Archive for the 'ライブ&音楽' Category

The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 CLUB QUATTRO

今夜、The Pillowsの “Wake up! Tour” 初日。客電が落ちる ”あの瞬間” をできれば見たい。走りながら右腕の時計をリストバンドにチェンジ!道玄坂を横切り、ブックファースト脇をすり抜ける!

今夜のライブは19時開演。19時の定時に会社を飛び出し、QUATTROへ向かって走る。コインロッカーの上に鞄を放り投げ会場に入ると、すぐに客電が落ちた。

暗がりの中、歓声に沸き返る空間にしばし呆然とする。考えてみればこうして慌ただしくライブ会場に駆け込むのは初めてかもしれない。会社からわずか10分足らずでライブ会場の喧噪へ飛び込んだせいで、あるべき場所へ戻されたような幸福な気分に満たされていく。

『会いたかったのか?』とvo.山中さわお独特のなじるようなMC。The Pillowsがツアーに出るのは昨年冬の “LOSTMAN GO TO CITY” ツアー以来半年ぶり。オーディエンスはそれぞれに熱狂し、呼び掛けに応えている。皆がこのツアーを心待ちにしていたみたいだ。

演奏中、Dr.佐藤氏がコーラスを録音したマシンを叩き間違え、別曲のコーラスが繰り出されるハプニング。メンバーを見やり、笑いながら歌う山中氏。
『(パットが)6つあるからわかるようにテープ貼っとけ、って言ったんだけど、いいっていうからさ』、『初日っぽいなー!』とその後のMCでアクシデントの詳細を解説する場面もあった。

MCでの宣言通り、今夜はの長めのセットリストとなった。開始早々、狭い会場は酸欠状態で、山中氏は序盤から『暑い!』を連発し、スタッフに会場の換気を ”真剣に” 依頼する場面もあった。
開演前に差し入れの滋養強壮ドリンクを飲んだものの『もうだめ!』と笑い、ステージ脇の扇風機に移動したりする。

最近手に入れた「今まで所有した楽器の中で一番高い」アコースティックギターを嬉しそうに自慢したかと思うと、口にピックをくわえたまま唐突に演奏を始めた。アコースティックギター特有の強い弦の音が響き、和やかなMCから一転、空気が張り詰める。

歌い出す瞬間、口に加えていたピックを肩越しに吐き捨て、サイモン&ガーファンクルのカバーを披露。そして唐突に演奏を止め、汗のせいで思いがけなく右腕に張り付いたピックを指差して楽しそうに笑っている。
瞬時に空間の空気を変えてしまうのは音楽の力か。アーティストの存在感というのは、・・・こういうことなのかもしれない。

イントロが始まるや否や会場が一段と沸き返ったのは、”YOUNGSTER (KentArrow)” 。ハンドクラップが盛り込まれたこの楽曲は「ツアーの映像を思い浮かべながら狙って作った」だけあって、この日一番の盛り上がり。力強く、歯切れ良く、見事に揃ったハンドクラップに思わず顔がにやける。みんなこれがやりたかったはず。
The Pillowsアンセムのひとつ ”Ride on shooting star” では最早お馴染みのギターとベースのネックが宙を切るアクション。山中氏のジャンプは今夜も高い!

アンコール終了後、メンバーが去ると会場のSEが ”YOUNGSTER” に切り替わる。オーディエンスの多くがその場に残り、興奮した表情で歌詞を口ずさむ。ここでもハンドクラップは完璧に揃っていた。


先月発売されたアルバム ”Wake up! Wake up! Wake up!” のレコ発ツアーが今夜から始まった。
『渋谷からお台場までを4ヶ月かけて移動します。お時間のある方はお付き合いください』とDr.佐藤シンイチロウは淡々と言った。

SETLIST

01.Wake up! dodo
02.Skinny Blues
03.BOYS BE LOCKSMITH.
04.シリアス・プラン
05.プライベート・キングダム
06.WALKIN’ ON THE SPIRAL
07.Kim deal
08.ターミナル・ヘヴンズ・ロック
09.プロポーズ
10.ROCK’N’ROLL SINNERS
11.つよがり
12.Like a Lovesong(back to back)
13.MY FOOT
14.BOAT HOUSE
15.GIRLS DON’T CRY
16.スケアクロウ
17.空中レジスター
18.YOUNSTER (Kent Arrow)
19.プレジャー・ソング
20.サードアイ
21.Century Creepers (Voice of the Proteus)
22.Sweet Baggy Days

