FUJIROCK道 〜魅惑のエンバイロメント編〜




FUJIROCKの魅力を語る時、その”環境”に言及する人は多い。かく言う自分もまた、その魅力を語りたがる一人である。

FUJIROCKが苗場に移転したのは99年。以後毎年開催される年に一度のフェスティバルのために、川に架かった橋や、ステージ間を繋ぐボードウォーク(板張りの近道)の設営など、利便性を考慮した会場作りは今も進行中だ。しかしFUJIROCKにおいては自然であるが故の不便さも大きな魅力である。

会場ではコンクリで舗装された道を見ることはない。地面は砂利か、土か、芝生。岩場や木の板。毎年のように雨が降る会場では最早「泥」もその一部。

2日目の15時過ぎ、呑気にケバブカレーを食していると、突如強い雨が降り出した。その時、我々の頭上にあるのは空。要するに雨宿り場所がない。そう、FUJIROCKには雨宿りできる場所がほとんど無い。
屋根のあるレッドマーキーは雨が降り出すと満員御礼だし、飲食店のテントの下には押しも押されぬ大混雑。

しかしその一方でスピーディーに雨具を装着する人々に驚く。我々の後ろの芝生に座って食事中だったカップルは、次の瞬間にはお揃いのブルーのレインスーツに早変わりしていた。そして何食わぬ顔で食事を再開していた。

会場内に川が横断し、グリーンステージ後方の芝生に寝転がったままライブを楽しむことも出来る。やはり木の下の木陰は競争率が高いようだ。ほぼ一日をそこでのんびりと過ごす人も多い。

FUJIROCKには大小合わせると9つものステージがある。そしてそして、会場内のどこにいても音楽が聞こえてくる。ご飯を食べている時も、川面に足を浸している時も、トイレに並んでいる時でさえも!
世界中から集まった多種多様なミュージシャン達の生演奏を聴きながらの3日間は、まさに夢のようだ。

日光を遮る場所も、雨をよける場所も容易には存在しない。断続的に降る山の雨で地面はぬかるみ、芝生は湿る。肩には虫がとまり、グランドの埃で喉が痛む。

朝は晴れていても、晴れが続くとは限らない。今年は長靴を履いている人も多かった。そして持ち歩く数少ない荷物の中には是非レインスーツとレジャーシートを!などと今更言うまでもなく皆準備がよい。

タフな環境でフェスティバルを楽しみ尽くすために、皆様々な工夫で苗場に乗り込んでくる。大自然に触れながら、それぞれのリスニングスタイルで音楽を楽しむ。この環境こそFUJIROCKを盛り上げるのには欠かせない。


本日の1曲
Universally Speaking / Red Hot Chili Peppers


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>>connection archive >>
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2006/08/04 『FUJIROCK道 〜滑降覚悟のテントライフ編〜
2006/08/03 『FUJIROCK道 〜騒いでも騒がなくてもハングリー編〜
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2006/08/01 『ストレイテナー @FUJI ROCK FESTIVAL2006
2006/07/31 『FUJIROCK道 〜ハロー苗場!高速移動編〜』 
2006/07/27 『FUJIROCK道 〜出発直前!いざ苗場編〜』 
2006/07/10 『FUJIROCK道 〜ライブのお供にゃクエン酸編〜
2006/06/08 『FUJIROCK道 〜夏嫌いインドア人間の決意編〜
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