オフプライス恐怖症

目の前でグシャグシャになって積み上げられた洋服。いかにも売れ残りそうな派手な柄物と、どこにも特徴が見当たらない無地のポロシャツ。折れ曲がったプライスタグ。
セールの季節がやってきた。

新宿駅界隈は若者が詰めかけ、人気の店舗は夜になっても混雑が続く。ただでさえ週末の新宿駅は人出が多い。多くの店舗がセール初日を迎えた昨日、書店に立ち寄った駅ビルでその騒ぎをチラ見する。

洋服に関しては即決出来ない買い物はしない。欲しい商品は多少高くても手に入れたくなるものだし、一旦諦めても次の日に再度店舗に向かわせる何かがある。迷った挙げ句に勢いで買った商品は結局着ないことが多い。
セール時期に洋服を買わないとなんだか損した気分になるが、混み合った店内で洋服を物色するのは虚しい。まともに移動すらできない店舗で真剣に洋服選びをしている様は滑稽ですらある。

セール期間のショップの混雑は洋服を選ぶ楽しみを半減させる。無秩序に積み重ねられた洋服にはちっとも魅力がない。同じ商品を普段の店内で見かけていたら手に取ったかもしれないな、と思う。きちんとたたまれて、ディスプレイされていたなら。

ファッションに貪欲な若者達の必死な形相や、普段とは明らかに違う客層に戸惑っている店員氏を見るのも嫌だ。セールの時にしか入店しない店で買う商品は、本当に必要なものだろうか?

いっそのこと『定価でもいいから、ゆっくり商品を選びたい。』と言いたいところだが、あいにくそんなにリッチでもない。セールにも行かず、似たような服を毎日着回し続けている。


本日の1曲
No Tomorrow / Orson


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