キルフェボン、夢のワンホール。

出身地である静岡の名物は、お茶、わさび漬け、ウナギパイ、みかん。これらは実家に帰れば溢れかえっているし、最早なんの有り難みもない。しかしひげ奴の塩辛とキルフェボン(Quil fait bon)のタルトは帰省したら真っ先に食べたい静岡の名産である。

まだ静岡に住んでいた高校生の頃、両親とのお出かけの際にキルフェボンに入店。当時はまだ狭い路地にひっそりと店舗があり、ポットに入った紅茶やコーヒーが無料で提供されていた。その後丸井静岡店にも店が出来、現在では青葉通り(静岡市のミニ表参道)に店舗をかまえている。

ちょっと固いくらいのタルト生地と甘過ぎないクリーム、そして大胆に果物が乗っている。タルトを食べているというよりフルーツを食べている感覚に近い。
我が家の父親は豪快にタルトを購入する。こちらの不安をヨソに「全種類1つずつ」買う。核家族だということを忘れているのだろうか。その為に翌朝の朝食・昼食がタルトになる。
しかしながら異なる種類の色鮮やかなタルトがワンホールを形成しているのはなかなか素敵な眺めであった。ブルーベリーのタルト(写真左上)は個人的定番。

受験で東京に上京している時、宿泊しているホテルにその「ワンホール」が届いた。お気持ちは非常に嬉しかったのだけど、これをどうやって食べろと言うのか。やむなく受験勉強を途中で諦め、代わりにタルトを詰め込んで会場に向かった。

正月に静岡に帰省した際に青葉通り店に初めて入店。正月の3日だというのに店内は人々でごった返していた。店内中央には大きなショウケースが鎮座し、人々は皆カラフルなタルトを愉しんでいる。フランス語がプリントされた黄色い箱は当時から変わっていない。

キルフェボンは近年東京に進出。銀座・青山・代官山・二子玉川に店舗をオープンし、大盛況のようだ。
静岡発のキルフェボンのタルト。あのおいしさは全国区だと思う。


本日の1曲
A Movie Script Ending / Death Cab For Cutie



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<追記>
キルフェボン的タルトを求めていたら、高円寺にもおいしいタルト店を発見した。北口にある「ノアパパ」という小さなお店。店舗が狭すぎて商品ケースと大型冷蔵庫の間に店員さんが立っている状態である。
ある日、近くの沖縄居酒屋「抱瓶」に行った帰り道、0時だというのに店に列ができていた。オリジナルのケーキのオーダーも受け付けてくれる。
都市型ケーキショップ「ノアパパ」は高円寺駅北口2分、0時半まで営業中。


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