとなく聞こえるもの”として認識していたが、祖母はまるで起きているかのように話し出した。

出だしは唐突なものの、口調ははっきりしているしこちらに同意を求めているようにも聞こえる。寝言と気付かずに返事をすると、返事が無い。いびきをかいているところを見ると、そうやらそれは寝言だったようである。
こちらの大爆笑で祖母は一旦目を覚ますが、ちらりと孫を見遣った後、再び眠ってしまう。寝言と気付かず、それなりに真剣に返答を考えていた自分を慰めてやりたい。

その上、祖母のいびきはうるさく、隣で寝ていると気になって眠れないことも多い。そして祖母は自分のいびきで起きる。
徐々にいびきのボリュームが大きくなり、くるぞくるぞと思っていると、ある瞬間ハッと目を覚まし、驚いた様子で「何!?」と言う。まるで他人事のようにびっくりしている。
「何って自分のいびきで起きたくせに!」と笑うと、祖母も笑い、次の瞬間にはもう寝ている。

ある友人氏は「ヒレカツ買って来て」という寝言を聞いたと言う。「夜中だからトンカツ屋やってないよ」と返したそうだが、今でも覚えている傑作である。寝言には意外と生活感が溢れている。

考えてみれば、無意識のうちに喋っているというのは奇妙な状態だ。普段いくら発言に気をつけていても、寝言まではコントロールできない。


本日の1曲
Forever And Ever / Mew


我に網戸を!

我が家には網戸が無いばかりか、網戸のレールすら無い。このマンションに越してきて3年目に突入したが、網戸が無いことは普段はさほど気にならない。ただし、夏を除いては。

暖かくなってくると虫が増える。大の虫嫌いとしては部屋の中に虫が入り込むことは大問題である。夏になると窓を開けるのが恐い。空気の循環を感じるために換気扇を回し、エアコンは連続運転を続ける。

昼下がりの快適な読書タイムは、蜂の侵入で一変してしまう。学生の頃、旅行先で蜂に腕を刺されて以来、蜂が恐くて仕方ない。腕はみるみる腫れ上がり、観光どころではなかった。
蜂が侵入してしまったら、まずタオルケットを頭からかぶり、ヨロヨロと窓際へ進む。雄叫びをあげつつ窓を開け放ち、部屋の隅で縮こまっている。
猫氏は蜂を追いかけるが、刺されでもしたら大変だ。アワワとおののきながら猫氏を制する。

窓を閉め忘れて寝てしまった時は、起きると必ず蚊の被害にあっている。蚊や蠅だけでなく、なんだかよくわからない虫まで侵入してくるからタチが悪い。
そんな時は猫氏が大活躍する。虫はチョロチョロと動くおもちゃでしかない。虫の出現におののく主人の変貌ぶりに、猫氏は何事かと寄ってくる。彼なりにただならぬ空気を察している。

「ア、アレアレ・・・!」と虫を指差すと彼はその方向を見やり、虫を追いかけ出す。猫氏との意思疎通を最も実感する瞬間でもある。とどめを刺すところまでを望んでいるのだが、あろうことか虫を食べてしまうこともある。駆除してくれるのは非常に嬉しいのだけど、複雑な気分になる。

先日、暑さで寝苦しく目が覚めた。なかなか寝付けないのでエアコンのドライ運転を思いついたが、この時期からドライ運転するのは早い気もする。
網戸があったなら、まだ涼しい夜風に当たることができるのに、と虫嫌いの深刻な悩みは進行中である。
今年こそは網戸が欲しい。近々網を購入し窓枠に画鋲で貼付けようと目論んでいる。


本日の1曲
Enough / Dance Hall Crashers


A型的性質

自分は典型的A型を自称している。様々な情報で見聞きする「A型の性質」なるものを総括した感想だ。よくA型は几帳面で潔癖だと言われるが、自分の散らかった部屋を見渡すとA型の部屋の模範とは言えそうにない。

しかし、雑多なモノを整頓しようとする意志は見て取れる。雑誌を種類や大きさ別に分類し、CDをABC順に並べ、本は作者のアイウエオ順に並んでいる。A型は分類好きなのかもしれない。
そしてモノが散乱しているのは許せるけれど、埃っぽいのは許せない、というようにボーダーラインがはっきりしている。
血液型関連のサイトで各型の特徴が列記されていたので、A型の箇所を読んでみた。

