騒ぎとは無縁の男達
強い陽射しでくっきりと影をつくる眩しい芝。そのピッチに立つ選手達を我々は4年振りに目撃している。
ワールドカップは選手にとっては勿論、世界中のフットボールファンにとっても特別な大会で、メディアの注目度も最高潮に達する。世界中の有名企業が協賛し大会は一層華々しい。
しかし試合の合間に放送されるお祭り騒ぎのコマーシャルの喧騒は選手達とは違う次元で起こっているように感じられる。選手達はコマーシャリズムとは無縁の場所にいるように思えるからだ。世間が試合結果予想に躍起になり、企業が経済効果に頭を巡らせている間も、彼等は目の前の試合に勝つことだけを考えている。
コマーシャルがあけた直後に、選手達の険しい表情が大写しされると、なんだか申し訳ない気分になってしまうのは自分だけだろうか。その険しい表情と、サポーターに扮したタレントの賑やかな素振りがどうしても結びつかない。
選手達はこの全世界的騒ぎを感じているのだろうか。もっとも、彼等はおそらく自分でも思い出せない程多くのメディアの取材を受け、インタビューに答えているはずだ。
しかしピッチに立つ選手達にそのお祭り騒ぎは無縁である。日本中が騒いでいようがいまいが、試合に勝つことしか考えていないのだから。画面の選手達は今、己との戦いに殺気立っている。
ワールドカップ関連商品や、メディアをけなしているわけではない。そもそも何も期待していない。
ただ、想像していた以上に選手達のストイックさが画面から伝わってきて、それに動揺してしまったのだ。
本日の1曲
Yahweh / U2
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5/13 『World Cupの歓喜の渦』
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