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独身リンゲン

少し前に「シングルリンゲン」というリングが話題になった。
シングルであるという意思表示のためのリングだ。マリッジリングが既婚者であることを意味するように、その青いリングは未婚者であることを意味する。

スウェーデンで生まれたシングルリンゲンは昨年日本に上陸した。ファッション誌でも度々取り上げられ、セレクトショップでも販売されている。
WEBサイトは各国言語に対応していてインターネットで注文すればエアメールで配達される。

既婚者全員がマリッジリングをしているわけではないし、女性に対して結婚しているのかを尋ねるのは勇気がいる。話の内容で判断するのも時間がかかるし、その気づかいのせいで折角の機会を逃している、と考えれば出会いを求めているシングル氏にとってはこの上ないアイテムだろう。

無事に相手を見つけた後は結婚式のブーケトスのようにシングルの友達にあげる・・・のがいいかどうかは別として、とかく悲観的色彩を帯びがちなシングルライフを割り切って楽しむことができる。と、ポジティブに考えてみようじゃないか。シンプルなデザインにも好感が持てるし、コンセプトもいいところをついている。

世界中で販売されているリングにはそれぞれシリアルナンバーが刻印されていて、Webサイトに登録すると同じナンバーのリングを持った相手とコンタクトが取れる。

Webが普及した今こそ世界中の人々とコンタクトが取れるアイテムは”実践的”だ。たった一人のその相手はこの世界のどこかにいる。

けれども肝心の相手が登録を怠って、いつまでたっても直接コンタクトが取れない可能性だってある。中にはそれを嘆く人もいるかもしれない。

たとえ世界のどこかにいる彼(彼女)のシングルリンゲンがベッドサイドテーブルに放り出されたままになっていたとしても、そうして誰かと繋がっていられるというのは素敵なことなんじゃないだろうか。
リングのことなどとっくに忘れて目先の週末のプランを考えるのに必死かもしれないし、提出期限の迫ったレポートを前に頭を抱えているかもしれない。

そんなことをぼんやり考えていたら小学校の時に手紙をつけて飛ばした風船を思い出して、少しセンチメンタルな気分になった。


本日の1曲
Have A Nice Day / Stereophonics

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