我が街、高円寺

中央線沿線に住み続けていたが、引越してくるまでは高円寺とはあまり縁が無かった。友人伝いに聞く話では「20000V」「牛丼太郎」がキーワードだった。彼女が「20000Vでライブを観た後に200円の牛丼を立ち食いする」と言っていたからだ。ハードコアだ。あとはかの有名な「純情商店街」か。

中央線沿線の不動産屋を廻り続け、やっと気に入った物件と出会った。
4件目のマイルームは高円寺に決定した。

家賃は高いが物価は安い、と巷のみなさんが口にするイメージはほぼ当たっている。純情、ルック、パル、あづま通り、と4つの商店街があり週末などは老若男女で賑わっている。モヒカン&鋲ジャンのパンクスのお兄さんもよく見かける。
郊外のように大きなホームセンターも無く、若者が集まる街というだけあって人通りが多い。
さすがに田舎の商店街とは違って活気がある。

自分が生まれ育った町の商店街を我が家では皮肉を込めて「シャッター通り」と呼んでいた。非常に残念ながら活気がまるでない。店舗も営業しているのか休業中なのかわからない状態で、夕方過ぎにはほとんどシャッターを降ろしている。パンクスなんかが歩いていたら「広報し○だ」に載ってしまうんじゃないかというくらい地味である。

そして中央線沿線の家賃はやっぱり高い。不動産を廻った感想だと、吉祥寺、中野、高円寺が高値TOP3なのではないだろうか。吉祥寺は学生時代によく遊びに出かけたし、大好きな街だ。平日の昼間にポケッとベンチに座っていてもまるで浮かない井の頭公園は素晴らしい。いつか必ず住んでみたい。

高円寺は古着の街、と巷のみなさんが口にするイメージはほぼ、というか完全に当たっている。
こんなに需要があるものか、と驚くくらい古着屋がある。
現にこの部屋の真下も古着屋である。隣も、向かいも・・・要するに四方八方を古着屋に囲まれている。残念なことに自分はあまり古着を着ないけれど、好きな人にとっては宝の山のような状態かもしれない。週末も昼過ぎになると街にワッと若者が増える。

あと特筆すべきはその商店街の中にある店舗の個性。
この街ではCDを買うよりもレコードを買う方がたやすい。実際、CDはどこで売っているのかいまいちわからない。街を歩いている限り目につくのは中古レコードばかりだ。

以前、流行りの海外ドラマにハマり、レンタルビデオ店をはしごしていた。通りを歩いていて目についたビデオ店に入店したところ、そこには日活ロマンポルノや寺山修司の実験映像のビデオが大々的に陳列されていた。
いや、嫌いではない。でもその時のマインドとは明らかに違っていた。
高円寺の、高円寺たる由縁を垣間見た出来事だった。


本日の1曲
Like A Rolling Stone / Bob Dylan


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