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ドラえもんの方程式

腹を抱えて笑う自分の前で、彼女は深刻な表情で訴え続けている。我々の間の温度差はなんなのか。その惨劇はいにしえの彼女のキャラクター好きに起因するものである。

それはとあるグッドセンスなカフェバーでの会話。彼女は店内を見渡し、自分好みの空間に満足していた。『ひとり暮らししたら絶対こういう部屋にするんダァ!』と決意を固めたようだった。連れてきてよかった、とこちらも満足する。しかし次の瞬間『でも絶対無理・・・』と落ち込んでいる。

聞くと彼女の部屋にはドラえもんグッズが沢山あるようだ。確かに彼女の目指すインテリアにはキャラクターグッズは似合わない。
彼女のドラえもん好きはちょっと有名だったらしい。そのせいで未だに旅行土産や誕生日のたびに新たなドラえもんグッズが彼女の部屋に投入され続けている。友人の間では「あいつにはドラえもん」という方程式ができあがっているらしい。困ったことに誕生日仕様の豪華なドラえもんは『結構デカイ』らしい。

人知れずドラえもんの増殖に悩んでいた彼女は名案を思いついた。将来産まれるであろう自分の子供に押しつけることを。
しかし最近ドラえもんの声が変わってしまった。彼女の所有するグッズの中には喋るドラえもんが多く含まれている。深刻な事態だ。
『オカーサンこれドラえもんの声じゃないヨー、って言われるしサァ、きっと・・・』彼女は一層肩を落とす。笑いすぎて腹が痛い。

彼女の父親はホワイトディにピロケースを送った。もちろん「ドラえもん」の。可愛い娘のために綺麗に包装されてはいるが、この瞬間彼女の部屋には新たなドラえもんグッズが彼女の部屋に増えてしまった。
彼女はまたしても『ありがとー!』とその場で嬉しそうな表情を作り、部屋に持ち帰って困惑した。そうして彼女のピロケースは意味もなく2重になり、うっすらとドラえもんが透けているそうだ。


本日の1曲
Other Side Of The Wall / BEAT CRUSADERS

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