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買い物日誌019 聞こえの良い暇つぶし



フィットネス&スパ MODERNO阿佐ヶ谷 月額利用料金
¥12,600(レンタルオプション、契約ロッカー料金込)
購入場所 MODERNO阿佐ヶ谷店


とりあえず1ヶ月やってみようと入会手続きをしてから半年。今でも飽きずにジムに通い続けている。それどころか、半年の間に週末会員から利用時間に制限のないレギュラー会員にクラスアップして、電車の定期も阿佐ヶ谷まで区間延長して買うようになった。

ジムに通うことが意外にも自分にあっていたみたいなのだ。これには自分もびっくりしているけれど、周りの友人達はもっと驚いているような気がする。

ある日、友人氏がジムに通う事を勧めてくれた。彼は「走っていると余計なことを考えなくて済む」と言った。実はその頃はあまり良いメンタル状態ではなく、人間関係のストレスを発端に、むくむくと湧いてくるネガティブな感情に悩んでいた。週末も家から出ないことが多かったので、ストレスが熟成させているような感覚があった。

そんな生活習慣を変えるべく、ジムに通おうと思ったことは何度かあった。でも運動が得意ではないので続ける自信もなかったし、ちょっと試してみるには会費も高く感じた。
でも彼の言葉を反芻するうちに、ジムは体を鍛えるためだけの場所ではないのかもしれないと思えてきた。勢いがあるうちに実行しようとジムに見学に行き、その場で入会手続きを済ませた。ちょっとした賭けのような気持ちで。

まずはTシャツとソックス、トレーニングパンツを買う。次にスニーカー、バス用品。個人ロッカーを契約したあとは手ぶらで通えるようになった。プールもジャグジーも無いこぢんまりしたジムだけれど、スタジオレッスンも豊富だし、ひとりで黙々とワークアウトできる夜の雰囲気も良かった。

今は少なくとも土日のどちらかにはジムに行くし、仕事帰りに立ち寄ることもある。行く場所があるのは嬉しいことで、職場のある渋谷や、自宅のある高円寺以外の場所に通うことが気分転換にもなっている。ジムに通うことは、聞こえの良い暇つぶしなのだ。

少し前にデイ・バイ・デイで腰を痛めたと書いた時、スポーツインストラクターをしている方から腰痛に効果的なアドバイスをもらうことができた。考えられる腰痛の原因に『運動不足による血行不良』があるらしいのだけど、それは『ナシだと思うので(除外)』とさらりと書いてあった。優しいアドバイスに加えて、運動不足な人から除外してもらえたことにひっそりと喜びを感じてしまった。


本日の1曲
Fly Or Die / N*E*R*D


今年バージョンの人

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先日の産経新聞に今年の『ネット発ヒット商品番付』が掲載されていた。新語流行語大賞のノミネートより “ネット発” だからかピンとくるものが多くて嬉しい。

さて。この新聞記事の見出しそのままに、今年は「アイフォーンでツイッター」を始めてしまった。ゴールデンウィークの暇つぶしになりそうだからと購入したiPhoneも、今では通話以外の用途に使うことが圧倒的に多い。この番付記事はiPhoneの産経新聞アプリで見つけたし、エントリーはメモアプリのAwesome Noteで下書きをした(している)。iPhoneは、便利で楽しくて驚きをくれる。今では手放せないものになった。

iPhoneはTwitterやTumblerなど新参のwebサービスとも親和性が高い。専用アプリを使えば操作も簡単。昨年の夏にTwitterアカウントをとった時も、その時点でiPhoneユーザーだったら飽きることもなくハマっていたかもしれない。


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左から Echofon for Twitter(無料):アプリ起動後に1タッチで入力画面に遷移できるTwitter専用アプリ。産経新聞(無料):毎朝5時に更新。当日の新聞が読めてしまう人気のアプリ。拡大すれば活字もくっきりと表示できる。今年、暇つぶしに気軽に新聞を閲覧する人になろうとは。Awesome Note/現在はAwesome Note +Todoとして販売(450円):エントリーの下書きに欠かせないので起動回数が最も多いアプリ。書いたメモをgoogleドキュメントにエクスポートできるのが大変便利。(販売価格は2009年12月時点)