-encore-
23.Sad Sad Kiddie
24.Ride on shootingstar
25.LITTLE BUSTERS


本日の1曲
YOUNGSTER (Kent Arrow) / The Pillows


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2006/12/16 『The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX
2006/09/07 『The Pillows 〜音楽と人 presents Music & People EXTRA 2!〜 @STUDIO COAST
2006/02/13 『The Pillows


ELLEGARDEN 〜Eleven Fire Crackers Tour -United Solitude- @幕張メッセ

『オマエらそんなんでいいのかよ?一生に一度かもしれないぜ?そんなんでいいのかよ?』
ライブの中盤に細美氏は真顔で危惧する言葉を吐いた。
ステージにメンバーが登場すると、ひしめきあうオーディエンス達は一斉に前に詰めかける。演奏が始まるや否や、怒号のような歓声が響き渡る。しかし細美氏は(まだいけるだろ?)と言わんばかりだ。

彼はライブ中も会場のオーディエンスの一挙一動を本当によく見ている。見ているだけではなく感じているというべきか。それはどこか楽しむことを遠慮しているようなオーディエンスの心を見透かした発言だった。
直後の ”Supernova” 。その言葉に挑発されたかのように会場のボルテージは一層上がる。

今夜は幕張メッセの3ホールをぶち抜いて巨大な会場が設営された。ステージから後方へ伸びる長方形を3つに区切り、前からZ、Y、Xというブロックが設けられた。今夜は一番前方にあたるZブロックの後方での参戦、ステージも肉眼で充分に見える。

『やる前は後ろの方はどうかなぁ?と思ってたんだけど、もう・・・すげー伝
わってくるよ。愛される経験ってそんなに無いけど、すげー伝わってくるよ。受け止め切れねぇくらい!』
MCの途中、遙か後方から起こる拍手は威力を増しながら前方にまでなだれ込む。それは大きな波に自らが飲み込まれる瞬間のようで、前方ブロックにいた人々が、何事かと後ろを振り返るほどであった。気付きにくいけれど、今夜は後ろに2万人が控えている!

『俺ら今だにペヤングとかエロ本とか好きだし、こうやってライブしてない時は、ほーんとオマエらと何も変わんねぇんだよ。有名になったりCDが売れたりすると変わったり、そうなる人がほとんどじゃねぇかと思う。でもさ、前となーんにも変わってねぇ俺らを、こんな大きいステージに上げてくれて、本当にありがとよ。』

ある日いつものようにライブハウスに会場入りしようとした細美氏は、会場の外にいたファンに声を掛けられた。彼女は正規の手段ではどうにもチケットが取ることかできない現実や、心ない者によってオークションなどでチケットが高額取引されることに対する憤りや悲しみを彼に直接訴えた。彼女はチケットを持たずして会場に詰めかけた熱心なファンの一人だった。

彼女と話したその日のうちに、幕張メッセでのライブ開催を決めたという。しかしそれは「今」ファン達に出来ることを考えた結果で、恒例にするつもりではない。幕張メッセでライブを行うことは、バンドにとっては想定外のハプニングに近かったかもしれない。
今夜は昨年から続く ”Eleven Fire Crackers Tour” を一旦終了した後の公演。ツアー真っ只中に幕張メッセ公演の開催がアナウンスされ、今夜のライブにはUnited Solitudeという特別な副題がついた。

”Can You Feel Like I Do” のメロディーに身体が覆われていく。真正面から訴えかけてくるような誠実さに、呆然と立ち尽くす。
皆が人差し指を宙に掲げた ”ジターバグ”、語りかけるように歌う ”高架線”。それに応えて会場中が飛び跳ねる!ELLEGARDENの音楽はどこか憂いを湛えている。時にはその憂いに寄りかかり、テンションの高い曲に飛び跳ね、MCの発言に共感し、笑いながらライブは進行する。

