LIFE

自分が居なければ、自分が守らなければと大切にした思いも厄介な自尊心と共に行き場を無くしてしまった。
「それでも人間は生きていけてしまうのだ」という現実を生きている。喪失感に苛まれて、隙間を埋めることができないままであっても、生活は続く。

ひっそりと人間を想っている時間は現状を何も動かすことはない。けれど動かされる現実が怖くて仕方がない。自分に与えられた幾つかの選択肢を眺めては何年も岐路に立ち続けている。
例え身体的な繋がりを感じることができなくても、見えない思いが繋がっている。誰かを想って涙を流すように、誰かが自分のために涙を流しているかもしれない。そう思うことで自分を支えてきた。

心に残っているそこだけが現実味があって、本当の自分のような気がする。不用意に見せられない勝手で傲慢な姿。しかしそれこそが逃れられない自分の姿なのだ。
いつまでも記憶に留まっていれば、深く傷つくこともない。蘇った痛みは優しい人々の掛けてくれた言葉で中和すればいい。きっと時はそこで止まってしまった。それからは流れていく月日にただ流されているだけだ。

『お前は絶対大物になるぞ!』
中学校の教師は卒業アルバムにその言葉を書いた。窮屈な幼少時代を過ぎ、誰もがこれから起こる全てに期待を寄せた。あの頃はなりたいものには何にでもなれるという高揚感があった。自分も、周りの人々も。

あの頃なりたかった自分に近づけているだろうか。
再び出会った人と笑い合うことは出来るのだろうか。
守るべきものを守りきれなかった自分を悔やむ。静かに思い出を辿る時間と、慌しい生活が交錯する毎日。

決して忘れられないとしても、人の心にただ残っているのは幸せなんだろうか。心の奥底にある想いは浮ついた人間関係や浅はかな同情に侵食されなくて済む。
それは時に全てが手につかなくなるような動揺と共に思い出され、何年もとどまっている癖に色褪せてくれない。目の前を過ぎる現実は自分を形成するほんの一片にしか過ぎなくて、起こっていることは時々リアリティがない。


本日の1曲
ペチカ / MO’SOME TONEBENDER

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