ほぼ日手帳にバタフライストッパーあり!の巻
2008年版のほぼ日手帳のラインナップが発表されたのは去年の9月。そのあたりからインターネット上のあちらこちらで、ほぼ日手帳についての書き込みを見掛けるようになった。ついでに言うと、「ほぼ日手帳」というキーワードでここを訪れる人も増えてきた。
ほぼ日手帳は「ほぼ日刊イトイ新聞」が販売している年間スケジュール帳のこと。毎年少しずつ改良を重ね、今年で発売6年目を迎えた。ホームページと、全国のロフトのみでの販売ながら、愛用者が急増中の看板商品である。
手帳本体の数ある工夫もさることながら、カバーの豊富さも特長で、2008年版は素材や柄の異なるカバーが30種類も発売された。
オプション品(「すてきな文房具」)と組み合わせて使ったり、カバーをアレンジしてみたり。使う人がカスタマイズしやすい手帳だから、ユーザーは語りたいことが沢山ある。それにこれから手帳を使おうとする人は皆の使い方を参考にしたいと思う。そんな風に、語り口が沢山ある珍しい手帳なんじゃないかと思う。
そんなわけで、まだ暑さの残る時期からほぼ日手帳ファンは来年の手帳のことを語っていた。
喜ばしいことに2008年版のラインナップにヌメ革のカバーがあった。
「ヌメ革好き」を自覚したのはいつだろう? 今やペンケースも名刺入れも定期入れも文庫本カバーもトートバッグも、ヌメ革のものを選んでいる。
色や手触りの変化は革製品の楽しみを実感させてくれるし、汚れすら「味わい」に変化してくれるありがたい素材でもある。ヌメ革を使い込む楽しみは、オリジナルデニムのそれときっと同じなのだ。
ヌメ革カバーの復活に喜ぶ一方で、その価格にやや躊躇してしまう。プレミアムと名付けられている通り、手帳本体とカバーのセット価格は1万円と結構お高い。
手帳売場に行けば、これより安いヌメ革カバーがあるかなぁ、などとヨコシマなことを考える。ほぼ日手帳のサイズなら文庫本カバーでも代用することができるからだ。
だけどきっと、最終的にはほぼ日手帳オリジナルのプレミアムヌメ革カバーを手に入れてしまうはずだった。なぜなら、他のカバーには世にも素敵な「バタフライストッパー」が無いからだ。
集計したアンケートを見ると、「ペン差しにペンが差しにくい」という声と「カバンの中でパカッと開いてしまいます。何とかなりませんか?」という意見が目立った、スタッフで検討し、ペン差しを改良するとともに、ゴムバンドをつける、ボタンで留めるといったアイデアが出されたが、「見た目がほぼ日手帳に合わない」といった理由から、採用するには至らなかった。
そんな中、スタッフの一人から、ボールペンをカバーについたホルダーに差すことによって、勝手に手帳が開かないように留めるアイデアが出される。この、ペン差しと留め具の問題を一度に解決する策に、全員が賛成。蝶番方式を採用していることから、糸井氏が「バタフライストッパー」と命名した。
___『ほぼ日手帳の秘密 14万人が使って14万人がつくる手帳。』より
■2013年9月追記:最新版はこちら
『ほぼ日手帳公式ガイドブック2014 ことしのわたしは、たのしい。』
バタフライストッパーは手帳のデザインを損なわないどころか、それ自体がデザインとしても完成度が高い。
今では、同じサイズの手帳を見た時、無意識に小口を確認してしまうようになった。バタフライストッパーがはほぼ日手帳のシンボルでもある。
機能的で、かっこいい。加えてオリジナリティもある。バタフライストッパーはデザインそのものみたいに感じられる。
そんな素晴らしい発明のおかげで、やっぱり今年もカバー共々ほぼ日手帳を使うことにしたのだった。
本日の1曲
Pure / Asparagus
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>>5年目のヌメ革カバーの様子はこちら!>>
2012/05/30 『ほぼ日手帳〜5年目のヌメ革カバー』(デイ・バイ・デイ)
【日経トレンディネット】
2007年11月21日「ほぼ日手帳」 人気の秘密教えます 糸井重里インタビュー