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今日も音楽が僕に降りそそぐ



仕事中はほとんど片耳にイヤホンを突っ込んでインターネットラジオを聴いている。主にカリフォルニアのラジオステーションから届くオルタナティブロックを。
知っている曲が流れてくれば人知れず盛り上がるし、気になった曲があればポストイットにメモしておいて、あとでAmazoniTunes Music Storeで購入する。

自宅同様、職場のパソコンからも常にアカウントにオートログインしている状態だし、会社で使用しているウェブ・ブラウザにはご丁寧にAmazonの検索ボックスまでついている。思い立ったらその場で注文すればいい。

スムーズな配達システムのおかげで、商品の多くは翌日に自宅のポストに配達される。要するに「一晩我慢すれば」手元にCDが届く。配達を待てなければダウンロード購入だってできる。
疲れた身体を引きずってわざわざCDを買いに行くには、いろんなスタンバイが整い過ぎている。Amazonの顧客たちは待ち時間すらなしに『レジに進む』ことができるのだから。

そんなわけで、最近レコードショップに行かなくなった。世界中のラジオステーションから日夜届けられる音楽と、Amazonという巨大な倉庫。音楽は多方向からやってきて、自分の音楽ライフが変化してきたのを感じる。
ところで、我々はそれによってなにかを失っているのだろうか?

考えてみれば、(ちょっと面白そうだから聴いてみるか)とマキシ・シングルを買わなくなった。我が家のラックに並ぶ「輸入盤のマキシ・シングル」というマイノリティな品物は、ほとんどが暇を持て余していた学生時代に買ったものだ。レコードショップの棚の前でUK輸入盤とUS輸入盤をひっくり返して、収録曲を見比べることも随分していないような気がする。

先日、アメリカのバンドが、自分の知らない間にニューアルバムをリリースしていたことを知った。リリース日のアナウンスを聞き逃していた自分に驚き、仕事帰りに渋谷QFRONTのTSUTAYAに駆け込んだ。0時も近いというのにビルには沢山の人達がいて、スターバックスには長い列が出来ている。

残念なことに、この店舗は目当てのCDを扱っていなかったけれど、他にもいくつか気になるバンドの新譜を発見した。今夜ここに足を運ばなければ、今日知ることのできなかった情報である。試聴機の中身は次から次へと入れ代わるし、ある程度メジャーなバンドでない限りリリース情報は耳に入りにくい。

こういう「周りを見渡す行為」は、レコードショップならではの特徴といえるけれど、それを意識したシステムがAmazonやiTunes Music Storeにもある。『この商品を買った人はこんな商品も見ています』というメッセージと共に類似商品を紹介してくれるサービスだ。
例えて言うならば、腰の低い店員氏の「コレも・・・どうスかね?」的なアプローチで、こちらは『すでに持っています』ボタンや、『興味がありません』ボタンでリアクションをとればいい。実際にそれで新しい出会いが叶うこともある。

昨夜、仕事帰りにタワーレコード渋谷店へ行った。自分のためだけに用意された検索結果もありがたいけれど、普段なら排斥するであろう雑多な情報に溢れた売場をもっと歓迎すべきなのだ。(店員氏による思い入れたっぷりのPOPもこちらを楽しませてくれた!)

音楽との接点が増えたのは喜ばしい。今や、購入の形態もひとつではない。なんだか多方向から音楽がやってくる時代になった。そんなことを実感した一週間だった気がする。


本日の1曲
Rape Me / Nirvana

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