イカントモシガタイ男

タバコ臭くて狭い部屋も、適当な生地で作った安っぽいソファーも気が滅入る。カラオケはだけは避けて通りたい。選曲本を見ながら、パチパチと適当な拍手をして、必死にリモコンを操作している姿も、歌い出した途端にキーを器用に調節する素早い指の動きも、採点ゲームに興味のないふりをしながら点数をあげようと語尾を延ばしている姿も、我慢できない。のびのびと人の作った歌を歌いあげ、褒められて照れながらも確実に悦に入っているような人間は、信用できない。

以前、街の激安カラオケ店で、選曲本に焼きうどんが挟まっていたことがある。しかも1本や2本ではなかった。ほぼ1人前と思われる量が分厚い冊子にぺちゃんこになって挟まっていた。こう扱われるのがカラオケのメニューの宿命なのか。
薄っぺらい冷凍ピザや、化学調味料の味しかしないピラフ。適当に作ったラミネート加工されたメニューも嫌だ。そもそも激安カラオケ店の食事に期待するほうが間違っているのだ。一人暮らしの部屋で食べる料理の方がまだマシだ。

男性が眉毛を整えるのも許せない行為のひとつだ。見渡すと若者で眉毛を加工していない男子は稀。細眉をキメた男子達は自分の顔の面積の広さに気がついていないのだろうか?今や高校球児ですら細眉の時代だ。オリンピック選手も練習の合間に眉を整えているのだろうか。

街中に溢れる細眉の男達はまるで信用できない。いくら偉そうに人生を語っていても、自室で鏡を覗き込んで毛抜きやハサミで眉毛を整えているところを想像したら、一気に説得力が失せやしないか。

ある時友人氏と話をしていて、『そういえばtasoは眉毛いじってる人嫌いなんだよネー』とライトな感覚で同意を求められたことがある。その瞬間に頷くのをためらったのは、そこにいた一人の男子大学生の奇異な眉に内心釘付けだったからだ。
眉毛をキチンと刈り込んだ上に、カラオケを熱唱している若い男子、これでは二重に信用ならない。


本日の1曲
MANGA SICK / Number Girl


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