○周囲や相手に心配る
全員が楽しんでいるか非常に気になって大人数の集まりを楽しめない。自分の快適と同レベルで他人の快適が大事。

○人間関係の平穏望む
無意味な争いを忌み、他人に寛容。失敗は1度は見過ごし、チャンスは2度与える。キレルことは滅多に無く、冷静に観察するタイプ。

○心を開くのが遅い
「初対面で飛ばさない」がモットー。相手を見極めてからでないと己を語らず。

○ルール慣習を尊重
店舗やバス待ちの列で横入りをする人間を軽蔑する。しかし注意する勇気がなく泣き寝入り。

○秩序を重視する
筋道を立てて物事を一から理解しないと気が済まない。空気を読めない人は脅威。

○行動や表現が抑制的
型にはまりやすく、挑戦する事に臆病。新しい試みを思いつくが行動に移す事は少ない。結果オリジナリティーが失われ、自問自答。

○型にはまり易い思考
これはこうでないといけないという思い込みが強い。要するにアレンジする事が苦手。以前友人が乾麺の焼そばを少ない水で戻し「かた焼そば」を作った時、そのアイデアに人知れず驚愕した。

○白黒善悪のケジメ
善悪の基準ははっきりしていて、自分がどちら寄りの思想を持っているかの判断が早い。例えば自分が苦手な人間でもイジメられていると同情してしまう。

○将来に対して悲観的
このままどうなってしまうのだろう、と不安が常に頭をよぎる。考え過ぎて夢でうなされることも多い。

○過去に楽観視の努力
過去の過ちをいつまでも気にして(もし〜だったら)という妄想が頭を支配している。しかし現状打破の努力を怠る。

○完全主義完成目ざす
信念を曲げるくらいなら何事もやる意味が無い、と周囲に折り合いをつけることができずに悩み、自暴自棄になる。

○継続的努力に耐久力
一度始めたことは途中でやめられない。1巻目でつまらないと思った『グリーン・マイル』(文庫全6巻)も我慢して最後まで読んだ。小説の併読も不得手。

○神経の傷回復遅い
一度傷付くといつまでも気に病む。悲観的思想の根は深い。

○心に現状脱皮を願望
このままではいけないと常に思っている。そしてそう思いつつもなんとなく現状維持してしまう小心者。

こうしてみるとやはりことごとくあてはまってしまう。血液型診断には論争がつきものである。インターネットで少し調べただけで、肯定派 VS 否定派の論争にお目にかかれる。

ある人は、これまでずっとA型だと思っていたのに最近調べ直したらO型だったらしい。今までアテにしていたA型の性質をくつがえされ、それ以降血液型診断を一切信用していないと言っていたのには笑ってしまった。診断の一致は単なる思い込みに過ぎないのだろうか?

コメント欄にB・O・ABの診断も列挙したので、興味のある方は御覧あれ。


本日の1曲
Frustration in my blood / Number Girl


ORIGINSのバスタイム

コスメティックブランドORIGINSは自然の力を借りた処方で、スキンケア、ボディケア、ヘアケア商品が豊富に揃う好きなブランドだ。
店舗はデパートのコスメティックフロアにあるものの、メイクアップ商品は少なく、ヒーリングやリラックスを目的としたグッズで占められている。

これからの季節には是非ミントのシャンプーをお勧めしたい。ミントのすがすがしい香りときめの細かい泡。そしてなによりその清涼感がやみつきになる。
たっぷりの泡でゆっくりと頭皮をマッサージしていると、毛穴が開き汚れが溶け出す感覚を味わえる。入浴では徹底的に浄化したいという単純な欲求があるため、夏のバスタイムにはかかせない。

ORIGINSにはジンジャーのシリーズがある。初めて手にしたのはやはりシャンプーだった。すっきりとスパイシーな香りが心地よい。大抵のシャンプーには香りがつきものだけれど、ショウガの香りの商品にはなかなかお目にかかれない。ORIGINSのジンジャー・シリーズはしっかりとショウガを意識させつつ、そのマイルドさで癖になる。

ジンジャー・シリーズにはボディスクラブやボディーコロン、ボディーソープなどもある。一昨年初めて購入したフレグランス(ジンジャー・センシャスセント)に虜になってしまった。

一日の仕事に疲れが出る夕刻につけると、気分転換になりリフレッシュできる。まるでシャワーからあがったばかりのような感覚だ。つけた当初のスパイシーな香りは徐々にマイルドに変化し、さわやかさはずっと続く。これは他人にふりまく香りではなく、自分のために施す香りである。

香水に詳しいわけではないけれど、普段つけているHELMUT LANGのオードパルファムと共に、自分のための香りとして数年間愛用している。男女を問わず使えて、わざとらしくなく、ボトルのデザインも控えめなところも良い。

毎日使うモノにお気に入りを見つけることができれば、使うたびに少し幸せな気分になれる。毎日するイベントのひとつに入浴がある。だから一人暮らしの割にバスラックは賑やかだ。


本日の1曲
LIFE / Mondo Grosso


“Toasted bagle with butter.”