個人的に、今年はWebサービスをシンプルに使うことを覚えた年だったように思う。mixiはRSSリーダーとして使い、Twitterはブログに最新のつぶやきを掲載するために使う。Tumblerでは自分宛のメールに添付された写真をアップしてコレクション。日々、インターネットという無限のストレージにデータを放っているような感覚がある。

番付に乗るほど流行ったとは知らなかったけれど、意外とカロリーが低い(110kcal)『ドロリッチ』にもハマったし、『皆既日食』のテレビ中継では、この日のために超高額なレンズを新調したハイアマチュアのカメラマンに感嘆した。当初友人氏のブログで語られていた『森ガール』をしばらく間違えて「山ガール」と言っていてやんわり指摘されて恥ずかしかった。(フジロックや富士登山をアクティブに楽しむ女子はきっと「山ガール」だ)

去年は知らなかった名称の商品やサービスが、その年を象徴するトピックを作っていく。来年も今はまだ知らないサービスや商品がリリースされ、それが流行するのだろう。それが繰り返される。毎年、毎年。

iPhoneでTwitterをし、(“なう” ってなに?)と首を傾げながらドロリッチを飲む。サンシャイン牧場のアプリ招待状を受け取り、割れチョコってお店の人が割ってるんだろうなと疑念を持つ。流行に敏感でないつもりでいても、しっかり今年バージョンの人になっていた。


本日の1曲
Sundance / EGO-WRAPPIN’


似顔で楽しいインターネット

アイコン【 あいこん 】
1. 《物事を絵で簡単にあらわそうとするもの。コンピュータにおけるアイコンはプログラムの内容を図や絵にして分かりやすくしているもの。》
2. 《インターネット上で個人のアカウントに設定される画像。》

毎日利用するものだけでも、mixi、 Skype、twitter。Webサービスを利用する時、IDやらパスワードに加えアイコン画像(プロフィール画像)を登録するのが定番になりつつある。仕事用、プライベート用、と複数のアカウントを持っているものもあるので、それぞれのアイコンは日常的に目にするものになる。

そして、気がついたらそれぞれのアイコン画像はばらばらになっていた。画像を気分で変更したり、サービスごとに切り替えるのも良いけれど、本当は全てのウェブサービスに同じアイコンで登録したいと思っていた。毎日目にする “自分の” アカウント。たとえサービスをまたいでも、発言や興味の方向はまぎれもない自分のものだから。

ある時イーゴン氏は走る格好の形態を使ってキャラクターを作り始めた。そしてほどなくして『イーゴン自治区』のトップページにイーゴン氏自身のアイコンが登場した。ベースはそのままなのに、髪型を変え、ボーダーシャツを着せてメガネを描き足すと、思わず『あなたにしか見えないよ、これ。』と言ってしまうほど本人らしく見えた。

そんな風に羨ましがっていると、イーゴン氏がアイコンをプレゼントしてくれた。粋なはからいでこの夏永眠した愛猫、ハクのアイコンも!

自治区民ニガオ、はじまる。

自分のアイコンが欲しくなった方へ。イーゴン氏にアイコン画像をオーダーしませんか?

似顔【 ニガオ 】
1. 《「似顔絵」の略。》
藤子不二雄Aの漫画作品『まんが道』の中で気弱な主人公 満賀道雄(まが・みちお)が教諭の似顔を描き、それが見事に特徴をとらえていたためクラス中の喝采を浴びるシーンがある。



イーゴン自治区で『自治区民ニガオ』というお楽しみ企画が始まりました。

今ならイーゴン氏が無料であなたのニガオを作成してくれます。ちなみに上の7名1匹は実際にオーダーを受けて制作したもの。特徴をうまく捕らえていて上手い!

