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マニファクチュア(失敗)

キャノン製プリンタ、pixus 990iを買った時、あまりの高性能さに驚いた。印刷位置がずれることもないし、写真プリントは驚きの鮮明さだ。「ピコリットル」(1兆分の1リットル)という細かさでインクの粒が噴出しているらしい。プリントした写真をまじまじと眺めると家庭で印刷したものとは思えない仕上がりだ。

このプリンターを買う前は「アルプス産業」のプリンターを使っていた。
当時、大学に入学したてでまたコンピューター関連の知識は皆無に等しかった。予備校の講師氏が「写真プリントするならアルプスがいいよォ」とアドバイスをくれたのだ。夜のコンビニの駐車場で、彼なりの真面目な助言に購入を決めた。

当時アルプスのプリンターは人気があった。CMYK4色のインクカセットを使用するため、液状インクに比べて劣化が少なく、水で滲むこともない。
しかし、手入れを怠ったり、カセットの残りが少なくなってくると醜いテープのラインが浮き出てしまう。印刷位置がずれることは日常茶飯事でそのズレを計算して用紙をセットしなければならなかった。画質も満足のいくものではない。

新しいキャノンのプリンタを購入してからというものプリント作業が楽しくなった。1枚にかかる印刷時間も驚く程早い。
そして本日は思いつきで写真集を製本してみることにした。
以前画材店で購入したスケッチブックを切り離し、A4サイズに裁断。画用紙のつぶにもムラなくインクがのり、写真の雰囲気にも合っている。

プリントした原稿を裁ちしろでカットし、背を製本用の糊で接着する。カッターで切り込みを入れ、歯ブラシを使ってボンドを塗り込む。強度を高める為には専門的な道具が必要なのかもしれないが、今回は思いつきで始めてしまったので部屋にあるもので間に合わせる。
やはり冊子にまとめると見栄えが良い。表紙のデザインも自分でやった為愛着が湧いてくる。

背表紙部分を撫でながら糊を乾燥させるために窓際に冊子を立てかける。
洗い物を終えて乾燥具合をチェックするため、冊子をめくると一瞬にしてインクが滲んでしまった。
・・・・・・・(絶句)。
友人氏のポートレイトの額の部分には醜いシミが広がっていた。すぐに印刷をし直そうと思い立つが、同じ印刷をしたのではわずか数滴でできたシミをふせぐことはできないだろう。その後冊子を見ないように視界の外へ追いやる。作業終了。

1色1000円近くするインクを6色使用しているため、インクの交換にもお金がかかる。今回の作業の為にインクを買い足したが徒労だった。最初から店に頼んでレーザープリントするべきだったのだ。
失敗に終わったとはいえ、こういうマニファクチュアは良いアドレナリンが放出する。


本日の1曲
GIRL FRIEND / Base Ball Bear

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