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ヘルシーな人々

ある時期のスーパーマーケットでは「きなこ」や「寒天」や「スキムミルク」の品切れが続いていた。その手の情報に疎い自分でもなんとなく健康ブームに関係がありそうだと感じる。身近な人々もその例外ではない。今夜は帰ったらバナナ酢を作る!と意気込んでみたり、宿便を排出するためにプチ断食にトライする人もいる。

運動もしない、通勤には電車とバスを利用しほとんど駅構内しか歩かない。酒こそ飲まないけれど、チェーンスモーカーである。体の不調にもとことん鈍感で、健康診断は色んなアラが露になりそうで恐くて受けられない。自分はアウトドアが苦手な深夜活動型インドア人間である。

上司氏の机に「おーいお茶 濃い味」のペットボトルが置かれていたが、どう見ても「濃い味」より色が濃い。疑いの目で真相を追求したところ、自慢げに引き出しを開け青汁の粉末を見せてくれた。そしてシャカシャカとペットボトルを振り、作り方を説明してくれた上司氏(with照れ笑い)は間違いなく健康おたくである。それは職場で青汁を飲んでいる人を初めて見た衝撃的な日だった。

実家に帰省した際には我が家に到来した健康ブームを目の当たりにすることになる。
ダイニングテーブルに置かれていた大学ノートを開くと、懐かしい祖母の字で丁寧にメモが取られていた。それはお昼の情報番組の知識を記した「健康ノート」であった。まるで放送大学みたいだけど、テレビを見ながら真剣にメモを取っている姿を想像したら妙に胸が熱くなった。

両親が数年前に始めたウォーキングは今では生活の一部として根付いたようだ。腰に万歩計を付け、リュックを背負い、反射板の付いたタスキを掛け、母親は夜店で買ったピカピカ光る指輪までつけている。田舎の夜道で我が両親がどのような目で見られているのかは想像したくない。

ダイエットを目的に始められたウォーキングも、行き先が焼き肉屋ではあまり意味が無いのではないか、と思う。しかしながら仲良くウォーキングに出掛ける姿を見ると最早行き先はどこでもいいじゃないかと思えてくる。
健康に関して好奇心旺盛な人々はイキイキしているからだ。


本日の1曲
七色の楽園 / 原田知世

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