_____ さぁ、ライブハウスに帰ろうぜ。
本編最後、”Red Hot” 前のMCで細美氏はこう言った。優しく穏やかな、語りかけるような口調で。ライブハウスがこそがその居場所。彼の表情は頑なな意志を感じさせた。

しかし今夜、彼の中に新たな感情が生まれたことは明らかだった。『あー、曲が進んでくのが勿体ねぇ!』細美氏は顔を歪めて言う。そして『どうしてもまだやりたくてさ!』とバンド自ら2度のアンコールに応えた。彼は終始『ありがとう』を連呼し、全身からなる雄叫びを上げてステージを去っていった。

彼は理想を理解しない人々に揶揄されながら、それでも歌うことをやめなかった。ライブ終盤、細美氏は胸に手を当てて『・・・今日初めてここの穴が埋まったよ。』と声を詰まらせた。その言葉にオーディエンスは沸き返る。自分達に向けられた何万の人間の「音」。こんな体験ができる人はそういない。
かつて ”The world is lonesome enough to me.” と歌った彼は、今夜何万のオーディエンスに囲まれて、ステージで涙を流した。

SETLIST

01.Opening
02.Fire Cracker
03.Acropolis
04.Can You Feel Like I Do
05.The Autumn Song
06.虹
07.Pizza Man
08.Lonesome
09.Gunpowder Valentine
10.(Can’t Remember) How We Used To Be
11.Supernova
12.Spacesonic
13.風の日
14.Missing
15.Salamander
16.Middle of Nowhere
17.Sliding Door
18.Surfrider Association
19.Marie
20.No.13
21.高架線
22.ジターバグ
23.Red Hot

-encore1-
24.Winter
25.Make A Wish

-encore2-
26.スターフィッシュ
27.金星


本日の1曲
Can You Feel Like I Do / ELLEGARDEN



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2006/12/31 『ELLEGARDEN 〜COUNTDOWN JAPAN @幕張メッセ
2006/07/16 『ELLEGARDEN @NANO-MUGEN FES.2006
2006/08/13 『A Song For Kids!


COUNTDOWN JAPAN 06/07 〜2006年ライブ納め!編〜

2006年12月30日13:00。COUNTDOWN JAPAN幕張会場に到着。クロークに荷物を預けたらEARTH STAGEに突進する。そこでは本日のトップバッターであるZAZEN BOYSが既に演奏中であった。
ZAZEN BOYSがトップバッターである以上、それに合わせて会場に向かうのは必然的な選択であった。4月のツアー参戦以来、8ヶ月振りに祭サウンドに躍り上がる。
その後会場内を散策し、フードエリアで腹ごしらえ。さぁ、ここからが忙しい。

15:30。電気グルーヴを観に再びEARTH STAGEに戻る。フジロックフェスティバル同様に「歌もの」セットリストに会場は沸き返っていた。ピエール瀧氏の『皆さんご一緒に!瀧バウアー!』の掛け声と共に会場全体が一緒になって仰け反っていた。この人達は笑いを巻き起こす確信犯なのだ。

ダンサーを交えた瀧氏の機敏なダンスに驚愕した後、VOLA&THE ORIENTAL MACHINEの開演時間に合わせてCOSMO STAGEに飛び込む。16:15。元ナンバーガールのドラマー、アヒト・イナザワ氏が結成したニューウェイヴバンド。ナンバーガール解散後、向井氏と共にZAZEN BOYSを結成、脱退を経てVOLA&THE ORIENTAL MACHINEを結成した。

ナンバーガール時代には幾度もライブに足を運び、アヒト氏の圧倒的なドラムさばきに魅了された。しかしこのバンドで彼はギターボーカルを担当している。
アヒト氏のバンドのドラマーはやり辛くないのだろうか?などといらぬ心配をしてしまう。アヒト氏がステージ脇に置かれたドラムを叩きながらライブがスタートする。その姿はかつてのドラミングを思い出させ、音楽の世界観、演奏前のMCなどにそこはかとなく漂うナンバーガール臭を確認した。
解散後はそれぞれ異なるバンドで活動しているナンバーガールのメンバーだが、同日に向井氏とアヒト氏を確認できた貴重な体験だった。

KEN YOKOYAMAを後方で覗き見。優しい人柄が伝わるMCで広い会場は和やかなムードだった。17:10。会場端のGALAXY STAGEに足早に移動しMO’SOME TONEBENDERの登場を待つ。MO’SOME TONEBENDERは今年フェスティバルだけで3度観ていることになる。アリーナ前方に集結したコアなファンも、始めて音楽を聴く人も、その中間層の人も、気になるステージを気軽に覗けるのがフェスティバルの楽しいところだ。

