ギターデビュー未遂

活躍するミュージシャンが全て音楽的に早熟なわけではない。しかし大体は10代後半にはギターを手にしているだろう。音楽的な目覚めは中学あたりで訪れ、高校生になるとより実践的に、そう、ギターの練習をしてバンドを組んだりする。

実は昔ギターを買ったことがある。新品で12万円のレスポールとローランドのアンプ。少し親にお金を出してもらって買ったギターは「レモンドロップ」という色名通り、美しい木目の艶やかな黄金色をしていた。
当時親しくしていた友人氏の家に入り浸り、コードを覚えた。最初に弾いたのはThe Beatlesの”Please Please Me”だった。KISSやQUEENを愛聴し、上達の早い友人氏はEric Claptonを弾いた。

しかし程なくしてギター熱はあっさりと醒めてしまった。大金をはたいて買ったギターもその友人氏の家に置きっぱなしのまま10年以上が経過している。考えれば考える程ギターがもったいなくなるのであまり考えないようにしている。

幼い頃はピアノを習っていた。街の音楽教室に通い、自宅では先生ごっこでピアノの宿題を父親に押し付け、大いに厭がられた。
ピアノの発表会が開催された時、一緒に教室に通う「おともだち」はタキシードやかわいいドレスを着ていたが、その時何故か自分は着物で「おてもやん」を踊らされた。自宅のオーディオで「おてもやん」のレコードをかけながら踊りの練習をしたのを覚えている。

今思えば「楽器は向いていないヨ」という啓示だったのかもしれない。その後ピアノにもギターにも挫折。全う出来たのは小学校のブラスバンドのシンバルくらいなものだ。

楽器を使って自らの音楽を奏でるのは夢の話だ。束の間のギターいじりで思い出せるものと言えば、ずっしりとしたギターの重さと、Fの壁と、弦の張り替えの面倒くささくらいなものである。

今は洋楽、邦楽を分け隔てなく聴くようになった。部屋にいる時は常に音楽を流している。テレビの画面を見ることよりもオーディオのスイッチを入れてCDを聴いていることが多い。
CDに飽きるとiPodをシャッフルさせて2000曲をかき混ぜている。そしてそれらの素晴らしい音楽を聴く度に、楽器が出来たなら・・・と仮定してみたりする。


本日の1曲
Detroit Rock City / KISS


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