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買い物日誌007 文具売場で逢いましょう

ドクターグリップGスペック
¥630
購入場所 ITO-YA渋谷店

人間工学【にんげん・こうがく】
物や環境を人が自然な動きや状態で使えるように設計する工学、あるいは、人の物理的な形状や動作、生理的な反応や変化、心理的な感情の変化などを研究して、実際のデザインに活かす学問をさす。(Wikipedia)

見慣れない曲線を見掛けたら人間工学と思え、というのは勝手な持論であるが、やかんのグリップやおたまの持ち手など、今や至るところに人間工学は採用されているのだ。
実を言うと、その曲線過多なフォルムがあまり得意ではない。同じ用途の製品を買うなら、直線的でシンプルなフォルムの方を選ぶだろう。

ところで先日、仕事で宛名書きをする機会があった。
まとまった数の伝票を準備していると、同僚氏はこれ書きやすいですよ、とドクターグリップを差し出した。人知れず(出たな!人間工学!)という気分になる。

猜疑的な顔でドクターグリップを受け取り、文字を書く。
適度な重みと持ち手にコーティングされた衝撃吸収ゲル。文字を書くときのストレスが心なしか軽減されているような気もする。 

日に日に借りる回数は増え、一度使えばそれでしか宛名を書きたくない!やだやだやだよう!という状況になってしまった。人間工学は宛名書きに威力を発揮し、今更ながらその書き味にハマってしまったのである。いつしかドクターグリップは我々の間で「書き味なめらかボールペン」というコードネームで呼ばれるようになっていた。

金曜の夜、明日こそは文房具屋でドクターグリップを買おうと思っていたところだった。渋谷駅の改札をくぐる直前で、まさにこの真上に伊東屋があるのを思い出したのだ。伊東屋は銀座に本店を構える、創業100年の老舗文房具店である。

子供の頃、父親は東京に出張するたびにお土産を買ってきてくれた。父親の東京土産はなぜか伊東屋のものが多かった。
ある時父親は、小振りのハサミや定規が正方形の薄型ケースにぴったりと収まったステーショナリーセットを買ってきた。その洒落た文具は随分クラスメイトに羨ましがられたものだ、静岡の子供にとって伊東屋のロゴの入った袋は東京の象徴でもあった。

世の中には文具好きな人たちがいる。使うアテもないのに変わった文具を見つけると買わずにいられない人達。用もないのに定期的に文具売り場にやって来てしまう人達が。

伊東屋の筆記具コーナーは、なかなか最前列を確保できないくらい混雑していた。文具マニアの皆さん(推測)が金曜の夜に伊東屋に集結しているとは知らなかった。
そして、使うアテのないペンやシールを買い込む。もちろんドクターグリップも。


本日の1曲
Just What I Need / Wouter Hamel

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ポタリング・トーキョー 〜新宿で鳴らす音楽編〜



隣駅の中野にはつけそばの老舗「大勝軒」がある。散歩にでも行こうかと、中野の地域情報をインターネットで調べていたら、そのつけそばが無性に食べたくなってしまった。暇を持て余していたところだったので、自転車で出掛けてみることにした。

もう21時近くだったけれど、カウンターだけの狭い店内は満席。食べているすぐ後ろの丸イスで数人が待っている。インターネットで調べたお店にすぐに出向くのはちょっとわくわくする。太麺のつけそばを美味しく平らげた後、そのまま新宿方面に向かって走ることにした。

大久保通りを東に進み神田川を渡り、大久保駅の手前の交差点を右折して、新宿駅西口の大ガード下に出る。新宿は、前職で5年半も勤務していたから特に目新しい土地でもないけれど、食後の腹ごなしには丁度いい。時間だってたくさんあるのだ。

