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買い物日誌014 食べたいものをつくる箱


曲げわっぱ 二段弁当箱
¥2,450
購入場所 漆木屋(楽天市場店)


今まで使っていたお弁当箱を無くしてしまった。帰り道にはプラスティックの仕切りがかちゃかちゃと鳴る機関車トーマスの青い弁当箱。随分前から使っていなかったから、いつから無かったのかも判らない。

前の職場には時々弁当を持って行った。昨夜の残りのおかずを詰めたり、すぐ出来る炒め物をご飯にのせた簡単なものだったけれど、外で自分の作った料理を食べると落ち着く、というささやかな発見があった。

少なくとも、今の会社に入ってからの2年少しの間、一度も弁当を持参したことがない。渋谷には弁当屋も飲食店も沢山あるのだ。毎日違う店で食事をしても半年はもつ。
考えてみれば当時に比べて自炊の回数自体が減っているのだと思う。飲食店の豊富な選択肢は、自炊離れを加速させる一因になる。

もっとも、一人暮らしでは作った料理を食べきれないこともあるし、翌日の晩に自宅で食事するかはわからない。外食が続けば、冷蔵庫の野菜もいつしか忘れられてしょぼくれてしまう。

そんなわけで、ここのところ会社帰りに立ち寄るスーパーで出来合いの惣菜を買うことが増えた。生鮮食品のコーナーも、余ってしまう食材のことを考えて素通りしてしまう。いつしか食べたいものを作る習慣が薄れ、食べたいものに近いものを食べている気がする。

曲げわっぱの弁当箱は杉の良い香りがする。水分を逃がすから、冷めたご飯も美味しく食べられるそうだ。おかず専用の容器がついているところや、入れ子になってコンパクトになるのも良かった。

これは自分の料理を運ぶための箱。これからは食べたいものを躊躇せずに作ろう。


本日の1曲
今日を生きよう / サニーデイ・サービス

デイ・バイ・デイ文庫


Photobackというサービスを利用して『デイ・バイ・デイ』を文庫本にしてみた。

このサービスを知ったその日のうちにユーザ登録して編集を開始した。以前からブログを製本してみたい気持ちはあり、いくつかの製本サービスを試したことがある。でも編集しているうちに(なんか違うな)と思ってなかなか注文にまで至らない。

Photobackは、シンプルで内容を邪魔しないデザインであるところが良かった。
専用ソフトをダウンロードすることもなく、オンラインで編集出来るからデスクトップに編集データが溢れ返ることもない。ブログを更新するような感覚で編集できるし、編集が終わったら管理画面からそのまま注文できる。(トンボをつけた画像データを手にキンコーズに駆け込む必要もないのだ)

ラインナップに馴染みのある文庫本サイズがあったことも気にいった理由のひとつ。写真枠の有無や使用するフォントも選べて、ブログの雰囲気に合わせてカスタマイズできるのが楽しい。

『デイ・バイ・デイ』開設から4月末までの約300エントリーの中から記事を選ぶ。72ページのほとんどを同じレイアウトにし、数枚の写真を見開きで配置することにした。


画像のリンク先でページを拡大して見ることができます

プレビュー画面も出来上がりをイメージしやすいので、楽しみながら編集作業が進む。(製本しなくてもサービスが成り立つんじゃないかと思わせるくらいだ)
一週間ほど試行錯誤したあと、まずは一冊注文してみた。

さあ、注文してからは到着が楽しみで仕方ない。注文後一週間後に発送完了のメールが来て、先週の日曜にメール便でポストに届いた。部屋着にサンダルで階段を駆け上がり、さっそく開封すると帯まで付いた文庫本が現れた。

印刷物への憧れは幼い頃からあった。小学生の日記でもワープロで打ち直すとなんだか立派な散文に見えたし、美しい書体が手に入るのが嬉しくて中学生の頃は美術教材のレタリング辞典をトレースして遊んでいたものだ。

