Archive for 11月, 2007

愛しのハク 〜ぼく達のささやかな10年編〜

日常生活に微笑ましいエピソードを与えてくれるペットの存在が世の中のブログを長続きさせているんじゃないかと思う。
それにブログが普及するまでは、「我が家のペット」の日々の様子はオーナー(とその家族)のみがそっと感じるものではなかったか。

ペットとの暮らしを記録するのにブログは適している。その日の散歩コースや、新しいフードに切り替えてみた感想なんかを記録しておく。
日付の入ったエントリーが貯まれば愛するペットの貴重な成長記録になる。オーナー同士にとっては情報交換の場であるし、大切なペットを皆に紹介できる場でもある。

もっとも、情報をサーバーにアップロードすることでパソコンがクラッシュしてもデータが残るから、それまでの記録がフイになることもない。
____なんて素晴らしいんだ、技術ってやつは!

始めて2年に満たないこのブログでは、初登場からハクは大人だったけれど、当然ながら我が家のハク氏(10才)にも子猫の時代があった。思えば1997年当時はまだインターネットが限られた人達のものだった。ペットの成長記を綴ったブログを見ると、時々少し羨ましくなる。



自分の部屋の中に動物がいる感覚が恋しくなり、一人暮し2年目にハク氏はやってきた。頼りなげで虚ろな目と、冒険心剥き出しなやんちゃな行動。跳ねるように部屋を駆け回ると、ピンク色の耳の内側がつやつやと光った。なにもかもが作られたばかりのように “フレッシュな” 子猫だった。

当初脳天についていた小さなグレーの斑点が成長と共に消え、ある日から子猫ハク氏は真っ白な猫になった。

子猫ハク氏はみるみる中くらいの大きさになった。中猫ハク氏は、その後激太りの大猫ハク氏時代を経て現在に至っている。飼い猫の成長や変化を感じる時は、なにかを残したい衝動に駆られて一眼レフで写真を撮った。日付のない写真は他の多くの写真に紛れてアルバムに仕舞われ、部屋に遊びに来る友達のみが目にしてきた。

10年のうちに、ハクと一緒に世紀をまたぎ、大学生から社会人になった。あんなことやこんなこともあり、猫と同じくらいよく寝ていた生活から仕事で昼間に家を空ける生活になった。

その間もハクはずっとここにいて、爪を研いだりカリカリとご飯を食べたり(おそらくたっぷり昼寝をしたり)している。夜は湯舟のヘリに座って入浴を眺め、同じベッドで朝まで眠る。

彼は一部の人達の前でこっそり大人になり、いつの間にかハクの小さい日々は過ぎていた。
2007年秋。我々はお互いに10年分大人になったのだ。


本日の1曲
ダーリン / サニーデイ・サービス


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2007/06/20 『愛しのハク 〜クッションのあたたかな凹み編〜
2006/12/11 『愛しのハク 〜純白のファッショニスタ編〜
2006/11/26 『愛しのハク 〜我が家の冬支度編〜
2006/11/09 『愛しのハク 〜のっぴきならないお出かけ編〜
2006/10/27 『愛しのハク 〜オレ関せず編〜
2006/10/11 『愛しのハク 〜ハクの宅急便編〜
2006/09/29 『愛しのハク 〜研いで、候。編〜
2006/08/11 『愛しのハク 〜3時間のショートトリップ編〜
2006/07/18 『愛しのハク 〜人知れずタフネス編〜
2006/07/04 『愛しのハク 〜勝手にしやがれ編〜
2006/06/11 『愛しのハク 〜飼い猫も潤う6月編〜
2006/05/03 『愛しのハク 〜おかか純情編〜
2006/04/10 『愛しのハク 〜違いのわかるオトコ編〜
2006/03/16 『愛しのハク 〜眠れぬ夜は君のせい編〜
2006/03/01  『愛しのハク 〜MY CAT LOST編〜
2006/02/11 『愛しのハク 〜ルームメイトは白猫氏編〜


今日も音楽が僕に降りそそぐ



仕事中はほとんど片耳にイヤホンを突っ込んでインターネットラジオを聴いている。主にカリフォルニアのラジオステーションから届くオルタナティブロックを。
知っている曲が流れてくれば人知れず盛り上がるし、気になった曲があればポストイットにメモしておいて、あとでAmazoniTunes Music Storeで購入する。

自宅同様、職場のパソコンからも常にアカウントにオートログインしている状態だし、会社で使用しているウェブ・ブラウザにはご丁寧にAmazonの検索ボックスまでついている。思い立ったらその場で注文すればいい。

スムーズな配達システムのおかげで、商品の多くは翌日に自宅のポストに配達される。要するに「一晩我慢すれば」手元にCDが届く。配達を待てなければダウンロード購入だってできる。
疲れた身体を引きずってわざわざCDを買いに行くには、いろんなスタンバイが整い過ぎている。Amazonの顧客たちは待ち時間すらなしに『レジに進む』ことができるのだから。

そんなわけで、最近レコードショップに行かなくなった。世界中のラジオステーションから日夜届けられる音楽と、Amazonという巨大な倉庫。音楽は多方向からやってきて、自分の音楽ライフが変化してきたのを感じる。
ところで、我々はそれによってなにかを失っているのだろうか?

考えてみれば、(ちょっと面白そうだから聴いてみるか)とマキシ・シングルを買わなくなった。我が家のラックに並ぶ「輸入盤のマキシ・シングル」というマイノリティな品物は、ほとんどが暇を持て余していた学生時代に買ったものだ。レコードショップの棚の前でUK輸入盤とUS輸入盤をひっくり返して、収録曲を見比べることも随分していないような気がする。

先日、アメリカのバンドが、自分の知らない間にニューアルバムをリリースしていたことを知った。リリース日のアナウンスを聞き逃していた自分に驚き、仕事帰りに渋谷QFRONTのTSUTAYAに駆け込んだ。0時も近いというのにビルには沢山の人達がいて、スターバックスには長い列が出来ている。

残念なことに、この店舗は目当てのCDを扱っていなかったけれど、他にもいくつか気になるバンドの新譜を発見した。今夜ここに足を運ばなければ、今日知ることのできなかった情報である。試聴機の中身は次から次へと入れ代わるし、ある程度メジャーなバンドでない限りリリース情報は耳に入りにくい。

こういう「周りを見渡す行為」は、レコードショップならではの特徴といえるけれど、それを意識したシステムがAmazonやiTunes Music Storeにもある。『この商品を買った人はこんな商品も見ています』というメッセージと共に類似商品を紹介してくれるサービスだ。
例えて言うならば、腰の低い店員氏の「コレも・・・どうスかね?」的なアプローチで、こちらは『すでに持っています』ボタンや、『興味がありません』ボタンでリアクションをとればいい。実際にそれで新しい出会いが叶うこともある。

昨夜、仕事帰りにタワーレコード渋谷店へ行った。自分のためだけに用意された検索結果もありがたいけれど、普段なら排斥するであろう雑多な情報に溢れた売場をもっと歓迎すべきなのだ。(店員氏による思い入れたっぷりのPOPもこちらを楽しませてくれた!)

音楽との接点が増えたのは喜ばしい。今や、購入の形態もひとつではない。なんだか多方向から音楽がやってくる時代になった。そんなことを実感した一週間だった気がする。


本日の1曲
Rape Me / Nirvana