19:15。リクライニングエリアで英気を養った後、階上のホールで喫煙していると、聞き覚えのあるヴォーカルが響き渡る。東京事変のステージが始まり、階下を見るとつい先程まで人でごった返していた休憩エリアには人がまばらになっていた。

ステージ上には黄色い衣装の椎名林檎嬢。個性的なヘアスタイルにハイヒール。仁王立ちでピアニカを吹き、皆の視線を集めるようにゆっくりとステージを歩く。独特の歌声は学生時代に何度も聴いた椎名林檎そのものだった。その存在感は圧倒的。
『領収書、書いて頂戴』のフレーズが懐かしい『丸の内サディスティック』。椎名林檎登場の衝撃はその後の邦楽のベクトルを変えたと言ってもいいだろう。初めて観るステージで、これまで何度も聴いてきた曲を聴いた。

林檎嬢を目撃した後、ASPARAGUSのステージに走る。19:50。本人達による和やかなサウンドチェックの後、20時過ぎに本編開始。今日のステージを最後にbass.山下氏はバンドを脱退する。数曲が終わりMCに入ったところでEARTH STAGEに戻る。ELLEGARDENとスケジュールが重なっていたのが本当に悔やまれる。

フェスティバルは今や立派なライブ参加の新しい方法で、1時間前後と短めのステージでありながら気軽にライブを楽しむことが出来る。
ライブステージは場内に4つ。どのアーティストを観るか?時間配分は?観るつもりのなかったアクトが予想外によかったりするから当日まで予定は決まらない。


本日の1曲
丸の内サディスティック / 椎名林檎


COUNTDOWN JAPAN 06/07 〜会場レポート編〜




4年目を迎える冬のフェスティバル、COUNTDOWN JAPANが今年も幕張メッセで開催された。
主催は『ロッキングオン』を始め、多くのミュージック&カルチャーマガジンを刊行するロッキング・オン。国内アーティストのみが出演する真冬の屋内フェスとして定着した。

2005年に引き続き、2006年も参戦。運良く30日のチケットを入手できたものの、日によってはチケットの入手も容易ではない。一日に27000人のキャパがありながら、30、31日のチケットは一般発売後すぐに売り切れてしまった。(確実にチケットを入手するためには全てのアーティストの発表を待たずに購入しなくてはならないだろう)
例年通りの幕張会場(12/29〜1/1)に加え、今年からは新たに大阪会場での開催(12/29〜12/31)も始まり、年々スケールアップしている。

前回参加した時は至れり尽くせりのフェスティバル環境に驚いた。ほの暗い会場には適度なライトアップが施され、ライブの音漏れがこだましている。

ここには屋外フェスティバルのようにサバイバル的な環境はない。自然が無い代わりに不便も無い。屋外には仮設トイレも臨時に設置され、長蛇の列に並ぶこともないし、突然天候が変わる心配も要らない。いくつかのライブハウスがくっついたような状態である。

フードエリアには沢山の屋台が出店し、目移りするほどだ。ここ最近で『フェス飯』という言葉が生まれるほど、どのフェスティバルもバラエティに富んだメニューが迎えてくれる。
広い会場に並んだガーデンチェアで食事をとりながらタイムテーブルを眺める。積極的にライブを観るならば、食事の時間も限られる。夕方からライブの予定がぎっしり詰まっていた為、ここぞとばかりに腹ごしらえをする。
フェスに来ると決まってタイ料理が食べたくなるのはなぜか?自問自答しながらタイカレーを食す。その後、いかめし。

床はコンクリで少し冷えるけれど、一旦ライブ会場に入れば熱気が充満しているため、心地よい室温ともいえる。薄手のカーディガンを羽織り、ライブ中は首に巻くスタイルで問題はなかった。
屋外にはふんだんに喫煙所が設けられているのはスモーカーには嬉しい配慮だった。しかし当然ながらここが一番寒い。

年をまたいで開催されるフェスティバルだけに場内には神社まである。友人曰く『ピュアじゃない』巫女さんから受け取ったおみくじは大吉であった。
正月らしい餅つきのイベントも行われ、31日に参加すれば屋台のおいしい年越しそばが食べられるだろう。

EarthStage脇に約1000席並ぶリクライニングチェアーはこのフェスティバルのありがたい存在。ステージを渡り歩く合間に身体を伸ばし、体力を回復させては皆がステージに飛び込んでいく!