出来上がった文庫本のページをめくりながら、「本の体裁をしていること」や「印刷された活字への憧れ」は今も変わっていないのだなと実感する。これからは一定の期間が経ったら本にまとめるのもいいかもしれない。新しいブログの楽しみ方を、また見つけてしまった気がする。


本日の1曲
Just Go On / Asparagus

長きに渡ってiPod再生回数ベスト3にランクインしていた「Just Go On」。
曲中で “day by day〜” という気持ちのよいコーラスが登場します。
これぞ『デイ・バイ・デイ』の隠れテーマソング! (と勝手に認定)


【番外コラム】いつか本を作るかもしれない人に、の話。

印刷の関係上、Photobackでは大きなサイズの画像が必要になります。
文庫サイズでも見開き前面に写真を配置する場合には、
2386ピクセル×1559ピクセルの画像サイズが推奨されています。
→《BUNKOで使用する画像について》

いつか書籍化するかもしれない人は、普段からできるだけ大きいサイズで
画像を保存しておきましょう。
実は、ブログで使うことだけを考えて「程良いサイズ」で撮影していたので、
ここでちょっと苦労しました。これからは贅沢なサイズで!

マウスジェスチャー


自宅では『あ。』『そういえば』と何かを思い出してはMacの前に座っている気がする。
段ボールの収集日や店舗の営業時間などちょっと確認したいことは日常的に訪れるし、知らない店の行列を見れば自宅に戻って(ドーナツ屋かぁ)と納得する。インターネットが普及する前まで、検索行為なしで生活が成り立っていたなんてちょっと信じられない。

今ではiGoogleが生活の一部になっている。iGoogleとは、GmailやGoogle AnalyticsなどGoogleが提供する各種サービスの管理画面でもあり、自分用に好きなガジェットを表示させることができる情報ページでもある。

ニュースのヘッドラインはもちろん、AmazonのトップセラーランキングやKizashiのワードランキングで今の話題を知ることができるし、本日のNASA画像で宇宙に思いを馳せることもできる。iGoogleは情報収集と暇潰しを兼ねたページなのだ。

仕事でもプライベートでもインターネットが欠かせない生活で、1日に何百のウェブページを閲覧している。そしてほとんどその度にウィンドウを開いたり閉じたりしている。ウインドウの端の「閉じるボタン」めがけてマウスポインタを移動したり、左手でショートカットを叩いたり。今まで普通にしていたアクションも、(手間なことしてたなぁ)と思ってしまう。マウスジェスチャーを使い始めた今となっては!


マウスジェスチャーとは、マウスの動きだけでアプリケーションに特定の指示を出すこと。ソフトをインストールすればブラウザなどにマウスの動きに応じた指示が出せる。

自宅のMacにSafariGesturesを導入したら、開いたり閉じたりの煩わしさから解放された。マウスジェスチャーが優れているのは、オリジナルのジェスチャーを登録できるところで、「戻る(←)」や「進む(→)」以外にも、よく使う動作を割り当てることができる。

例えば今までショートカットを使っていた「Safariを隠す」アクション(command+H)も、マウスを下にずらす(↓)だけで可能になるし、「新規タブを開く」はVの字(↓↑)のジェスチャーで可能。「タブを閉じる」時は右クリックを保持しながらL(↓→)を描けばいい。マウスの軌跡が表示されるのもわかりやすいし、きっちり描かなくても認識してくれるのも素晴らしい。

自宅と会社など、複数台のマシンを使う場合でも同じジェスチャーを設定しておけば戸惑うこともない。ジェスチャーに慣れるとSafari以外のアプリケーションでもマウスジェスチャーしたくなってくる。(間違えて空振りすることもしばしばある)

毎日ブラウザを使いまくる人にも、画面の小さいネットブックを使う人にもマウスジェスチャーはおすすめ。小さな閉じるボタンを狙い撃ちしなくても、左手をショートカットの形に準備する必要もないのだ!


