牧ノ原台地は茶の産地として有名で、山肌は一面モコモコとした茶畑に覆われている。静岡では住宅街に突如茶畑が現れても不思議ではない。

子供の頃は、よくお茶の実を拾い集めた。小さな栗のような実が茶畑には無数に落ちている。お茶の葉は結構固くてしっかりしている。(葉もお茶の味がするのかと思い齧ってみたことがあるが、普通の葉っぱの苦い味がする)

奇麗に刈り込まれた茶畑の景色は圧巻だ。ところどころに立った送風機が空気を循環させ、日差しに茶の葉がてかてかと光っている。

今更言うまでもないが、静岡は茶所である。
地元の島田駅前には「茶」の文字が眩しい、通称・お茶ポールが建立されたほどである。当初はそのあまりの悪趣味さにひっくり返りそうになったが、今では帰省するたびに地元を実感させてくれる頼もしいランドマークである。

静岡県人はよくお茶を飲む。全ての家庭に当てはまるのかはわからないけれど、とにかく我が家では飲料といえばお茶であった。食卓の急須にはいつもたっぷりの茶葉が入っていて、食事にはもちろん、洋菓子にも和菓子にも、ポテトチップスにもショートケーキにもいつも緑茶だった。

現在新宿パークタワーで『夏の大茶会』が開催中である。毎年行われているそのイベントではお茶に関する様々な商品が販売されている。
茶葉はもちろんのこと、世界中から取り寄せられたティーセットやテーブルウェアまでが豊富に揃う。本日は茶葉を5種購入した。

お茶のレクチャーも所々で行われていて、それぞれのブースでは皆が熱心に聞き入っている。エレベーターを待っていると知らない御婦人に『これからお茶の教室に行くの。』と聞いてもいないのに説明されてしまった。きっと楽しみに予約したんだなと思うと微笑ましかった。

一人暮らしを始めてからはあまり緑茶を飲まなくなった。ここ数年自宅ではプーアール茶を飲んでいる。濃く入れた苦みのあるお茶にたっぷりの氷を入れて飲む。

ところで実家がお茶屋だったことを物心ついてから初めて聞いた。自分が生まれた時は、既に別の事業を営んでいたが、昔は自宅の隣に茶工場があったそうだ。なんとなくそれを自慢したくなるのは、静岡人のちょっとした誇りなのだろうか?


本日の1曲
Tonight, Not Again / Jason Mraz


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