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ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour2006 -count 4 my 8 beat- @ZEPP TOKYO

このツアーで喉を痛め、彼は歌う喜びを実感したようだ。今夜のライブはそう感じさせる何かが確実にあった。
ライブは最新アルバム1曲目の『暗号のワルツ』で幕を開けた。vo.後藤氏の声は明らかに本調子ではない。彼は最近喉頭炎を煩い、バンドは先週の岐阜のライブをキャンセルしている。

オーディエンスから心配の声が上がると『喉は大丈夫だよ。』と優しく返す。
『声が出ても・・・出なくてもどっちでもいいんだよね。』
『もし、何も伝わらないとしても、僕はめいっぱい歌うだけです。』
今夜の彼の発言は、新たに生まれた決意に満ちていた。

『インタビューなんかで偉そうに喋ってさ。後で燃やしたくなるんだよね。』
『”繋がりたい”とか言ってるけどさ、別にそうじゃなくても構わないんだよ。』

『サイレン』では場内の照明が一段暗くなる。ステージにはメンバーの逆光のシルエットが浮かび上がる。目を閉じて音楽に身を委ね、彼の言葉を反復する。
誤解を恐れずに言うと、彼は決して特別な存在ではない。言ってしまった言葉を取り消したい時もあるし、希望を打ち砕かれることもある。皆と同じに悩み、自分のあり方を常に模索している人間の存在を感じる。彼の言葉は常に親密にこちらに語りかける。今夜は特にそう感じた。

奔放に音楽をやっていた頃とは違う。発言はメディアを通じて不特定多数に発信される。己の感情の不確かさと戸惑いを常に感じているはずだ。理想の姿を求める限り、人は苦しまなくてはならないのだろう。

彼はいつになく客席を煽り、一体感を欲しているように見えた。声が出るならば、歌うことで思いを伝えたいと、全身がそう言っている。
ツアーは過酷なスケジュールである。体調不良で延期になった、たった一度の公演があったからこそ、彼は歌う喜びを再認識できたのではないか。

そして初めてライブで聴くことができた『N.G.S』にテンションが上がる。N.G.Sは「ナンバー・ガール・シンドローム」の略で、それは言わずもがな、後藤氏の敬愛するバンド、ナンバーガールへのオマージュ的楽曲である。是非聴きたかった曲だ。なぜなら自分もナンバーガールシンドロームにかかった一人であるからだ。
曲間のアレンジにもバリエーションが増えた。優等生的に楽曲を演奏する印象が強かった彼等の新たな試みを心から歓迎する。

演奏曲数もバンドのテンションもオーディエンスの熱狂も、あらゆる面でフルボリュームだった。そして何より、バンドの静かなる変化を感じる印象深いライブであった。


本日の1曲
サイレン / ASIAN KUNG-FU GENERATION



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