閉店後の京王百貨店の前では、古内東子的な歌声の女性が路上ライブを行っていた。都心の特徴なのか、時代の流れなのかわからないけれど、新宿のストリートミュージシャンはちゃんとアンプやマイクを備えて、周辺に歌声を轟かせている。この辺りでは「アコースティックギターに生声」というアンプラグドなスタイルはあまり見かけない。

そのまま南口に回り、サザンテラスに向かう。Krispy Kremeもまだまだ人気のようで40分待ちの行列ができている。開店当初からよく通りかかるものの、その行列のせいでまだ食べたことがない。

高島屋も、東急ハンズも、紀伊国屋もすでに閉店していた。(無駄に昼寝をしてしまったせいだ) 紀伊国屋脇のスロープをするすると下り、バルト9で上映作品をチェックした後、甲州街道を戻ってflags前で自転車を止める。

広場を見下ろすと、バンドスタイルのミュージシャンがいて、改札の近くにもキーボードを携えたミュージシャンがいた。どちらも女性ボーカルで一定の観客が輪を作っている。
キーボードの彼女の軽妙なトークは、FMラジオのディスクジョッキーみたいだ。彼女を囲んでいるのはほぼ全員が男性だった。彼らは微笑みながらトークに頷いたり、至極控え目に写真を撮ったりしながら、歌う彼女を見つめていた。

ところで、街は歌を披露するのにこれ以上ないシチュエーションのように思える。街をひとりで歩いている時には、結構色んな事を考えないだろうか。人生で重要だと思われる決断について、日常生活の些細な出来事について、何年も前からうんざりし続けている自分の問題について。

そんな時に聴こえてくる歌は、心情とシンクロして印象的に響くかもしれない。(小谷美紗子が路上でライブをしていたら、皆が足を止めて聴き入ってしまうだろう)
今夜新宿で見かけた3組の女性ミュージシャンは、自分を見据えるいくつもの視線に臆することもなく歌を歌っていた。

LUMINEの中にあるBook 1stに入店し、文庫本を購入。30分後に店を出ると、キーボードの彼女の周りにはさっきと同じ規模の人だかり持続していた。彼女は「最後の曲です。」といい、最後の演奏を始めた。


本日の1曲
ひこうき雲 / odani misako・ta-ta
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Radiohead “JAPAN TOUR 2008″ @さいたまスーパーアリーナ(2008.10.05 Sun)


客電が落ちれば、直前にしていた会話すら思い出せなくなってしまう。さいたまスーパーアリーナに集まった数万人が息をのんだ瞬間。今夜、最新アルバム『In Rainbows』のオープニングトラック「15 Steps」でライブがスタートした。

2曲目はRadioheadの名を世界に知らしめた『OK Computer』のオープニングトラック「Airbag」、自室で聴きまくっている『The Bends』から「Just」、『Hail To The Thief』からは「There There」、長年MTVのCMに使用され続けている『Amnesiac』の「Pyramid Song」。

ベストアルバムが発売されたこともあって、序盤は新旧アルバムから1曲ずつ楽曲が演奏されていく。
ここまでされると、してきたはずの心の準備も追い付かない。


彼らが二酸化炭素の排出削減を目論んでいることを加味すれば、最小限の装置で最大限の演出効果があるステージセットと言えるだろう。暗闇に輝く虹色のネオンはシンプルで洗練された印象さえ与える。

「コンバンワ。」「・・・Are you ready?」
最小限にとどめられたMCで、今夜はバンドメンバーの紹介すらされていない。その代わり、次々と演奏されていく楽曲の圧倒的な存在感に満たされていく。

「Paranoid Android」のイントロが流れると一際大きな歓声があがった。静かな歌い出しから一転、へヴィーなサウンドが病み付きになる。鍵盤を叩き「Fake Plastic Trees」を呟くように歌うトム・ヨークの歌声を聴けば、時間が過ぎるのが本当に惜しくなってしまう。

個人的には、今夜のハイライトは「Idioteque」だった。とかく内向的と称される『KID A』の代表曲がアクティブなアレンジでフロアを揺らす。ギターを置いたトムが踊り、アリーナに密集したオーディエンスの狂騒がさらに気分を高揚させる。ステージから遠く離れた5階のスタンドだって揺れていた。

一夜開けても、目を閉じればステージのネオンとギターサウンド、オーディエンスの熱っぽい歓声が蘇ってくる。
初めて観るRadioheadのライブ、その雰囲気はロックバンドのライブそのものだった。この楽曲たちと世界を旅することができるなんて、なんて稀有な人達なんだろう・・・!

