チョー(超)方言。

東京出身の人々は日常的に地方CMを見ることがない。幼い頃からそれを見て育ったせいで東京のテレビ番組に一切地方CMが流れないことが衝撃だった。田舎者にとって、常に金のかかった全国区のCMが流れているのは驚愕に値する。

正月に実家に遊びにきた生粋の東京人氏は静岡の民放で日夜繰り広げられる地方CMワールドに釘付けになっていた。「ねー、これも!?これもそう?」とはしゃいでいる。「望月商事」や「コンコルド」のCMは結構パンチがあるし、深夜帯になると呉服町のパブのCMまで放映される。しかも動かない画像にナレーションが入るだけという惨状だったりするから気が抜けない。

しかし地方性の最たるはやはり「方言」である。
静岡は突拍子もない方言は少ないように思う。簡単に言うと語尾が変わる。「だら」「ずら」は頻繁に用いられる。「だっちょーよ(らしいよ)」というのもあるがこれは自分がおばあちゃん子であるために咄嗟に浮かんだ方言で、若者は使わないディープな表現だと思われる。
『あんま東京と離れてないもんでぇ、言ってることンまるでわからんってわけでもないと思うだけん、どうかやー?』とこんな具合に。・・・わかるら?

神奈川県民氏は『静岡の人って「だもんでー」っていうよな!』と笑った。悔しい。でも確かに「だからさー」の意味で「だもんでー」はよく使う。
その接続語は静岡県内に蔓延しており、大学の友人が使うその語句のおっぴろげ感に彼は驚いたそうだ。「だもんでー」は「も」がアクセントで、言われてみると結構唐突な気もする。

上京した当初、東京もんの言う「チョー(超)」に馴染めなかった。静岡では「チョー」の代わりに「ばか」を使う。『ばーかかっこいいらー?』というのは『チョーかっこよくネー?』と同義である。
「チョー(超)」は北海道では「なまら」だし、名古屋では「でら」だし、大阪では「めっちゃ」やし、兵庫では「めっさ」だし、長崎では「がんじり」である。(taso調べ:追加募集中)

新幹線で帰省し、実家に着いた途端に口調が見事に静岡弁に戻るのには我ながら感心してしまう。同じ静岡出身の友人達と話す時も自然に方言にシフトしている。

東京で生活していると様々な地方の方言を耳にする。全国各地から集まった人々の地方話を聞くのは面白い。しかしながら友人の口から知らない方言が聞かれた瞬間、聞き耳をたててしまうのは、そこに自分の知らない友人氏を垣間見るからだ。
ここでは皆がそれぞれの地方を背負って生活している。それはなかなか興味深いお荷物であると思う。


本日の1曲
Local Boy In The Photograph / Stereophonics


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