本日の1曲
半透明少女関係 / ZAZEN BOYS


ELLEGARDEN 〜Eleven Fire Crackers Tour -United Solitude- @幕張メッセ

『オマエらそんなんでいいのかよ?一生に一度かもしれないぜ?そんなんでいいのかよ?』
ライブの中盤に細美氏は真顔で危惧する言葉を吐いた。
ステージにメンバーが登場すると、ひしめきあうオーディエンス達は一斉に前に詰めかける。演奏が始まるや否や、怒号のような歓声が響き渡る。しかし細美氏は(まだいけるだろ?)と言わんばかりだ。

彼はライブ中も会場のオーディエンスの一挙一動を本当によく見ている。見ているだけではなく感じているというべきか。それはどこか楽しむことを遠慮しているようなオーディエンスの心を見透かした発言だった。
直後の ”Supernova” 。その言葉に挑発されたかのように会場のボルテージは一層上がる。

今夜は幕張メッセの3ホールをぶち抜いて巨大な会場が設営された。ステージから後方へ伸びる長方形を3つに区切り、前からZ、Y、Xというブロックが設けられた。今夜は一番前方にあたるZブロックの後方での参戦、ステージも肉眼で充分に見える。

『やる前は後ろの方はどうかなぁ?と思ってたんだけど、もう・・・すげー伝
わってくるよ。愛される経験ってそんなに無いけど、すげー伝わってくるよ。受け止め切れねぇくらい!』
MCの途中、遙か後方から起こる拍手は威力を増しながら前方にまでなだれ込む。それは大きな波に自らが飲み込まれる瞬間のようで、前方ブロックにいた人々が、何事かと後ろを振り返るほどであった。気付きにくいけれど、今夜は後ろに2万人が控えている!

『俺ら今だにペヤングとかエロ本とか好きだし、こうやってライブしてない時は、ほーんとオマエらと何も変わんねぇんだよ。有名になったりCDが売れたりすると変わったり、そうなる人がほとんどじゃねぇかと思う。でもさ、前となーんにも変わってねぇ俺らを、こんな大きいステージに上げてくれて、本当にありがとよ。』

ある日いつものようにライブハウスに会場入りしようとした細美氏は、会場の外にいたファンに声を掛けられた。彼女は正規の手段ではどうにもチケットが取ることかできない現実や、心ない者によってオークションなどでチケットが高額取引されることに対する憤りや悲しみを彼に直接訴えた。彼女はチケットを持たずして会場に詰めかけた熱心なファンの一人だった。

彼女と話したその日のうちに、幕張メッセでのライブ開催を決めたという。しかしそれは「今」ファン達に出来ることを考えた結果で、恒例にするつもりではない。幕張メッセでライブを行うことは、バンドにとっては想定外のハプニングに近かったかもしれない。
今夜は昨年から続く ”Eleven Fire Crackers Tour” を一旦終了した後の公演。ツアー真っ只中に幕張メッセ公演の開催がアナウンスされ、今夜のライブにはUnited Solitudeという特別な副題がついた。

”Can You Feel Like I Do” のメロディーに身体が覆われていく。真正面から訴えかけてくるような誠実さに、呆然と立ち尽くす。
皆が人差し指を宙に掲げた ”ジターバグ”、語りかけるように歌う ”高架線”。それに応えて会場中が飛び跳ねる!ELLEGARDENの音楽はどこか憂いを湛えている。時にはその憂いに寄りかかり、テンションの高い曲に飛び跳ね、MCの発言に共感し、笑いながらライブは進行する。

_____ さぁ、ライブハウスに帰ろうぜ。
本編最後、”Red Hot” 前のMCで細美氏はこう言った。優しく穏やかな、語りかけるような口調で。ライブハウスがこそがその居場所。彼の表情は頑なな意志を感じさせた。

しかし今夜、彼の中に新たな感情が生まれたことは明らかだった。『あー、曲が進んでくのが勿体ねぇ!』細美氏は顔を歪めて言う。そして『どうしてもまだやりたくてさ!』とバンド自ら2度のアンコールに応えた。彼は終始『ありがとう』を連呼し、全身からなる雄叫びを上げてステージを去っていった。