高円寺の商店街でクロスバイクにまたがった外国人氏に駅の場所を聞かれた。この商店街をまっすぐ抜ければすぐに駅が見える。
しかし、咄嗟に尋ねられると英語でどう説明したらよいのかがわからない。咄嗟に『このStreetをぉ〜Go ahead!!』と叫んだところ、彼は流暢に『アリガトウ』と言って去って行った。彼の後ろ姿を見送りながらうなだれる。

またある日は青梅街道で外国人氏に郵便局の場所を聞かれた。『えーと、Post officeはOver there・・・だからあのCross roadをぉ〜Turn right!!』と言いながら思いっきり左側を指差してしまった。Rightは右であろうが。

ニューヨークに旅行に行った時は、ほとんど『I want to〜』と『Can I〜?』で会話を乗り切った。拙い英語だったが、大抵は希望を伝えることが出来る便利な言葉だった。
しかしながら高校受験に大学受験、高校時代に通った英会話スクール・・・今まで散々勉強してこれか、とがっくりきた。

英語は日常的に耳にする言語でも「話す」機会はあまりない。それに自分がいざ喋る段にならないと英文をまじまじと組み立てることも無い。単語の引き出しを探り、今までさらっと流していた構文のあれこれをこねくりまわす。知らない単語に出くわした都度に辞書を調べたり、実際に口にして相手のリアクションを見る。

英語を話さざるを得ない環境に身を置かないといつまでも実践的な英語は身に付かない。海外旅行に行って初めてそれを痛感した。

そして単語を知らないと会話は困難である。友人氏の英語を聞いていると、なんとなく耳にした単語が度々登場する。それは普段聞いている洋楽に登場する単語であったりする。洋楽を聴くのも勉強にならないわけではない。歌詞カードをじっくり眺めて意味を調べれば、調べた分だけ語彙が増える。

英語を話せれば確実に見聞が広がる。もしどこかの大浴場でトム・ヨークとばったり遭遇したら「貴方の音楽に感動している」と英語で彼に伝えたいものである。このままでは英語を話せないがためにチャンスを逃してしまう。けれどもトム・ヨークが大浴場に入浴する可能性は限りなくゼロに近い。

ところで滞在中に友人氏にレクチャーしていただいた”Toasted bagle with butter.”の文句は強烈に覚えている。なぜなら、それがブルックリンのデリでの初めてのおつかいだったからだ。


本日の1曲
Let Down / Radiohead


<Web拍手>とは何ぞや

パーソナルコンピュータからアクセスしていただいている方はこの本文の隣に<Web拍手ボタン>が見えているはず。
先日おもむろに設置してみたこのボタンは、ホームページやBlog管理人にとって心と心を結ぶコミュニケーションツールとして人気がある。

個人サイトを訪問した際に、このWeb拍手が設置されているページをよく見かけていた。クリックするとパチパチと拍手の音声が流れ、別ページが開く仕組みになっている。メッセージボックスを利用して簡単なコメントも送ることができる。

検索でこのBlogになんとなく辿り着いてしまった人も多いと思う。定期的に見てくれる人以外に、会ったことも無い人の方が圧倒的多数だと思われる。
管理人はカウンターやアクセス解析で訪問者の人数を把握できるけれど、実際にコラムを読んだ人がどう思ったかを知る手段はコメントやトラックバックでしかない。
コメントが届くと非常に嬉しい。しかしながらコメントを書く結構勇気がいる、と言う人は多い。実際に自分も辿り着いたサイトを素通りすることが多く、考えてみれば知らない人のBlogにコメントを残したことは無い。

Web拍手を使って送信したコメントは管理人しか閲覧できないため、不特定多数の人の前にコメントがさらされることもない。従ってこれまでよりも気軽にメッセージを送れる。文章をあれこれこねくりまわして考える必要も無いし、管理人宛の個人的私信としても使用可能だ。

Web拍手の公式サイトにはこうある。
<情報としてはボタンを押された回数という非常に淡白なものですが、送られた側にとっては、「自分のサイトを見て、誰かが拍手ボタンを押してくれた」という事実が嬉しいのです。
「ただボタンを押すだけ」なのに、今までは遠くなりがちだったwebサイト管理人と閲覧者の距離をぐっと縮めることができるのです。>

成る程!コンセプトにも共感できるし、設置してみようと思った。管理人の心中、言い得て妙である。


本日の1曲
Our Nature / Yuppie Flu