信じられるかい? これが僕の “電話” なんだ。 iPhone Keynote@MacWorld2007



アップル社CEO スティーブ・ジョブズの行うプレゼンテーションは “キーノート” と呼ばれる。2007年1月に行われた iPhoneのキーノートを初めて見た時は鳥肌がたった。こんなにも胸躍るプレゼンテーションを未だかつて見たことがなかったからだ。

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Steve Jobs Keynote Macworld 2007 SF
iPhoneのプレゼンテーションは25分過ぎあたりから。何度も驚かせる話術に場内騒然
iPhoneを発表するスティーブ・ジョブス(日本語字幕)
冒頭からの約8分間のキーノートを字幕つきで見られます
Apple.com ※リンク切れ(2012/10/5確認)
Mac World 2007 Keynote Address(英語)
[Watch iPhone Introduction]から約90分のiPhoneキーノートを視聴できます

ジョブズのキーノートは世界中のApple Maniacsを虜にする。それはキーノートの隅々までアップルの哲学が反映されているからだと思う。
独創的で洗練されたアップルの新製品はもちろん、スクリーンに映し出されるのは説明に必要な最低限の文字、場を和ませるジョークにちょっとした毒舌。ゴージャス・ワンダフル・ブレイクスルーというキーワードの頻出に一層気持ちを煽られてしまう。

この日ジョブズは、まずスクリーンに3つのアイコン(タッチスクリーンiPod・携帯電話・ネット通信機器)を並べ、この日3つの製品の発表があることを匂わせた。そしてすぐ、それが「3つの」機器ではなく、それら全てを含む「1つの」機器であることを告げ、皆が待ちに待ったプロダクト名『 iPhone 』をコールする。

会場は喝采に包まれた、まるでライブ会場でロックスターが登場した時のような盛り上がりをみせる。確信に満ちたジョブズの佇まいと、興奮し身を乗り出す観客の様子に思わず頬が緩む。そしてゆっくりと、ジョブズは言い放った。
___ 我々は電話を再発明した。

ジョブズの行うキーノートのシナリオを “落ち着いて” 分析してみれば、いくつものテクニックを学ぶことができるだろう。ジョブズはプレゼンの名手として、世界中のビジネスパーソンの注目を集めている。その証拠に、彼のキーノートを行う間、アップル社の株価はぐんぐん上がっていくらしい。(iPhoneのキーノートでは、ジョブズがオンラインのデモ操作中にアップルの株価が上昇しているのを知り満足そうに「上がってるね。」と呟くシーンがある)




先日、ついに日本でもiPhoneが発売されることが発表された。昨年末辺りから国内各キャリアによるiPhone獲得への動きが度々報じられ始めた。DoCoMoへのキャリア替えも已む無し! と(勝手に)覚悟していた矢先だったから、iPhoneの登場を待ちわびていたsoftbankユーザの感慨もひとしおである。(自分だけか)

スティーブ・ジョブズは、理想のためなら手段を選ばない完璧主義者であり、冷酷非道なワンマン経営者と揶揄されることが多い。どんなに小さなボタンデザインも彼の厳しい最終チェックをパスしないとならないし、エレベーターで乗り合わせた社員に「今日君はアップルのために何をしたか」と問い、答えられなかった社員はその場で解雇する。

ジョブズはアップル創業時からずっと、コンピュータに詳しくない人にも使いやすいインターフェースを研究し、外装のデザインにこだわり、製品には『人々がそれまでできなかったことをできるようにしたい』という願いを込めてきた。
もっと便利で、よりクリエイティブに。それを叶えるためなら時に手段を選ばない。

トレードマークのブルージーンズで壇上に立つジョブズを見れば、彼がいかにアップル的なエッセンスを体現した人物であるかがわかる。
アップルの製品を心から愛する姿は自信に溢れ、我々はいつも素晴らしいプレゼントを受け取ることができる。もし今後iPhoneを手に取ったなら、キーノートでのジョブズの宣言( __ 今日、アップルが電話を再発明する)が、決して大袈裟ではなかったことが証明されるだろう。

あのジョブズがプレゼンテーションしたプロダクトが手に入る!
アップルの製品にはそんな価値もある。


本日の1曲
Aretha, Sing One For Me / Cat Power



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