イーゴン氏と直接知り合いでない方でもオーダーが可能なので、「ラーメンが好きだからラーメン丼を頭にかぶりたい!」など、あなたのパーソナリティを現すようなオーダーをしてみてください。あなたのアイデアできっと素敵なニガオが完成するでしょう。

『自治区ニガオ』のオーダーは、mixiのイーゴン自治区公認コミュニティで受け付けてくれるそうです。ソーシャルネットワークのアイコンのほか、ブログのプロフィール画像なんかにも使えます。まずは気軽に「ニュータウン計画」トピックをのぞいてみてくださいね。
● mixi 「ニュータウン計画」トピック mixiアカウントが必要です)


本日の1曲
ワンダーフォーゲル / くるり
youtube


買い物日誌018 マイ・ラテ・ソイ・ラテ


THERMOS 真空断熱ケータイマグ 350ml ¥2,462
購入場所 amazon.co.jp

ハンディーステンレスボトルホワイト 500ml ¥3,800
購入場所 スターバックス阿佐ヶ谷駅前店


午後の仕事はソイラテなしには遂行できない。食事の後、それがないとなるとどうにも落ち着かない気分になる。外が暴風雨で一旦購入を諦めた日でも、数十分後には傘をひっくり返しながらコンビニエンスストアに駆け込んでいる。

しかしあろうことか、会社近くのコンビニエンスストアから一番のお気に入りだった「ドトール カフェ・オ・レ(砂糖不使用)ラージサイズ」が忽然と姿を消した。他の商品をかき分け、陳列棚の奥を覗き込んでも無い。あくる日もそのあくる日もやはり、無い。
仕方なく、類似商品に手を出してみたものの、大抵が甘すぎるし、無糖のラテはどれも淡白すぎて苦い水を飲んでいるみたいだった。

これなら自宅で淹れるラテの方が美味しいナァとストローを噛む。そこでさっそく自宅のキッチンからひと昔前の水筒を発掘し、次の日からラテを持参するようになった。

飲みなれた味には満足したものの、飲み口を塞ぐキャップの “反り” が不十分で、注ぎ口から直飲みするとデコボコしたパッキンに鼻がぶつかってしまう。コップをねじ込んで閉めるタイプの水筒では、直飲みは保証外の行為なのだろう。鼻の頭にラテの汁をくっつけながら、その場でAmazonにアクセス、サーモス(THERMOS)の水筒を注文した。

サーモスは保冷機能が素晴らしかった。夕方になっても夜になってもぬるくなることがない。ロックリングがついているので液漏れせずカバンに入れても安心。フタはワンタッチで開くし、反りも十分で鼻にぶつからない。なんて優秀なんだ!

そのうち350mlでは足りないと思うようになった。そしてスターバックスで見つけたスターバックスカラーの500mlサーモスを購入。今は毎日これを持って出掛けている。

朝起きて顔を洗ったあと、エスプレッソマシンを稼動させる。抽出したてのエスプレッソをカップごと冷凍庫で急冷し、身支度が終わったらエスプレッソと豆乳を水筒に注ぐ。カバンにイン。靴を履いて部屋を出る。今日もマイ・ラテ・ソイ・ラテ。


本日の1曲
On The Brink / Dinosaur Jr


【番外コラム】水筒のにおい対策、の話。

水以外の飲料を水筒に入れた場合、内部にニオイがつくことがあります。
パッキンに乳製品特有のニオイがついてしまうと美味しさが半減するので、
キッチン用漂白剤で3日に一度くらい消毒しています。
薬品を使いたくない方は、水で薄めた酢でもにおいが取れるそうです。
(注:腐敗や変質の原因になるため、ほとんどの場合乳製品を入れることは推奨されていません)



映画(ハル)





監督・脚本:森田芳光
製作・企画:鈴木光
プロデューサー:青木勝彦、三沢和子
キャスト:深津絵里、内野聖陽、戸田菜穂、宮沢和史ほか
主題歌:『TOKYO LOVE』:THE BOOM
1996年/118分/カラー/日本
画像クリックでAmazon詳細ページ





チャットの様子が画面いっぱいに映し出されたり、電光掲示板の文字が挿入されたり。そんな文字の演出はどこかアナログ感が漂っていて、インターネット黎明期の感覚を懐かしく思い出させる。

『(ハル)』が公開された1996年は、インターネットがこれから普及しようとしていた時代だった。当時は目の前のキーボードで打った文字を送信することも、それを誰かが受信することも、いまいち理解できない不思議な現象だった気がする。

