I’m a Day Dlipper.

以前からその友人氏が会社のボスに腹を立てているのはよく聞いていた。どうやら短気で、頑固で、癇癪持ちのようだ。入社して1年程経ち、大分ボスの扱いにも慣れてきたらしいが、その日もまた会社でいざこざがあったらしい。

その時、ボス氏は電話の相手に腹を立てていた。ガシャンッ!と受話器を置いた後、周りのモノに当たりまくり、彼女にも当たり散らした。他人に向けられた怒りが部下に飛び火する壮絶な職場である。日頃から彼女に同情している自分は熱心に話を聞く。
『もー!すごいトビッチリだったよ!!』
言いたいことは理解できるが、そこに頷き難い雰囲気が漂った。ボス氏の話で腹を立てている彼女には言いにくかったがそれはおそらく「トバッチリ」である。

ある時は思い出話に遠い目をして愛おしそうに彼女は言う。
『なんかセンチメタルだよねェ・・・』
なんだか感傷に浸る暇も無くせわしないギンギンのギターが聴こえてきそうだ。感傷に浸っている彼女には言いにくかったがそれはおそらく「センチメンタル」である。
彼女は「惜しい」発言が多い。それがどんなに怒れる話題でもその勘違いで笑い合い、深刻過ぎない雰囲気になるのは彼女の愛しい一面だと思う。

普段は指摘役の自分だが、実はこのBlogの副題も惜しい勘違いである。
先日ある友人氏がかしこまった様子で自分に問う。彼女の頭上にはハテナマークが踊っている。
『ねぇ「デイドリッパー」ってどういう意味・・・?』

そういえばなんとなく感覚的につけてしまったこのBlogの「高円寺在住のデイドリッパー、黄昏コラム。」という副題であるが、よくよく考えてみるとそんな言葉は存在しない。格好をつけた副題に満足していた自分は認めたくなかったがそれはおそらく「デイトリッパー(Day Tripper)」である。

「Day Dreamer」と「Day Tlipper」が混じってしまった。なんとなく音感に惹かれて深く考えもせずに決めてしまった。
その勘違いを認めざるを得ない状況にたじろぐ。指摘されて初めて自分の勘違いに気が付いた。
それを告げると彼女はすっきりした面持ちであった。ここ何週間か彼女はその疑問で釈然としない気分だった。しかしながら自分になかなか聞くことが出来ず、辞書を調べすらしたらしい。

しかしながら、辞書に載っていない言葉は格好良い気もする。綴りは違うが「ドリップ(Drip)」は「したたる」という意味もあって考えようによっては悪くない。
だから『Day Dlipper』は自分が生み出した造語だ!と言い切ることに決めた。

<新訳>
『Day Dlipper』という言葉は一般的には用いられない。誤用だと思う人もいるかもしれないが、これは完全に自分の作った造語であるから安心して欲しい。
勘のいい人ならお分かりかと思うが『Dlipper』とは「Dreamer」×「Tlipper」の意味である。
従って『ひねもす夢見がちな放浪者』という意味であり、『オノレとの対話(ここでいうコラム)にうつつを抜かしながら、人々の間を渡り歩く旅人』という解釈をしていただきたい。


本日の1曲
Scar Tissue / Red Hot Chili Peppers


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