(Photo/Rolling Stone.com -Radiohead photos


SETLIST

01. 15 Step
02. Airbag
03. Just
04. There There
05. All I Need
06. Pyramid Song
07. Weird Fishes/Arpeggi
08. The Gloaming
09. Myxomatosis (Judge, Jury & Executioner)
10. Faust Arp
11. Knives Out
12. Nude
13. Optimistic
14. Jigsaw Falling Into Place
15. Idioteque
16. Fake Plastic Trees
17. Bodysnatchers

- Encore -
18. Like Spinning Plates
19. Videotape
20. Paranoid Android
21. Reckoner
22. Everything In Its Right Place

- Encore2 -
23. Go Slowly
24. My Iron Lung
25. How to Disappear Completely


本日の1曲
Idioteque (Live) / Radiohead

▼『I Might Be Wrong – Live Recordings』
『KID A』『Amnesiac』に収録されている楽曲のライブ音源を集めた
オフィシャル・ライヴ盤。「Idioteque」はとにかく必聴。
Amazon(リンク)のほか、iTunes Store(リンク)でも購入できます。

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2008/09/12 『買い物日誌005 二酸化炭素とロックンロール

Weezer “WEEZER FESTIVAL” @東京 国立代々木競技場第一体育館


ホールでドリンクの長い列に並んでいると、スタッフがライブの開始を告げて回っていた。場内に顔を出すと、照明が客席を照らしている。あれ?ライブは始まったんじゃないの?

皆の視線が集中している後方を見ると、voリバースがマイクを持ち、客席の一人一人に名前を聞き『ハジメマシテ。』と丁寧に頭を下げている。この日、ファンと一緒に楽曲を演奏する企画(フーテナニー)が進行していたみたいで、この丁寧なご挨拶が30人分くらい繰り返された。

ほどなくしてセッションが始まり、早くもアンコールのような和やかで不思議な雰囲気が包む。ライブらしからぬ明るい照明と手拍子は、どこかの市民会館のリサイタルみたいだ。ロックのギグとは程遠い。

リバースは『ツヅケテ〜』と「Beverly Hills」を歌いながら言い去ったあと、ようやく反対側のステージに姿を現した。今夜のライブ、波乱の幕開けである。

ここ数年のWeezerは、日本のファンが聴きたい曲を惜しみなく演奏してくれている。この日のセットリストを振り返ると、1stアルバムと2ndアルバムからの楽曲が多いことがわかる。「Pink Triangle」や「Why Bother?」(どちらも2ndアルバム「Pinkerton」収録)、美しいコーラスワークの「Susanne」(シングル「Undone」のB面に収録)まで披露されるとはまったく驚いてしまった!

そしてなんと、半分くらいの曲で、リバース以外のメンバーが楽曲を歌うという異例の事態。いや、その慣れた様子や、オフィシャルサイトで公開されている動画からするに、最近はこのスタイルなのかもしれない。

ステージに座り込み、ボーカルを取らない、ドラムを叩き始める。ポニョの歌詞を口ずさみ、曲の真っ最中に『コノキョク、スキデース』と叫ぶ。終始奔放なパフォーマンスを続けたリバース。まったく、ファンの期待に応えているのか、裏切っているのか!?

