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5.5畳ワンルーム

ひとり暮らしを初めて今年で10周年。
上京して最初に住んだのは5,5畳のワンルーム。
何も配置されていないその部屋に案内された時は(ここに人が住めるの!?)と驚いた。
小さな窓を開けると隣のマンションの壁が見えた。
・・・ここに住むのか!?!?
その物件は内見もせずに決めた為、のちの部屋探しは嫌と言う程物件を廻る癖がついた。外観写真にだまされたんだ。立派なマンションに見えた。実際は建物を横から見ると薄かった。そう、池袋のジュンク堂並に薄かった。14型テレビをちょこんと乗っけて机と洗濯機と冷蔵庫を置くとみるみるスペースが埋まった。布団ってすぐれものだなーと思いながら空いたスペースに布団を敷いて寝る。

カルチャーショック冷めやらぬまま激動の一人暮らしがスタート。
浪人生で予備校に通っていた為友達はすぐできた。
ほどなくして友人たちが出入りするようになったのだが、人がいるとユニットバスの扉が開かないことに気付いた。いちいちどいてもらわないとトイレにも入れない。
しかもすぐ背後でシャーと用をたすのだ。

それにしても人間慣れるもので、生活すること自体想像できなかった狭い部屋がこの上なく居心地の良い居場所になった。

その部屋には頻繁に友人たちが出入りをしていた。
学校が近いせいで溜り場になっていたのだがちっとも嫌じゃなかった。
知り合った友人のほとんどは一人暮らしをしていて時間だけはたっぷりあった。
各地から集まった世間知らずの若者たちが東京で一人暮らしを初めたのだ。家族のこと、今までとこれからの自分、ビックマウスな将来展望まで喋ることはいくらでもあった。

ただ、たまに人が来過ぎた。15人が集まった時は焦った。喋ったことのない人までいた。もちろん座れないので立食パーティー状態。それでも皆楽しそうだった。

その部屋には1年しか住まなかったけど、記憶は鮮烈だ。
あんなに楽しい1年間はもうやってこないんじゃないか、と言ったら悲観的すぎるだろうか。

ある春の日、引越の搬出を終えても去り難かった。
最後は玄関のドアを開け放して「バイバーーイ!!」と叫んでお別れした。


本日の1曲
Buddy Holly / Weezer

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