本日の1曲
Move / CSS


【番外コラム】Google Analyticsの解析結果によると、の話。





■Internet Explorer / Windows 51.74%
■Safari / Macintosh 21.28%
■Firefox / Windows 17.41%





リヴィング・トーキョーを閲覧している方のユーザー環境の円グラフです。自分と同じ環境の方(Safari / Macintosh)は21.28%。
Macのシェアを考えれば、意外に多いと言えるかもしれませんね。


やはり一番多いのはWindows OSでInternet Explorerをご使用の方。(IEだとページ表示がうまくいっていないところがあるので・・・少し戸惑う)
IEユーザーの皆さん、IEには【
HandyGestures】というソフトがあるらしいです。

ポタリング・トーキョー 〜今日の中野は花見頃編〜



天気予報で今年の桜は日曜日が見頃と言っていた。ということは今日を逃したら“見頃の週末”は来年に持ち越しになってしまうのか。そう思うと今日を逃してはいけない気がしてきて、半端な焦燥感で自転車を発進させた。

このあたりのお花見スポットといえば、井の頭公園や代々木公園が有名である。
しかし、一番身近な桜は実は「電車から見える桜」なのだ。高円寺から総武線で新宿に出、山手線に乗り換えて渋谷まで行く通勤ルートでは、中野駅と東中野駅の近辺で桜を見ることができる。

中野駅の駐輪場の桜は電車の中からよく見えるし、東中野の神田川沿いの桜はぜひ降り立って見てみたいと思わせる。だから今日の行き先を中野区に決めた。

まずは中野駅北口駐輪場に到着。先週は5分咲程度だったのに、今日はほぼ満開に近い。駐輪場の敷地に入ると屋根の隙間からもこもことした桜が見える。振り向くとすぐ近くのホームから携帯のカメラをかざして写真を撮っている人も見えた。(ところで、もこもこした桜と普通の桜ではもこもこした桜の方が好みかもしれない)

駅前広場に行くと、ちょうど中央線の旧型車両がホームに停車中だった。現在ではほとんどが新型車両に変わっていることもあり、思わずオレンジの無骨な車両の写真を撮る。中野サンプラザを過ぎ、頭上の道路標識を見ると哲学堂公園の文字。早稲田通りを右折して神田川に出ようかと思っていたが、前から気になっていた哲学堂公園に行ってみることにした。

桜の時期の中野通りは両脇がピンクに色づいている。桜祭りが開催されていて人通りも多い。中野通りは、ここで生活する人々の通年の期待が報われたような明るい雰囲気に満ちていた。
この美しさ、この集客力。短い期間しか見ることのできない桜は強烈に季節を印象づけるのだなぁ、と今更ながら思ってしまう。

長く続く桜並木を進むと新井天神に到着。お賽銭を投げて二礼二拝をする。中野通りは路線バスの往来が多く、今日は混雑で進むのもままならない感じだ。歩道橋の上には、カメラを構えるたくさんの人が見える。

再び自転車にまたがり、中野通りを北上する。途中で森羅万象(Shinra Bansho)というインテリアショップに入店。ランプや椅子など、部屋の雰囲気を変えてくれそうなセンスの良い品揃えで気に入ってしまった。

一際人々が歩道から溢れている地点に差し掛かると、そこが哲学堂公園だった。入り口付近に自転車を止め園内に入ると花見客の賑やかな声がする。雑木林を散策していると自分と同じNikonの一眼レフを持った少女がなにやら呟きながら写真を撮っていた。そういえば小さい頃、親に渡されたカメラは特別なオモチャだった。きっと家族に誉められて写真が好きな子になるんだろう。

哲学堂公園のサイトによると『明治39年に東洋大学創立者井上圓了博士によって精神修養の場として開設』された『全国に例を見ない個性的な公園』ということらしい。
一部では哲学のテーマパーク(!)といわれているようで、「理想橋(りそうきょう)」や「常識門」「時空岡(じくうこう)」など施設には哲学ライクなネーミングがついていて結構面白かった。