この日数少ないちゃんとした演奏(?)「Say It Ain’t So」は、Weezerってこんなに格好良かったっけ?、と思ってしまう。(CD音源を真似て)メンバーへのインタビューから始まった「Undone (The Sweater Song)」など、最初の数音で身体が反応してしまう。

Weezerは自分にとって大切なバンドであるものの、一般的には意外にも知名度が低い。それでいてこれだけのオーディエンスが集まり、ブーイングが起こらないのもすごい。(「Perfect Situation」はリバースに歌って欲しかった気もするけれど)

今回の来日ツアーは本日が最終日となる。MCでそれを告げるとリバースはくるりと後ろを向き、バンドメンバーに「オツカレサマデシタ。」とおじぎをする。打ち上げでもない、ライブ真っ最中に行われたシメの挨拶には笑わずにいられない。(4代目bassの)スコットもバンドに馴染んでいるみたいだし、日本人のワイフのおかげでリバースのニホンゴMCも快調である。

昨年あたりはバンド解散説が飛び交ったこともあった。しかし今年リリースされたアルバムの出来は最高。今はYouTubeを使ってファンと曲を合作したり、フーテナニー企画でファンとセッションするなどの(以前のWeezerではちょっと考えられない)変化も起こっている。バンドは、周囲の心配をよそに楽しんでいるみたいだった。

自分のダメっぷりを歌うWeezerのスタイルは、かつて「泣き虫ロック」と呼ばれていた。
今夜は興奮と笑いが交互にやって来る不思議なライブ。リバースだっていつまでも泣き虫じゃいられない。日本に甘えた男(!)の最高のショウだった。


SETLIST
- Hootenanny -
01. Island in the sun
02. El Scorcho
03. Beverly Hills

04. Dreamin’
05. Dope Nose
06. Pork & Beans
07. Why Bother?
08. Hash Pipe
09. Buddy Holy
10. Creep (Radiohead cover)
11. My name is Jonas
12. Pink Triangle
13. Susanne
14. Undone (The Sweater Song)
15. Keep Fishin’
16. Perfect Situation
17. Say it ain’t so
18. Thought I Knew
19. Troublemaker

- Encore -
20. Automatic
21. Greatest Man That Ever Lived (Variations on a Shaker Hymn)


本日の1曲
Say It Ain’t So / Weezer
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買い物日誌006 パーフェクトな記念品

横浜トリエンナーレ マグカップ(グリーン)
¥840
購入場所 横浜トリエンナーレ 場内ミュージアムショップ


美術館の展示を見終わったあとに訪れるミュージアムショップは、なんともわくわくする。人気作家や美術館のグッズは良い。だけど、その展覧会のために作られたオリジナルグッズはもっと良い!

先週、横浜トリエンナーレに出掛けた。2001年に始まった横浜トリエンナーレは、世界中の作家が参加する3年に一度の現代アートの祭典。赤レンガ倉庫などの周辺の建物や敷地を巻き込んだ一大プロジェクトである。

メイン会場の新港ピアに入館し展示を回り終えると、愛しのミュージアムショップが出現した。
壁際の本棚にはアート関連書籍や写真集が並び、テーブルにはトリエンナーレの公式グッズが積み上がっている。展示スペースと簡単に仕切られただけの仮設的な店構えではあるものの、そこではたくさんの人が身を屈めて品物を物色中だった。

テーマカラーのグリーンに統一されたガイドブックやピンバッヂ、パッケージも素敵なキャンディーやエコバッグ。見るほどに心が踊る。
「今年の」トリエンナーレのグッズは、会期が過ぎれば手に入らなくなってしまう。そんな特別感にそそられ、買わずにはいられなくない。たとえ所持金が少なくともオリジナルグッズはベツバラなのである。

公式ブログで紹介されているのを見て購入を決めていたマグカップを買う。
開催テーマのコピー(タイムクレバス= “時の裂け目” )入り、カップの底には年号入り。実用的で値段も手頃。またパーフェクトな記念品を手にしてしまった!


本日の1曲
Circle / 木村カエラ
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