“ハル”(内野聖陽)は、興味本位で覗いたパソコン通信の映画フォーラムで “ほし”(深津絵里)と出会う。ハルとほしは(おそらく大多数の人々と同じように)普通の生活を送っている男女。ハルは東京に暮らすサラリーマンで、ほしは職を転々としながら盛岡に暮らしている。

華やかでもなく金持ちでもなく、一見穏やかな暮らしをしている人にも、人の数だけ習慣があり、興味がある。そして、できれば誰かに聞いてほしいことを抱えている。ふたりは生活の出来事や悩みをメールで打ち明け合うようになっていく。

インターネットがこれほど身近になると、かつてはあった切実さが欠けてくる。目の前のディスプレイに向かって、ここに自分がいることを誰かにわかって欲しい、と切なる願いを込める機会は減ったのではないか。2009年の我々はいちいちそこまで考え込まない。思いを溜め込む前に送信ボタンや公開ボタンでそれを吐き出してしまう。

それに、姿の見えないやりとりでは、文面から相手を想像するものの、相手が実在するという実感が希薄になってしまう。(このブログを読んでくれている人の姿をうまく想像できないのと同じように)
だからハルとほしが初めてお互いの姿を確認するシーンは、緊張感に溢れている。毎日のようにメールを交換した相手が本当に実在することを遠目に確認したシーン。あまりにも控え目で、短時間の接触ではあるけれど、それは目の覚めるような感動を与えてくれる。

インターネット無くしてはかなわなかった出会いもある。ハルとほしのように。
『(ハル)』という映画は、誰かと思いを共有したいという切実さに満ちている。そして、回線に接続中の大勢の、そのうち稀有な何人かが自分のメッセージを受け取ってくれるなら、本当の思いを話したい。

ハルとほしが築いた信頼関係は、今より更にインターネットが発達するであろう未来においてまで、多分、まるで色褪せることはない。インターネットがいくら発達しようと、そもそもインターネットの有る無しや、姿の見える見えないに関わらず、人間の求めるものはきっと、ずっと変わることがない。


本日の1曲
Honeysuckle Rose / Holly Cole Trio


買い物日誌017 よろしく、GR。


RICOH GR DIGITAL III
¥71,820
購入場所 マップカメラ1号店


デジタル製品は発売から時間が経つほど価格が下降する。製品の最安値を示すグラフは株価よろしく、今日も小刻みに変動を続けている。

もう少し安くなってから、と思っているとどこからか新製品発表の噂が聞こえてきたりして、慎重になればなるほど手を出しにくくなってしまう。それに、購入を我慢している間に「撮れたはずの写真」を撮り逃がしているのだ。きっと。

たとえ躊躇する価格だったとしても、フィルム時代に写真にかけていた費用を考えれば安いものだ! と思うことにした。(実際にそうなのだけど)

実は数ヶ月前に、愛機D90をコンクリートの地面に落として背面液晶を割ってしまった。購入後一定期間付与されるメーカー保証は、使用上の過失によるトラブルは対象外となる。購入して間もなく訪れた悲劇を教訓に、落下や水没も補償してくれる店舗での購入を決めた。マップカメラなら購入金額の5パーセントの掛金で破損にも対応した3年間の補償がつく。

今夜はひとり新宿に出掛け、至極あっさりとGR DIGITAL IIIを購入した。すぐに撮影できる状態にセットして街に出れば、手に馴染むGRの質感に自然に顔がほころんでしまう。歩きながら無意識に『よろしくナー。』と言っていたくらいだ。

フィルム時代にはNikon F3HPとGR1vをセットで持ち歩き、画角の違う二台を使い分けていた。重くて大きな一眼レフと違って、GRはポケットに入る手軽さが良い。そんな最強の布陣が、今夜ようやくデジタル版に移行した。これからはNikon D90とGRIIIでいこう。

GRデジタルシリーズはずっと欲しいと思っていたものの、高額なため購入をためらっていた。しかし、先日の愛猫ハク氏との悲しい別れが、写真を撮る行為の尊さをあらためて感じさせてくれたのだった。この部屋には沢山のハク氏の写真があり、そこには我々が過ごした日常生活の “さま” が写っている。気付けば、写真日記[デイ・バイ・デイ]も、開設から一年が過ぎていた。