哲学堂公園をゆっくり見物し終えると日が暮れかかってきた。シートを片付けだす花見客も多い。酔っ払っているのか日焼けしたのか、赤い顔をして公園を後にする人々。

写真を撮る人ならわかると思うけれど、街中で写真を撮っていると通りがかりの人にレンズの向く先を見られることがある。その時撮っているものが、撮るに足らないモチーフ(例えば雑草や石ころや鉄屑など)だったりすると『いや、その、あのですね』と言い訳をしたくなったりもする。

でも今日は、通りでカメラを構えていても『何を撮ってるんですか?』と聞く人はいない。今日は皆が桜に向かってカメラを構えていたんだから!


本日の1曲
ファンタスキッス / bonobos

買い物日誌013 明るくて頼れるやつ


SIGMA 30mm F1.4 EX DC /HSM
¥49,000
購入場所 ビックカメラ新宿西口店


一見難しそうなレンズの商品名は、その特性が数値で表された “実に親切なもの” なのだ。30mm F1.4と書いて「明るい標準レンズ」と読む。

30mm F1.4とは、焦点距離30mmで開放F値が1.4のレンズということ。

焦点距離とはレンズと撮像素子(フィルム)までの距離で、いわゆる写真に写る範囲を表す。一般的なデジタルカメラの場合、30~35mmが標準レンズに相当する。「標準」とは人間の視野(45°)に近いということなのだ。

※ 数値が小さくなれば広く景色が写せる「広角レンズ」、大きくなれば景色の映る範囲の狭い「望遠レンズ」となる

開放F値はレンズの明るさを指す。数値が小さくなるほど光がたくさん取り込める「明るいレンズ」ということ。明るいレンズほど値段は高くなるが、ピントの合う範囲が極端に狭くなるので、被写体を際立たせる美しい背景ボケが好きな人にはたまらない。

一ヶ月前にD90を購入した時、レンズを買わなかった理由はいくつかある。

■ 購入時はNikonの35mmレンズがF2.0のものしかなかった
(夜や室内の撮影を考えると2.0では少しもの足りない?)
■ Nikonから近日中に35mm F1.8のレンズが発表されるという噂があった
(少なくともF2.0よりは明るいということだ)
■ SIGMAの30mm F1.4も気になる
(値段は張るが開放F値1.4は捨てがたい)

新しいレンズを買うまでの間、とりあえず手持ちの50mmを使うことにした。しかしマニュアルのレンズでは、F値・シャッタスピード・ピントを一枚撮るごとに手動で設定しなくてはならない。これではせっかくの高性能が発揮できないし、中望遠レンズでは狭い室内での人物撮影がドアップになってしまう。やはりD90用にレンズを購入する必要は、ある。

ボディを買ってから一週間程して、噂通りNikonから35mm F1.8のレンズが発表された。まずは3月6日の発売日を待ち、店頭で実写してから買うのがよさそうだ。
Nikon35mm F1.8の魅力は手頃な価格と200グラムという軽さ。対してSIGMA30mm F1.4のレンズは、400gもある大口径でずっしりとしている。価格も高いがF1.4の値は心強い。このどちらを選ぶかで散々悩む。

週末、意気揚々とビックカメラに向かう。カメラ売り場に直行して持参したD90にSIGMAとNikonの両レンズを装着して試写させてもらった。
声を掛けた店員氏は二つのレンズをテーブルに並べ、細かな説明を始めた。カメラ好きからすると、やはりSIGMAが優勢な様子。確かに価格の差も歴然としている。

実物を触ることで、カタログの数字を睨んであれこれ考えていた理論が覆ってしまうことがある。SIGMAのレンズは想像より重くて大きかったけれど、その分の頼りがいを感じさせてくれた。手に馴染む質感もなかなか良い。

悩むこと10分。D90に窮屈そうに大口径のレンズがくっついているものなかなかキュートな気がしてきて、SIGMAの30mm F1.4 EX DC /HSMを購入することにした。
ようやくデジタルの悩ましい問題に終止符が打たれた。悩ましい時間は過ぎたのだ!


