書籍購入の作法

オンライン書店は絶版でない限り、ほとんどの本を手に入れることが出来る。運が良ければamazonマーケットプレイスで探していた絶版書籍を購入できるかもしれない。以前、ずっと探していた絶版書籍がオンラインであっさりと購入できた時、なんだか肩透かしを食らった気分になった。

都市部には大型書店があり、どの店も一定の客数を保っているように見える。週末の夜などは結構な混みようで、通路脇に置かれた椅子で読書をする人の存在も大型書店にはお馴染みの光景である。それぞれのフロアに並べられた本棚はドミノみたいだ。人々は磁場に引き付けられたように、本棚の前に突っ立って頁をめくっている。

人文、思想、芸術…自分が探している書籍は果たしてどのジャンルに割り振られるものなのか。店内の検索コンピュータの空きを待つ時間も惜しくて店内を右往左往する。エスカレーターを上り下りする。店舗で過ごすその時間すら愛おしいのは単なる本好きの戯れ言か。

オンライン書店の書籍検索はピンポイントで商品を素早く探しだすことができる。検索した後に、棚の前に移動する必要すらない。もっとも、店舗に行く必要もない。
購入ボタンをクリックすれば発送完了のご丁寧なメールの後に自宅に配送される。
インターネットならではの広範囲の検索とスマートなクレジットカード決済。しかし問題もある。在庫切れ、だ。

先週amazonで注文した書籍、上中下巻。我が家に到着したメール便には中巻のみが入っていた。
在庫切れによる発送遅延のEメールが届いていた。発送までの数週間、注文を放っておけば商品は用意され、自宅のポストに投函されるだろう。
しかし問題はそのタイムラグだった。セブンアンドワイは?bk1は?楽天ブックスは!?どこも在庫切れだった。ふつふつと沸き上がるこのタイミングを逃したくない気持ち!

街の中規模書店や古書店を巡るが見つからなかった。紀伊國屋書店、BOOK1st、LIBRO各店に電話で在庫を確認するが、無し。お目当ての書籍は全国的に在庫薄とみえて、たった2冊の本をなかなか見つけ出すことが出来ない。うむ!
数年前に新宿駅東口にジュンク堂がオープンした。まだ行ったことのないその店舗に電話で問い合わせをする。(ここになければ発送を待つか。)
保留音が流れる間、非常に感じの良い店員氏が店内を巡回してくれ、最後の一冊の所在を確認。

今宵、待望の書籍を手にし鼻息荒くレジへ向かう。ジュンク堂店員氏は素早く2冊の本にカバーをかけ、これまた素早く本を裏返し人差し指でピッと背表紙に折目をつけた。
普段オンライン書店を利用しまくっている小生、本を探し回るのは久々だった。かくして我が家に目当ての本はやって来た。


本日の1曲
(Splash)Turn Twist / Jimmy Eat World


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