新製品恐怖症

現在のMacintoshを購入したのは2001年の年末だった。当時は大学の卒業制作真っ只中で、アニメーションを作るにはどうしても新しいマシンが必要だった。純正の液晶ディスプレイと合わせて30万円の買い物。友人と大金を持って新宿に繰り出し、お互いMacintoshを購入した。そしてクリスマスの日に我が家に新しいMacintoshがやってきた。

それまで使っていたマシンはPower Mac 7600/200だった。3年も使っていなかったがあの頃は最もハードの進化がめざましい時分ではなかったか。しかもあろうことかモニタの接触が悪いために毎回本体にチョップを加えていた。余計に壊れた。それ以来電化製品にチョップを加えたい衝動を必死に押さえるようになった。

意気揚々とPower Mac G4を操作する。新しい液晶ディスプレイはとてもスマートだしハードディスクの容量は10倍になった。今までとは比べ物にならない程のパフォーマンスに興奮した。自分は一番イケてるニューマシンを手にしている!

しかしあっさりと年明けに新機種が発表された。締め切り前の混沌とした頭のカオス度が一気に加速する。冷静に情報を確認すると同じ価格でスペックが随分とグレードアップしている。悦に入っていたのも半月ともたなかったじゃないか。
しかし残念なことに郊外に住む一大学生が発売前の情報を知る手段はなかった。

Appleは新製品発売前に情報を出さない。いきなり新製品が市場に登場するのだ。ちなみに同社は今週も「面白い新製品(”fun, new products”)」の発表を予定しているが具体的に何を発表するかは公にされておらず、憶測は全世界的に飛び交っている。報道関係者に送った電子メールには「もっと詳しいことを知りたい方は28日にカリフォルニア州クパチーノにあるアップルの本社まで来るように」と書かれているだけだ。”Come see some fun, new products from Apple,”

あのタイミングで購入しなければ締切に間に合わなかったんだから・・・と自分に言い聞かせている。だがCD-RW内蔵を逃したダメージは大きかった。未だにメディアはMOを使っている。ボソボソ。

それ以来、新製品恐怖症になった。
appleから メールニュースが届くたびにドキドキしてしまう。メールを開封する時、明らかに鼓動が早くなるのを感じて自分におののく。iPodを購入したばかりの今はそれが”新しいiPodの登場です”ではないかとヒヤヒヤしてしまう。


本日の1曲
Feel Good Inc / Gorillaz


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