本日の1曲
Wave Of Mutilation / Pixies

買い物日誌012 悦に入るノート


mucu レザーリングノート
¥3,150
購入場所 
mucu オンライン

まずは「A5版くらいの大きさ」。ページの端を押さえることなく片手で書き込める「リングノート」。客先に持参することも考えると「汚れが目立たない」ものがいいし、好みをいえば「罫線が控えめ」な方がいい。

こんな風に、仕事で使うノートにはいくつかの条件がある。ノートは毎日何かを書き込む業務の友なのだ。長く使った前任のノートが残り少なくなってきた頃、次は気に入ったノートを使おうと決めた。

そんな折、インターネットで日本製のステーショナリーブランド【mucu】を知った。
ノートやメモパッドには本革やリネンを使用したものもある。素材にこだわった上質なラインナップは喜びを与えてくれそうな予感がする。mucuの本革リングノートは、まさに求めていた品だったのだ。

いよいよノートが最後の1ページに差し掛かった。渋谷区内でmucuの扱いがありそうな店舗を当たってみたものの、お目にかかることができなかった。
業務上ノートが無いと色々と不便も生じてくる。スペースを節約するためにちまちまと小さく文字を書く始末。噴出するノート欲!

次の週末まで待てないナァ、と思っても取扱店舗に行く時間もない。そこでmucuのサイトからメール注文すると、迅速なご対応のおかげで翌日にノートが到着した。

切りっぱなしのレザーは柔らかく、使い込むわくわく感も沸いてくる。そう、本革は長く使ってこそ。だからmucuではノートの用紙入れ替えサービスがある。使いきったノートを郵送すれば中身を入れ替えた自分のノートが返ってくるのだ。

ものを買うということは、作り手の姿勢を買うことでもある。作り手の思いを感じたなら魅力は増すだろうし、それにはお金を払う価値があると思っている。

今日、客先にこのノートを持参した。お気に入りのヌメ革の名刺入れとセットで使うと一段と絵になるナァ、とシリアスな打ち合わせを前に悦に入った。


本日の1曲
Creepin’ In / Norah Jones

mucuリングノートの主な取扱店舗(首都圏)

■六本木 AXIS リビングモチーフ
     5th Alley Studio (東京ミッドタウン内)
■青 山 スパイラルマーケット
■銀 座 伊東屋 本店 4F
キャトルセゾン 銀座・新宿店
IDEE SHOP

日光


2月14日(土)


東武日光線に乗るため朝10時に浅草で待ち合わせ。桃熊氏も静岡からやって来て、C氏と3人での久々の再会となった。
今年揃って本厄を迎える我々は、厄払いを口実に旅行をすることにしたのだ。

各駅停車の懐かしいボックスシートに向かい合って座り、のどかな風景を眺めながら約3時間で東武日光駅に到着。
そこから更にバスに乗ること約30分。『正月には走り屋が度胸試しに使うんだよ。』(C氏談)という、急勾配かつ曲がりくねった「いろは坂」になんとか耐えて、中禅寺温泉駅に到着した。

バス停の近くの「華厳の滝」で荘厳な景色を眺めていると野生の猿の姿があった。体毛が綿毛のようにふわふわしていて愛くるしい。ここは標高が高く麓と比べると随分気温も低い。夜はどうやって過ごしているんだろう。住居のような洞穴でもあるのだろうか?