彼は理想を理解しない人々に揶揄されながら、それでも歌うことをやめなかった。ライブ終盤、細美氏は胸に手を当てて『・・・今日初めてここの穴が埋まったよ。』と声を詰まらせた。その言葉にオーディエンスは沸き返る。自分達に向けられた何万の人間の「音」。こんな体験ができる人はそういない。
かつて ”The world is lonesome enough to me.” と歌った彼は、今夜何万のオーディエンスに囲まれて、ステージで涙を流した。

SETLIST

01.Opening
02.Fire Cracker
03.Acropolis
04.Can You Feel Like I Do
05.The Autumn Song
06.虹
07.Pizza Man
08.Lonesome
09.Gunpowder Valentine
10.(Can’t Remember) How We Used To Be
11.Supernova
12.Spacesonic
13.風の日
14.Missing
15.Salamander
16.Middle of Nowhere
17.Sliding Door
18.Surfrider Association
19.Marie
20.No.13
21.高架線
22.ジターバグ
23.Red Hot

-encore1-
24.Winter
25.Make A Wish

-encore2-
26.スターフィッシュ
27.金星


本日の1曲
Can You Feel Like I Do / ELLEGARDEN



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2006/12/31 『ELLEGARDEN 〜COUNTDOWN JAPAN @幕張メッセ
2006/07/16 『ELLEGARDEN @NANO-MUGEN FES.2006
2006/08/13 『A Song For Kids!


TRACK NUMBER4

高校生の時、『アルバムの4曲目は名曲説』があった。CDラジカセで毎日音楽を聴いていた感覚だと、2曲目あたりにヒットシングル、4曲目でアルバムの要となる名曲が収録されているパターンが多いように思えた。
それを聞いた友人氏はひとしきり感心していた。彼は後日『おお、やっぱり4曲目だ!おおー、すごい!』と興奮していた。(ように思う)

近年音楽を聴く環境が自由度を増すに連れて、アルバムの収録曲順への意識は薄れつつある。アーティスト達が考え抜いた曲順も、パソコンを使えばあっさりと編集できてしまうからだ。
アルバムに収録されている楽曲はデジタル音楽配信では1曲単位で購入できる。もう欲しい曲目当てにわざわざアルバムを買う必要も無い。そうして(あのCDの何曲目!)という感覚は日に日に薄れてくる。

我が家でもiPodは頻繁にオーディオシステムに接続されている。iPodのプレイリストにお気に入りの音楽を放り込んでおけば、気に入らない曲をスキップする手間も省けるし、いちいちCDを入れ替える必要も無い。デジタルミュージックの便利さは家庭にも手軽に持ち込むことができる。

友人にCDを貸すのも随分と手軽になった。曲データは手元に残り、CD自体を手放しても同じように音楽を楽しめるようになった。貸したがために聴きたい時にCDが無い!という状況も起こらなくなった。所有しているCDの音源を全てアイポッドに取り込めば、コンポの上も散らからない。

iPodで再生順序をシャッフルにすれば曲順はランダムに再生され、幾度となく聴いたアルバムもこれまでとは違って新鮮に聴くことができる。しかしその新鮮な方法はいつの間にかスタンダードになって、アルバムから解体された音楽に慣れていく。それに慣れてしまうと、個々の楽曲がどのアルバムに収録されているかの認識すら希薄になってしまう。その証拠に収録曲順のイントロがなかなか思い浮かばなくなった。

『ライブでも、できることならアルバムの曲順そのままに演奏したい。』アーティスト達は度々こういう発言をする。それ程に曲順には思い入れのあるものなのだ。リスナーによって解体され続け、アルバム一枚の重みが失われていく。
だから最近「CD」を聴いている。
ひとつひとつのアルバムのカラーを感じながらじっくり一枚を聞く。アルバムの余韻に浸っていると突然始まるシークレットトラックに体がびくっと動く感覚も久し振りで、悪くない。


