ある雨の日の僕の話。


まったく嫌になっちゃうことが起こったら、みんなはどうしてるんだろうね。
シートの破けたソファーにうずくまったり、薄ら寒いテレビショウを見て時間を潰してるとそんなことがやけに気になってくる。

でも残念なことに、この質問に気の効いた答えを返してくれそうな奴はいないな。少なくとも僕の周りにはね。だからもし誰かに聞いたとしても特効薬にはならない。こんな言い方って冷たすぎるかもしれないけどさ。

人ってのは自分のことで忙しいらしい。もっともらしくため息をついたり、退屈だと嘆いてみたり、死んだ哲学者が書いた本を読んだりさ。言うまでもないけど、奴らは僕なんかより余程順調に生活してる。そんなのってなんかまいっちゃうよね。深刻ぶってるやつほど頭の中は空っぽなんだ。

僕はいつだって、ある一定のレベルで、そういう浅はかで気の効かない連中にうんざりしてる訳なんだけど、時々は世の中も捨てたもんじゃない、って気分になることもある。そんな時にはこうも思う。僕に起こったことは単なる運の悪いアクシデントだ。気を滅入らせるほどでもない「とるに足らないことなんだ」ってさ。

でも、とにかく、僕は今ちょっとシリアスな問題でまいってるんだ。さっきも言ったけど、まったく嫌になっちゃうことだよ。こんなことがこれからの僕の人生で何回もやってくるかと思うとほとんど狂いそうになる。こうなっちまう前に僕が冗談を言って誰かを笑わせたことがあるなんて今じゃ奇跡みたいに思えるね。

とりあえず、この喫茶店を出てからが問題だ。雨も強くなってきたし、僕には明日の楽しみがこれっぽちもないんだから。

(注:筆者は『The Catcher in the Rye』に感化され、ホールデン口調になっています)


本日の1曲
Where Is My Mind??? / Pixies
youtube

1999年、ナンバーガールが “Wave Of Mutilation” をコピー。
それをきっかけに聴き始めたPixiesは、ボストン出身のオルタナティブ・バンド。
哀しげなコーラスが美しい “Where Is My Mind???” は特に好きな一曲。
映画『ファイトクラブ』のテーマソングとしてもよく知られているらしい。


>>関連エントリー >>
2006/06/28 『J.D.サリンジャー 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
2006/06/21 『退屈なだけの僕の話。


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5 Responses to “ある雨の日の僕の話。”


  1. 1tacikawan boys like

    ふーん・・そういうこともあるよね・・・たしかにあるよね。
    でもね、今はもう君が奇跡のように感じる(nannte oogesada!)君の冗談を君の当たり前の君として記憶していてね、町で君とばったりあったらきっと・・あれ・・ほらあれだよ・・憶えてないの?オイオイッって思うようなね・・君の一発ギャグを見たくてね・・あれ?この町にビリヤードやれるとこないの?負けたら一発ギャグの刑あれやりいこうよ・・まさかもうできません・・なんてつまらないことは言わせないよ。

    馴染みの自販機で近所のこどもと偶然一緒にジュースを買うときなんかにね、真夏に思いっきりやっぱ夏はコーラに限るぜ!って言ってさ・・横目でちゃんとそのことを意識させてからさ・・アチチッって缶を取り出すんだけどさ・・全然ウケなかったりしてさ・・まいっちゃうよね。きっとこういうこともまいっちゃうっていうんだよね。

    でもね時々思うんだけどあのギャグってそこまで完成度高くないよね・・・だからきっと君はギャグよりも繊細でクールな表現の方が向いているんだよ・・きっと。


    注・この文章は夜ということとホーデンなんとかって本の人の口調?に似せて書いてます。

    読んだことないんだけどね。まいっちゃうよね適当に甘えちゃう癖があってさ・・。

  2. 2tacikawan boys like

    度々ごめんね。このギャグってtasoのだっけayaのだっけ?ふと気になりました。それだけ教えて俺そういうのすごく気になるんだよね。そういうとき俺って理数系だよなぁって思う。数学って結構好きだよ。将棋も好きだしね。

    おやすみ

  3. 3taso

    やあ、tacikawan boys like、これが君からの便りってわけだね。
    なかなか洒落たことするじゃないか。僕はこうした君との一風変わったやりとりを心から歓迎するよ。今の僕には時間はたっぷりあるし、僕に興味を持ってくれる人なんて君くらいしかいないからね。「しか」ってのは僕の口癖なんだ。

    冗談の話はまったく懐かしいね。学生の頃はよく玉突きをしたもんだ。僕がやった滑稽な小芝居は君に伝承されてたわけだ。そのせいで君がまいっちゃう気分になってたなんて可笑しいな。

    でも残念ながら、子供を笑わせることは僕の得意なところじゃないんだ。
    もっとも望んでることを完璧に実現させるのは結構難しいってことだよ。

  4. 48 to 3

    pixiesはDebaserがいいな。

  5. 5taso

    ようこそ、8 to 3。
    Debaserを聴いてると、僕はほとんどガードレールに突っ込みたい気分になるんだ。
    わかるかい? とてつもなくクールってことだよ。

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