日光は湯葉が名産らしく、土産物屋には生湯葉をはじめ、湯葉の加工品がたくさん並んでいた。ゆばカレーや、ゆばプリンなんていうのもある。まずは3人揃って「ゆばコロッケ」を食べてみた。塩を軽くふってかぶりつくと、湯葉の歯ごたえを確かに感じる逸品であった。もちろん、この日宿泊した湖畔の民宿でも湯葉の煮物や刺身が出された。湯葉好きには嬉しい。

夜は温泉に浸かる。硫黄泉独特のパーマ液みたいなにおいがする。露天風呂は冷たい外気が心地よかった。前日の睡眠不足が祟って、夜は至極アッサリと就寝。

2月15日(日)


東武日光駅まではバスで30分ほどかかる。一旦東武日光駅まで行きロッカーに荷物を預け再びバスに乗る。15分ほどで二荒山(ふたらさん)神社に到着。C氏の知人に運気が好転した人が何人もいる、ということで厄払いに選んだ神社なのだ。

昨日のように風もなく絶好の散策日和。まずは参拝を済ませ、厄払いの受付をする。
申込書に住所と名前とそれぞれの読み仮名を記入し願い事に二つまで丸をつけるが、二つ、というのは結構悩ましい。祈祷料の5,000円を支払って待合室で待つこと約15分。我々3人と一家族の祈祷が始まった。

頭を下げ、しゃんしゃんと鈴の音を聞く。お経のような口調で各人の住所と名前が読み上げられた。(だから読み仮名が必要だったのだ!)神様に住所を知らせてもらったことで守られている感が増幅した。

お札と厄除けの御守りを受け取って満たされた我々は、昼食を食べてから日光東照宮に向かった。国宝に指定されているいくつもの建立物には、細かな彫刻が施されている。立体的で過剰なほど詰め込まれたモチーフが目を飽きさせない。

東回廊には「眠り猫」がいた。話には聞いていたけれど、大きな像を想像していたからひっそりとしていて意外だった。我が家で留守番をしている高円寺の眠り猫、ハク氏を思う。そして「三猿像」のキャラクターがが思いの外、漫画調であることにも驚いた。

ところで、C氏は納経帳(のうきょうちょう・参拝の証として朱印を貰うための帳面)を持参していた。そんな神社通のC氏は昨日から『人から買って貰うのがいいみたいだから』と言っていて、こちらの知らぬ間に自分と桃熊氏に御守りを買って手渡してくれた。C氏の思い遣りが滲みる。これからC氏に会った時にはニ礼二拍手一礼をしなくては、と桃熊氏と笑いあう。

おみくじを引き(吉)、運試し輪投げをする。(全員入らず)
今年は三者三様に変化のある年になりそうな気がする。どうかそれぞれ、気負わず自分らしく過ごしていけます様に。


本日の1曲
つたえるよ / 100s

買い物日誌011 デジタルの悩ましい問題


Nikon D90 ボディ
¥97,600
購入場所 ビックカメラ有楽町店本館


フィルム数本分の同時プリントが仕上がるまでに一時間はかかるから、その間喫茶店で時間を潰すことになる。同時プリントは1本あたり千数百円かかるし、すぐに写真が見たいのに、持ち込む時間が遅いと当日中の現像を受け付けてもらえないことだってある。

それにブログで写真を使いたければ写真をMacに取り込む必要がある。ホコリをエアダスターでプシュッーっと飛ばしながら、ネガスキャンする。高解像度であればある程待ち時間も長い。次に取り込むネガの端を指紋が付かないように持ち、ひたすら待つ。
・・・・・。

今更いうまでもないけれど、デジタルなら帰宅後にカメラをMacに接続するだけで上の過程をスキップできる。フィルムすら買う必要は無い。対してフィルムカメラは手間も金もかかる。これまで幾度となくこの行程を繰り返してきたけれど、そろそろ本気でデジタル一眼レフを購入しようかという気になってきた。

フィルム一眼レフはずっとNikonを使ってきたし、名機と評判のD80の後継「D90」が昨年発売されたこともあり、機種はすんなりと決定した。しかしこの時点ではまだ気付いていなかったのだ。レンズ選びがこれほど悩ましいということに!

