愛しのハク 〜眠れぬ夜は君のせい編〜

その頃自分なりに真剣に腰痛に悩んでいた。本当に腰痛持ちの人から比べたらたいしたことはないと思うけれど毎朝起きる度に寝違えたような鈍い痛みがある。どうしたものか。一応姿勢正しく寝ているはずなのに。

思い立って枕を替えてみた。当時話題だったテンピュールに飛びついてみた。ふむふむ。確かに頭にジャストフィットする。立っている姿勢のまま横になるのが好ましいらしい。当初はNASAの技術に過大な期待を寄せたがやはり腰痛は治らない。起き抜けに腰をさすり頭を傾げる。

ほぼ毎晩ネコ氏と共にベッドで寝ている。ひと声鳴いて布団に入れろとせがむ様は非常に愛しい。そして彼はモソモソと布団にもぐり込み、シングルベッドの中央に寝る。しかもベッドと垂直に横に寝る。スヤスヤと気持ちよさそうなネコ氏だが、こちらはベッドの端っこで壁との隙間に落ちそうな状態だ。退かそうとおしり部分を手で押すと不愉快なうなり声を上げるのでなんだか遠慮してしまう。そしてこちらは「く」の字で寝ることになる。確かにテンピュールは頭にフィットしているがこれでは意味がなさそうだ。

冬の明け方に寒さで目が覚めることがある。見ると隣に寝ているネコ氏に全ての敷物がかかっている。寝ている間に気付かずネコ氏に布団を掛けているらしく、彼は「かまくら」状態でスヤスヤと寝息を立てている。布団を取られるとまたしても不機嫌になるのでスイマセンネと謝りながら布団に入れてもらう。

我が家のネコ氏は一日に20時間は寝ているんじゃないかと思うくらいよく寝る。ある日帰宅すると玄関に毛布が無造作に放ってあった。

たいして気にせず靴を脱いで部屋に上がったが、よくよく考えてみるとひとり暮らしの我が家ではなかなかあり得ない光景だ。どうやらネコ氏が玄関までズルズルと引きずってきたようだ。見るとベッドから玄関までの道のりの細々したモノがなんとなく脇に移動している。驚愕の眼差しでネコ氏を見るが彼は呑気に床に寝っ転がっていた。

同じように玄関に枕が放り出されていたこともあった。テンピュールの枕は結構重い。こうしてまたもや都市伝説が生まれた。たまには違うところで寝てみようとしたのだろうか。


本日の1曲
Sleep All Day / Jason Mraz


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2006/02/11 『愛しのハク 〜ルームメイトは白猫氏編〜


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