これからも日、一日を文と写真で記録していきたい。その想いにGRが力を貸してくれると思ったのだ。


本日の1曲
That’s What You Get / Paramore
VIDEO(Official Site)


買い物日誌016 1000 songs on your T-shirt


iPod shuffle 4GB Personalized シルバー
¥8,800
購入場所 Apple Store(Online)


2009年3月に発売されたiPod shuffleは、長さが45.2mm、重さは10.7gしかない。
大きさは第二関節から指先位までしかなく、Tシャツの襟に挟んでも重さで生地がたるむこともない。

ランニングマシーンの前面パネルに立てかけたiPodが派手な音を立てて滑り落ち、慌てて緊急停止ボタンを押す。心配そうに駆け寄ってきたトレーナー氏に会釈して、だらりと垂れ下がったコードをたぐりよせる汗だくの自分。要するにトレーニング中にiPodを落とすのは結構恥ずかしい。今月から通い始めたフィットネスクラブで、実はそれを二回もやってしまった。

その、普段使っている第5世代のiPod、もしくはiPhoneをアームバンドで装着して使う事も考えたけれど、走るという目的にあわせて考えると軽くて小さいiPod shuffleが適している気がしてきた。

ところで、iPodが発売されたのは2001年で、当時のコマーシャルで使われていたのは『1000 songs in your pocket』というコピーだった。(YouTube:#01 – iPod 1G – The first Original Commercial

iPodなら1000曲のミュージックライブラリを持ち歩くことができる。事実をそのまま伝えているだけのシンプルなコピーだったけれど、その事実そのものが驚きと興奮に満ちていた。(「ア サウザンソーン イニュアポーケッ」とよく真似していた)

当時は収録曲数と携帯性においてMDウォークマンが優勢だった。MP3プレーヤーなんて触ったことも無くて、CDウォークマンに入れるためにCDを数枚持ち歩いていた時代だ。1000曲分の音楽ファイルを自宅のパソコンで管理することも一般的ではなかった。

それが今や、この小さな小さなiPod shuffleに同じく1000曲が保存できるようになった。ポケットに入れるよりもさらに自由に、Tシャツの襟にくっつけられるようにもなった。

今後iPodはどのように進化していくのだろう。コンピューターをとりまくあらゆる記述がそうであるように、何年後かにこのエントリーを読んだら『2009年はそんなことで驚いていたの!?』 ということになるかもしれない。購入したその日に自室でiPod shuffleを数度見失っているから、これ以上小さくなっては困る気もする。

フィットネスクラブに通いだしてから、環境を整えるための出費が続いている。
でも、iPod shuffleのおかげで集中力が増したのを感じるし、いつもより速く、長い距離を走ることもできる。そしてなにより、好きな音楽を聴きながらするトレーニングは、やっぱり楽しい。


本日の1曲
Let’s Get Retarded / Black Eyed Peas
youtube


買い物日誌015 探すは楽しきFREITAG


FREITAG F41 HAWAII FIVE-O
¥16,000
購入場所 伊東屋銀座本店


FREITAG(フライターグ)のバッグは、西ヨーロッパの国々を駆け巡っていたトラックの幌を再利用して作られている。代表的なメッセンジャーバッグのほかにも、トートバッグやボストンバッグ、財布やサッカーボールなどラインナップは40種に及ぶ。幌から直接裁断して作るため、同じ柄はふたつとない。しかしながら独特の材質感で一目でそれとわかる個性的なプロダクトなのだ。

取り扱い店舗の限られたFREITAGも、本国スイスのオンラインショップでは豊富に在庫が揃う。(各モデルが100個ほど並んでいるさまは壮観な眺めだ!)商品写真が頻繁に入れ替わるのは、すべてが一点もののFREITAGならではのこと。だから前日に見てお気に入りだったバッグが次の日にはなくなっていることもある。