一眼レフは「標準レンズ」でずっとやってきた。標準レンズとは人間の視界に近い自然な画角が得られるレンズで一般的に50mmのレンズが相当する。

ところがD90をはじめとする一般的なデジタル一眼レフは、フィルムとは撮像素子(さつぞうそし:光をデータに変換する部分)の大きさが異なるので、同じ50mmのレンズを装着しても画角が変わってしまう。要するにD90に50mmのレンズを装着しても “人間の視界に近い自然な画角” は得られない。

デジタルカメラで標準レンズの画角を得るためには、計算上33mmのレンズが最適ということになる。しかし、この半端な焦点距離の単焦点レンズは生産されていない。(Nikonの場合だと28mmか35mmかのどちらか、ということになる)
標準レンズにこだわりたい気持ちはあるけれど、驚くべきことに、デジタルでは簡単に叶わない望みなのだった(!)。

そんな焦点距離の問題に加えて「解放F値の値」や「絞りリングの有無」など、レンズの特性はいくつもの要素で構成されるため、どのレンズを選択するかは考えれば考えるほど悩ましいのである。

とりあえず手持ちの50mmレンズをこのボディに装着してデジタルライフを始めることにした。マニュアルレンズなので、オートフォーカスにもならないけれど、売り場で試写した際に違和感がなかったからだ。

ちなみにD90に50mmを装着すると、75mmの画角に相当し「中望遠レンズ」ということになるが、こうして説明しようとすればするほど文章がややこしくなっていくのも、また悩ましい。


本日の1曲
Gobbledigook / Sigur Ros

敬愛する写真家、Ryan McGinleyの作品が
アートワークになったSigur Rosのアルバム。名盤!

森山大道写真展『銀座/DIGITAL』


森山大道はいつもコンパクトカメラで路上を撮影してきた。彼の長年のメインカメラはリコー製のコンパクトカメラ「GR」である。

彼の影響でGRを手にした人は多いと思う。敬愛する写真家と同じカメラが使えるなら、それを選ばないわけにはいかない。そんな動機でGRを購入したのは大学生の時、もう10年近く前のことになる。

そういえば、GRを購入した当初は「リコーってカメラ作ってるの?」とよく言われたものだ。リコーのイメージが「オフィス用光学機器のメーカー」から「高級コンパクトカメラのメーカー」に劇的に変わったのは、名機GRで作品を発表し続けている森山氏の影響が大きいと思う。

GRは2005年にデジタル化され、2007年には後継機のGRデジタル2が発売された。フィルム時代から比べてボディが一回り小さくなったものの、ほとんど同じ印象を与える。デジタルになっても、GRはボクトツとした外観の硬派なカメラなのである。

いつもモノクロフィルムを装填している森山氏が、今回初めてデジタルカメラ(GRデジタル2とGX200)を使った作品展を開催した。森山大道がデジタルを使う、これはファンにとっては大きなニュースである。

会場のRING CUBEはそれ自体が円形のビルディングで、ギャラリーの真ん中にある巨大な柱のような壁面に隙間なく作品が貼り付けられていた。作品を背にすれば、曲面を描くガラス窓から銀座4丁目交差点を見下ろすことができる。

銀座の街は外国のような雰囲気を持っていると思う。歴史ある建物は重厚で、質の良い洋服をまとった人が老舗デパートを行き交っている。最近では若者向けの店舗が増えたとはいえ、人々が銀座という地に抱く憧憬は根強いように思う。

毛皮をまとった女性の姿や、ショーウインドーに飾られたけばけばしい衣装の写真は銀座が歓楽街であることを思い出させる。
マネキンやポスターなどのイミテーション的モチーフや、女性の後ろ姿に注がれるファインダー越しの視線。シャッターや網タイツの模様を用いたグラフィカルな構成。それらはまさに “ダイドー的な” 写真であり、見慣れないはずのカラー写真も意外なほど違和感がなかった。

