TRACK NUMBER4

高校生の時、『アルバムの4曲目は名曲説』があった。CDラジカセで毎日音楽を聴いていた感覚だと、2曲目あたりにヒットシングル、4曲目でアルバムの要となる名曲が収録されているパターンが多いように思えた。
それを聞いた友人氏はひとしきり感心していた。彼は後日『おお、やっぱり4曲目だ!おおー、すごい!』と興奮していた。(ように思う)

近年音楽を聴く環境が自由度を増すに連れて、アルバムの収録曲順への意識は薄れつつある。アーティスト達が考え抜いた曲順も、パソコンを使えばあっさりと編集できてしまうからだ。
アルバムに収録されている楽曲はデジタル音楽配信では1曲単位で購入できる。もう欲しい曲目当てにわざわざアルバムを買う必要も無い。そうして(あのCDの何曲目!)という感覚は日に日に薄れてくる。

我が家でもiPodは頻繁にオーディオシステムに接続されている。iPodのプレイリストにお気に入りの音楽を放り込んでおけば、気に入らない曲をスキップする手間も省けるし、いちいちCDを入れ替える必要も無い。デジタルミュージックの便利さは家庭にも手軽に持ち込むことができる。

友人にCDを貸すのも随分と手軽になった。曲データは手元に残り、CD自体を手放しても同じように音楽を楽しめるようになった。貸したがために聴きたい時にCDが無い!という状況も起こらなくなった。所有しているCDの音源を全てアイポッドに取り込めば、コンポの上も散らからない。

iPodで再生順序をシャッフルにすれば曲順はランダムに再生され、幾度となく聴いたアルバムもこれまでとは違って新鮮に聴くことができる。しかしその新鮮な方法はいつの間にかスタンダードになって、アルバムから解体された音楽に慣れていく。それに慣れてしまうと、個々の楽曲がどのアルバムに収録されているかの認識すら希薄になってしまう。その証拠に収録曲順のイントロがなかなか思い浮かばなくなった。

『ライブでも、できることならアルバムの曲順そのままに演奏したい。』アーティスト達は度々こういう発言をする。それ程に曲順には思い入れのあるものなのだ。リスナーによって解体され続け、アルバム一枚の重みが失われていく。
だから最近「CD」を聴いている。
ひとつひとつのアルバムのカラーを感じながらじっくり一枚を聞く。アルバムの余韻に浸っていると突然始まるシークレットトラックに体がびくっと動く感覚も久し振りで、悪くない。


本日の1曲
All Apologies / Nirvana

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