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残された銃創

昨夜、自宅のマンションに轟音が鳴り響いた。正確に言えば『少し離れたところで鳴り響く轟音』が聞こえた。それは振動を伴うような鈍い音でズシン・・・ズシンと不気味だった。
暫くしてマンションの入り口のドアに誰かが体当たりしている音だということがわかる。このマンションの1階の入り口は鍵で施錠されている。

ここの住人達には部屋の鍵と建物入り口の鍵がそれぞれ与えられていて、オートロックならぬ「手動ロック」で守られている。しかし、いくら鍵がかかっているとはいえ気味が悪い。ちょっとしたホラーである。
執拗に体当たりを繰り返す某氏を想像し、ある考えが頭をよぎる。
(もしやこのマンションの住人なのではないか?)

帰省していた実家から戻り、マンションの鍵を探すがカバンのどこにも見当たらない。鍵を実家に忘れてきてしまったのだ。そういえば自室の机の上に鍵があったような気がする。落ちていた釘のようなもので鍵穴を突くが鍵は開かない。彼はひとしきり途方に暮れた後、ヤケになって扉に体当たりをしているのではないかと。

扉に体当たりこそしなかったけれど、それは一人暮らしを始めた年に実際自分に起こった悲劇である。

時刻は0時に迫ろうとしていた。当時はまだ近所に友人がいなかったのだろう、仕方なくマンション近くのホテルに宿泊した。自宅が近くにありながら帰れないという情けない状況で下がりまくったテンションに、宿泊費の1万円が更に追い打ちをかける。

それ以来、カバンの中の自宅の鍵の存在にはナーバスになっている。マンションの入り口の手前でカバンをまさぐる時、とても緊張してしまう。(家の近い友人に合鍵を渡しておくのがいいかもしれない)
だから昨夜、轟音に怯えると同時に『開けてくれー』という声が聞こえるのではないかと思い耳を澄ました。しかし15分くらいで音は止んだ。

今日、入り口のドアを見ると上部のガラスに見事なヒビが入っていた。まるで弾丸で撃たれたかのような見事なヒビだ。はっきり言って、穏やかではない。
これを期にオートロックにならないものだろうか。ゴミを捨てに行く時にも常に鍵を持って行かなくてはならず、手動ロックは結構面倒くさい。


本日の1曲
Beware! Criminal / Incubus

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