21mmの広角レンズは街の形相を俯瞰するに相応しい。標準レンズを装着した一眼レフとGRがあれば撮りたいものはたいてい撮れる。標準レンズでは入りきらない景色を撮りたければポケットからさっとGRを取り出して撮影すればよい。フレキシブルで写りも良く、ストリートスナップに適したカメラなのだ。

学生時代にはカメラを持ち歩かないと不安だった。いつどこで撮りたいものに出くわすかわからないからだ。そんな時もGRだったらさっとポケットに忍ばせることができるし、予備カメラとしてカバンに常駐させておいても良い。

展示数の少ないカラー写真の下地としてモノクロ写真の女性の顔が敷き詰められていた。存在感のあるこのマチエールがなかったらあの空間は随分淡白になっていただろうと思う。

空間を操るのは作家の意思だ。多くない作品数と特殊な会場の形態で写真の組み方が際立つ。小規模のギャラリーならではの、空間構成の妙を感じる展覧会だった。


本日の1曲
Alison / Holly Cole

森山大道写真展「銀座/DIGTAL」

http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/event/daido_vol2.html
【 展覧会情報 】
■ 会 期:2009年1月7日(水)~2月1日(日) 11:00~20:00
■ 休館日:火曜日
■ 会 場:RING CUBE
      東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8.9F
■ 料 金:無料

さくじょ。


この間友人と長話をしていた時、彼女は『年を重ねて自分の身を守る方法がわかるようになった』と笑った。悲しい出来事に心が動揺したとき、その動揺をこれ以上こじらせないために、どうするのが自分にとって最善か。

今、ドコモは『Answer』という広告キャンペーンを展開している。
昨年オンエアされたCM「STYLE登場」篇では若い女性の恋愛模様が描かれた。雨の中『答えがほしいの。』と男性に詰め寄り、のちに自分の部屋で携帯電話に登録されていた彼の写真を削除する、というストーリー。

このCMがオンエアされ出した頃、冒頭の彼女をはじめ、何人かの女友達が立て続けにこのシーンを話題にした。確かに、『さくじょ。』という呟きと、複雑な表情が印象に残るCMだった。

一見演出がかったこんなシーンも、恋をすれば日常に介入する。何人かの話を聞いていると、似たような経験をしている人が結構いた。時間を持て余し、なにかにすがりたい気持ちで彼のメールを見返せば、余計に寂しさが募ってしまう。

恋人と別れたある友人は、意を決して受信メールを一括削除した。
しかし空になったはずのメールボックスに「保護」していた彼からのメールが残ってしまったらしい。名前すら見たくない心境なのに彼の名前で画面が埋め尽くされてしまった。

彼女は結局、“鍵” のマークのついたメールを一つずつ開封して保護を解除し、削除しなくてはならなかったそうだ。大切なメールだから鍵をつけて何回も見返していたはずなのに、こんな時には全てが痛い。

クリアボタンを押しさえすれば消失するデータ。でも、今まで何度それに励まされてきただろう。一瞬で消えてなくなるものをどうしてこんなに愛しく思うんだろう。

彼の好きな曲を集めたプレイリストや、借りたままの本や、一緒に出掛けるはずだった約束とその行き先を、彼女は思う。あのほんの短いシーンには、誰の目にも触れない、ひとりきりの決意が描かれているのだ。


本日の1曲
開け放つ窓 ~piano version / 阿部芙蓉美
youtube
 

好きなCMを調べると前田氏がディレクションしていることが多い。
心の揺れを描くのが本当にうまい人なのだと思う。

■ Answer「STYLE登場」篇
http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ad/tvcm/081205_01.html
出演者   :堀北 真希 山崎 努 成海 璃子
ディレクター:前田 良輔

■ ソフトバンクモバイル「プロポーズ」篇
http://jp.youtube.com/watch?v=pli7bVWTpdo
■ 東京ガス「家族の絆・山菜の味」篇
http://www.tokyo-gas.co.jp/channel/200ch/flash/m2008_12_b.html