誰かに購入されれば商品はそこから無くなり、代わりに新しい商品が追加される。前日に目を付けていた商品が無くなれば、誰かが買っていったんだな、と思う。流通と購買を意識させる実にシンプルな仕組みをしているのだ。

ところで現在、銀座の伊東屋FREITAGフェアが開催されている。それを知ったのは購入を思い立ったその日だった。なんていいタイミング。早速仕事帰りに寄ってみることにした。

FREITAGの場合、売り場に出かけたからといって必ずお気に入りに出会えるとは限らない。でも、だからこそ、売り場に向かう間にも好奇心を駆り立てられる。FREITAGそのものが、モノとの出会いを意識させる演出のようだ。

伊東屋4階の会場にはF-FURNITUREと呼ばれるFREITAG専用の収納棚が並び、各モデル数十パターンが販売されていた。鼻息荒く商品を見渡し目当てのF41モデルをいくつかピックアップしたのち、大きなロゴの入ったクリーム色のバッグを購入することにした。(まったく! どれも捨てがたかった!)

FREITAGが他のバッグと一番違うことは、探す楽しみがあること。だからこそFREITAGを求める人は、もっと違うバッグも見たい! と欲張りな気持ちになるかもしれない。

スイスの工場では、次々とバリエーションに富んだ幌から生地が裁断され、新しいバッグが生まれている。だから最初からパーフェクトに自分好みの『運命的な』FREITAGを追い求めるのもいいけれど、ゆっくりと待ち、運命のバッグを探すのも楽しいのだ。(もし今すぐFREITAGが欲しいのなら、とりあえずひとつ購入して直ちに物欲を沈静化すべきだ!)

同じ幌から断たれた兄弟バッグを探したり、珍しいプリントのバッグを探すのも楽しい。ファーストバッグを手に入れたあとでも、FREITAGには楽しみがいつまでも残されているんだから!


本日の1曲
Song2 / Blur
youtube

関連エントリー
2006/09/17 『個性は楽しきFREITAG

デイ・バイ・デイの関連エントリー
2009/07/12 『FREITAGの選ぶ楽しみ
2009/07/13 『FREITAGの知る楽しみ
2009/07/13 『FREITAGのこの夏のお楽しみ


ポタリング・トーキョー 〜JAZZの街阿佐ヶ谷編〜



土曜日。フト思い立って阿佐ヶ谷にあるスポーツジムの見学に行くことにした。高円寺からの高架下の通りには駐車場が続き、ところどころにコンビニやスーパーマーケットがある。休日になれば人通りもなかなか多い。

阿佐ヶ谷は隣駅で、電車に乗れば数分で到着する距離。線路沿いを行けばゆっくり走っても10分くらいあれば到着してしまう。桃園川緑道を通ったり、杉並学園のグラウンドの部活の掛け声を聞き懐かしい気分に浸ったり、ナイスフォントに感嘆したりしていると、ほどなくして阿佐ヶ谷駅に到着。早速、モデノ阿佐ヶ谷のフロントを訪ねた。

予約もせずに行ったのだけれど、スタッフの若い女性が快く施設内を案内してくれた。ちょうどその時、フラメンコのクラスが始まる直前だったらしく、通路に突っ立っている自分の前を原色のふわふわのスカートをはいた女性達がスタジオに駆け込んでいった。なんだかとても楽しそうに見える。
マシンルームでは男性達がワークアウトに励んでいた。自宅に置いたら床が抜けそうな巨大なランニングマシンの多機能っぷりに驚く。ちょっと触ってみたりする。

スポーツジムをあとにして、阿佐ヶ谷駅の周辺を散策。
阿佐谷ジャズストリート」も開催される阿佐ヶ谷はジャズの街としても知られている。ちなみに高円寺はパンクの街、荻窪はクラシックの街、吉祥寺はフォークの街と言われる。それぞれに思い当たる理由もあるし、中央線の各駅の街を音楽に例えるのは面白い表現だと思う。

ラピュタ阿佐ヶ谷の個性的な建物を見上げたり、『美代子阿佐ヶ谷気分』の映画ポスターを眺めたり、飲屋街の路地を覗き込んだ後、自転車を止めてパール商店街を見て回ることにした。各地のビールをワゴンにディスプレイした酒屋や土のついた野菜を売る自然食品の店。ソフトバンクショップの店内では猫が気持ちよさそうに寝ていた。

