ポタリング・トーキョー 〜西新宿騙し絵界隈編〜


飲食店が密集し、歌舞伎町を有する東口。再開発が進み、若者が多い南口エリア。夜が更けるにつれて街の喧噪はボリュームを増してゆく。
しかし、西口を出て10分余り。その喧噪とは無縁のように夜の西新宿は閑散としている。

立体交差する複雑な土地の下には地下通路が張り巡らされている。西新宿で働く多くの人々が駅から続く地下道を利用している。地下道から建物へ、建物から地下道へ。新宿の地上を歩かずして一日が終わることもある。

そのせいで夜の路上は一層人気がない。週末ならなおさらのことだ。巨大なビルディングがのっそりと立ちはだかっているが、建物の中はがらんとしている。
オレンジ色の街頭が広い道路を照らす陸橋に立つと、駅近くの派手なネオンの看板に人の気配がする。

駅近くでは混雑して騒々しい飲食店の店内もこの辺りでは随分落ち着いて営業されている。若者の姿は少なく、店内も空いている。皆は仕事や用事の帰りにひっそりと静かに食事をしているように見えた。
日中は沢山の観光客を乗せたバスが徘徊しているが、夜になると観光に疲れた観光客はホテルの部屋に吸い込まれてしまう。

時折自転車を担いで階段を上りながら折り重なった道を走ると、巨大な騙し絵の中を徘徊している気分になった。
西新宿を背に自転車でするすると青梅街道を走る。神田川近くの高台から振り返ると西新宿の景色が一望できた。高層ビルが建ち並ぶ、一見華やかなエリアもその中はひっそりとしている。


本日の1曲
Polaris / Jimmy Eat World


続けて読みたいエントリーたち

0 Responses to “ポタリング・トーキョー 〜西新宿騙し絵界隈編〜”


  1. No Comments

Leave a Reply