ポップなソックスのシビアな側面

なぜか日毎に靴下が減っているような気がする。帰宅し、靴下を脱いだ後は洗濯もの入れに放り投げているはずが、干す時には明らかに数が少ない。なぜ奇数なのか。
そして部屋を掃除した時にはあちこちから靴下が現れる。我が家の愛猫ハク氏は靴下がお好きなようで、知らない間に咥えて運んでいるというのもその理由だろう。それとも脱ぎ散らかしたのを猫氏のせいにしているだけか。

そんな風であるから出掛ける間際になって靴下が片方だけしか見つからないことも多い。だから最近は同じ靴下をまとめて購入することにした。気に入った靴下をまとめて買っておけば、片方が行方不明になった時のダメージを軽減できるはずだ。いくら気に入っている靴下でも片方だけではあまり意味がない。このアイデアは我ながら賢い。洗っていない靴下を履くよりは良いからと、こっそり左右別柄の靴下を履いていることもあるからだ。

一般的な靴下なら右も左も関係なく履ける。しかし実をいうとほぼ毎日5本指ソックスを履いている。そして5本指ソックスは結構シビアに左右が決まっている。指幅に合わせた丁寧な縫製は愛おしさすら感じさせるが、そのせいで左足は左に、右足は右に履かなくてはならない。慌てふためく朝の支度時にチェストを漁り、やっと引っ張り出した5本指ソックスが同足の2足であることも多い。

そのポップなルックスは、飲み屋の座敷に上がろうものならほとんど確実に話題になる。意図せず話題に上ってしまう存在感があるのだろうが、最早それを履くことが日常的すぎて、そのポップさを忘れてしまうこともある。
歯医者や内科など医療系の場所は要注意だ。そこにはおそらくスリッパが用意されているが、診察台に上がるときはスリッパを脱がなくてはならないだろう。

自分が5本指ソックスを履いていることを忘れ、洋服屋に入店。パンツを手に試着室に入ってやっと気づく。恥ずかしがってはいけない、開き直って堂々としていなくては。靴下のことなんて気にしていませんヨ、だっていつもこれだから、と開き直らなければならない。
そしてファッショナブルな店員氏の前にさらされる5本指ソックス。恥ずかしさで指をゴニョゴニョと動かせば余計に滑稽である。パンツの裾をこねくり回して、丈を慎重に検討するファッショナブルな店員氏。
早く・・・早く丈ツメのピンを刺してくれ!

しかしそういった多少シビアな側面を考慮したとしても5本指ソックスは快適であると、ここに主張したい。5本指ソックスはそれ程までに愛おしい。
5本指ソックスは水虫の人が履くもの、おじさんぽい、とか言う方々もいるけれど、一度履いたらやめられない心地よさなのである。


本日の1曲
The Love You Save / The Jackson 5


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