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25日のショウウインドー

12月を散々盛り上げたクリスマスが終わると、1週間もたたないうちに正月がやってくる。東京の景色は12月25日と26日では随分変わる。日付が変わる頃からが慌ただしい。
役目を終えたサンタクロースは倉庫に眠り、街から”Merry Christmas”の文字は消え去る。クリスマスが過ぎたら、クリスマスの余韻は残さない。

ある年の12月25日、深夜の銀座のショウウィンドーは一斉に模様替えの真っ最中だった。空になったガラス張りの空間はそこだけ煌々と照らされて闇に浮かび上がっていた。その中にはそれぞれに人影がうごめいている。目の前の車道には小型のクレーン車が停車し、銀座仕様の豪華な正月飾りが次々に搬入されてくる。

銀座は多くのデパートが建ち並んでいる。真夜中に街中が西洋から東洋へ慌ただしく雰囲気を変えていた。クリスマスと正月は明確な季節の指標で、年間のディスプレイ計画には欠かせない。12月25日を境に、東京の冬の景色は変わる。

普段通りに仕事をしているうちに、いつの間にか年末になっている。急いで通り過ぎる駅近くのショウウインドーがいつの間にか入れ替えられているのに気付く。毎日の時間を示すのが時計の役目なら、都会の季節を感じさせる役目はショウウインドーが担っているのかもしれない。

ある日の作業の風景は影絵のようにも見え、華やかな舞台を裏から覗いているような気分になった。


本日の1曲
Black Velveteen / Lenny Kravitz

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