Archive for the '買い物日誌' Category

買い物日誌002 慎ましいソーダ


水出しミント ジュレップソーダ
¥150
購入場所 ナチュラルローソン 渋谷道玄坂一丁目店



シリーズの第1段、「ピール漬けハチミツレモン」が発売されたのは2007年5月。【世界のKitchenから】は、各国のお母さんが作るレシピに注目し、諸外国で親しまれている飲料を期間限定で商品化しているシリーズ。これまでに8種類が発売された。

今月6日に発売された「水出しミント ジュレップソーダ」は、キューバの “モヒート” というカクテルをヒントに作られたそうだ。水出ししたミントをソーダで割り、レモングラスとグレープフルーツ果汁を加えたさわやかな味になっている。

愛嬌のあるフォルムのボトル、真夏のキューバをイメージしたというニュアンスのあるカラー、同系色で細かく印刷されたパターン。発売日には会社のデスクでそれを飲みながら、ボトルを目線の高さに持ち上げてクルクルと回し見る。シリーズから新商品が発売される度に胸が躍る。

これまでに飲んだことのないちょっと新鮮な味は、食文化の異なる外国のレシピを取り入れているからこそ。外国の飲料からこっそりヒントを得るのではなく、思いきりひとつのシリーズにしてしまったアイデアも面白い。

ところで、電車の車内でよく見かける【世界のKitchenから】の広告には文字が多い。発売される商品が、どの国でどんな風に飲まれているか。商品が生まれた背景やレシピを丁寧に説明することで、広告にも慎ましさが漂っている。カリグラフィー的なフォントにも味わいがあるし、「とろとろ桃のフルーニュ」「ディアボロ・ジンジャー」などひと工夫あるネーミングも秀逸で、思わず飲んでみたくなる。

【世界のKitchenから】は、ウェブサイトにもちゃんと手がかかっている。各国の旅行記が美しい写真と共に掲載されていたり、セカキチ ファンクラブには、ブロガーのクチコミが集まる。日本で発売された “セカキチ” を地元の人に試飲してもらうコンテンツなどもあって、ついつい読み込んでしまうのだ。

少し前に、これまでに発売された全てのボトルを集めた広告を見た。それぞれが集まった姿は、日の当たる軒先に無造作に並んだガラス瓶を想像させた。
それを見て、最初から並べる前提で作られていたのかもしれないな、と思った。そのさりげなさは完璧で、しばらく見とれてしまったほどだった。

販売が終了しても、デザインやコンセプトが優れた商品は、長く人々の記憶に残る。【世界のKitchenから】もきっとそんなシリーズになるんじゃないかと思う。


本日の1曲
蜃気楼の街 / SUGAR BABE


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>>関連エントリー >>
2008/07/12 『買い物日誌001 明け方のピエール

買い物日誌001 明け方のピエール


柳 宗理 ・ステンレスケトル つや消し
¥5,880
購入場所 Amazon.jp



アパレルブランドが販売する日用品( __例えば、バスマットや食器類)は、良ければデパートの食器売場の棚に並べてもらえるけれど、悪ければホームセンターのワゴンに詰め込まれる宿命にある。

それはともかく。
東京暮らしを始めた時、祖母が準備した生活用品の中にピエールカルダンのやかんが入っていた。えんじ色の胴に黒い持ち手というモダンな色づかい。今まで実家のどこかに潜んでいたのか、荷造りのために家族が慌てて買ってきたのか判らないけれど、使うほどに悪くないなと思わせる魅力があった。

柳宗理のステンレスケトルは、優れたデザインの代名詞のような存在で、おそらく「日本で一番有名なやかん」だと思う。それが折角の日用品であるならば、実際に使ってみるのがいいだろう。ピエールも10年以上も使って塗装が剥げている。

宅配人により我が家に新しいやかんが届き、古いやかんを提げてゴミ集積場に行った。

ピエールはかちゃりとアスファルトに着地して、その音で反射的に学生時代によく食べたカップ焼きそばのことを思い出した。
振り返ると、彼はその口をガードレールの方に向けていた。この時まで知らなかったけれど、やかんにも情は移る。


本日の1曲
めくれたオレンジ / 東京スカパラダイスオーケストラ

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どんなものにお金を使っているのかがわかると、ちょっと面白そう!
その人が普段、どんなものを手に取っているかを知れば価値観や人となりがわかるような気がします。そんな思いつきでひとつコンテンツを増やしてみることにしました。