喫茶店で休憩して外に出ると商店街の店が大方閉まる時間になっていた。商店街をいったん抜けてから中杉通りをぶらぶらと散歩する。(素敵なスナックの看板をいくつか見つけることができた)通りから商店街を覗くと、ミート屋という店舗に行列ができていた。カップルや若者に混じってOL風の女性客も1人で静かに並んでいる。一度気に止めた店に行列ができていると俄然食べてみたくなる。

ここはどうやら、ミートソースパスタを専門に出すお店らしい。トッピングに温泉卵や揚げナスが選べるけれど、初回は850円のプレーンなパスタに決める。初夜はこのくらい謙虚でなくてはいけない。食券を買い外の椅子に腰掛けて待つこと10分。
店内はわずか9席のカウンターのみ。パスタはラーメンの丼に盛られていて小洒落たラーメン屋のような趣がある。

せわしなく動き続ける店員氏は、手打ちの麺を大きな竹ざるに上げ、軽く水気を切って丼に投入。オイルを混ぜ、十分に煮詰めたミートソースをかける。ミートパスタは、”こし” のある麺と濃厚なミートソースでジャージャー麺のような食べごたえがあった。これを書いている時点ですでにまた食べたくなっているから行列ができるのも納得できる。

隣駅ながら、阿佐ヶ谷をゆっくり散策したことは初めてだった。ジャズクラブ「MANHATTAN」の看板が見える線路脇の路地はなかなか雰囲気があった。まだまだ発見がたくさんありそうな阿佐ヶ谷を今更気にいってしまった。


本日の1曲
My Romance (Take 1) / Bill Evans Trio


ある雨の日の僕の話。


まったく嫌になっちゃうことが起こったら、みんなはどうしてるんだろうね。
シートの破けたソファーにうずくまったり、薄ら寒いテレビショウを見て時間を潰してるとそんなことがやけに気になってくる。

でも残念なことに、この質問に気の効いた答えを返してくれそうな奴はいないな。少なくとも僕の周りにはね。だからもし誰かに聞いたとしても特効薬にはならない。こんな言い方って冷たすぎるかもしれないけどさ。

人ってのは自分のことで忙しいらしい。もっともらしくため息をついたり、退屈だと嘆いてみたり、死んだ哲学者が書いた本を読んだりさ。言うまでもないけど、奴らは僕なんかより余程順調に生活してる。そんなのってなんかまいっちゃうよね。深刻ぶってるやつほど頭の中は空っぽなんだ。

僕はいつだって、ある一定のレベルで、そういう浅はかで気の効かない連中にうんざりしてる訳なんだけど、時々は世の中も捨てたもんじゃない、って気分になることもある。そんな時にはこうも思う。僕に起こったことは単なる運の悪いアクシデントだ。気を滅入らせるほどでもない「とるに足らないことなんだ」ってさ。

でも、とにかく、僕は今ちょっとシリアスな問題でまいってるんだ。さっきも言ったけど、まったく嫌になっちゃうことだよ。こんなことがこれからの僕の人生で何回もやってくるかと思うとほとんど狂いそうになる。こうなっちまう前に僕が冗談を言って誰かを笑わせたことがあるなんて今じゃ奇跡みたいに思えるね。

とりあえず、この喫茶店を出てからが問題だ。雨も強くなってきたし、僕には明日の楽しみがこれっぽちもないんだから。

(注:筆者は『The Catcher in the Rye』に感化され、ホールデン口調になっています)


本日の1曲
Where Is My Mind??? / Pixies
youtube

1999年、ナンバーガールが “Wave Of Mutilation” をコピー。
それをきっかけに聴き始めたPixiesは、ボストン出身のオルタナティブ・バンド。
哀しげなコーラスが美しい “Where Is My Mind???” は特に好きな一曲。
映画『ファイトクラブ』のテーマソングとしてもよく知られているらしい。


>>関連エントリー >>
2006/06/28 『J.D.サリンジャー 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
2006/06/21 『退屈なだけの僕の話。