本日の1曲
All Apologies / Nirvana


The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX

メンバーが登場しオーディエンスが前方に詰めかけた直後、”Good Dreams”でライブがスタートした。活動歴の長いバンドだけにセットリストの予想も容易ではない。The Pillowsはアンセム的名曲も数多いが、まさかこの曲で始まるとは思っていなかった。
視界には突き上げられた何十の拳。早くも汗が腕を伝い、髪からは飛沫が飛び散る。

開始から数曲を演奏しvo.山中氏は『今日はオマエらテンション高いなぁ』と会場の熱気に戸惑い気味の発言。近くに居た男子が『・・・だって!今日ラストじゃぁん!?』と感情たっぷりに叫んだのには思わず笑ってしまった。東名阪を巡ったTOUR“LOSTMAN GO TO CITY”も、今夜の公演が最終日。

現在アルバム制作中の彼等も、今年はリリースの少ない年だった。1月のアルバム発売以降はCDの発売も無い『珍しくリリースのないツアー』。今月レコード会社の移籍が発表されたのもその一因だろう。そのため今回のツアーはちょっとマニアックな曲が選ばれているようだ。確かに”Ritalin 202”、”Robotman”、”Blues Drive Monster”は予想外の嬉しい選曲だった。

張り詰めた空気が少しだけ緩み、親密な空気の中行われる本編終了後のアンコール。
しかし今夜は思わず棒立ちになってしまったアンコール1曲目、『ストレンジカメレオン』。アウトロでのシャウトにThe Pillowsの全てが集約されているような気がした。会場全体が熱狂していながら静まりかえるような瞬間だった。

『オマエら、もうちょっと遊んでやるよ!』の掛け声と共に”Crazy Sunshine”のイントロが駆け出した。残り少ない時間を楽しみ尽くす覚悟の、最高の興奮。

アンコール終了後、ライブでも演奏されたCD音源のスケアクロウが場内に流れる。9月のSTUDIO COASTで初めて聴いたこの曲のリリースが本当に待ち遠しい。美しいメロディでありながら陰鬱。その世界観はまさにPillowsらしい。
楽曲が流されている間も止まない興奮。終わると更に大きな歓声が会場を包む。会場中に響く手拍子の中、メンバーがステージに戻って来た。本日2度目のアンコールはお馴染み”Little Busters”。

vo.山中氏は演奏中、何度もモニタに上がり客席を煽り、ギターを掻き鳴らしながらステージ上をせわしなく周回した。客席を指差し挑発する表情も、フロアに膝まづくアクションも、彼の一挙一動が熱狂を巻き起こす。

ロックンロールはその精神。様々な感情を内包したまま高みに上り詰めるテンション。今夜も山中さわおの放つ空気はロックンロールそのものだった。


SETLIST

01.GOOD DREAMS
02.Rozy Head
03.Blues Drive Monster
04.Come Down
05.Degeneration
06.新曲
07.プロポーズ
08.バビロン天使の詩
09.空中レジスター
10.Scent of Sweet
11.New Year’s Eve
12.Kim deal
13.スケアクロウ
14.NO SELF CONTROL
15.Robotman
16.Ritalin 202
17.Midnight Down
18.この世の果てまで
19.サードアイ
20.Sleepy Head

-Encore-
21.ストレンジ カメレオン
22.Crazy Sunshine
23.Rock’n Roll Sinners

-Encore2-
24.Little Busters


本日の1曲
Crazy Sunshine / The Pillows


ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 酔杯2006-2007 -The start of a new season- @横浜アリーナ

年内のスケジュールを考慮すると今夜が2006年の見納めライブとなりそうだ。2度のフェスティバルも含め、今年は6回彼等のライブを観たことになる。

7月のNANO-MUGEN FES.で訪れて以来の横浜アリーナの会場。横浜での学生時代に結成されたASIAN KUNG-FU GENERATION、横浜は彼等のホームとも言えるだろう。

渋谷から東横線に乗り、菊名駅で横浜線に乗り換える。
会場近くの新横浜駅に近づくごとに車内には同じ会場を目指すとおぼしき人々が増え、(思った通りに)同じ駅で下車し、ざわざわと出口に向かって歩き出す。皆が電車を乗り継ぎ、それぞれの場所からこのライブを観に集まってくる。大きな会場ならではのこの光景も楽しみのひとつといえるかもしれない。

2階スタンドの座席につく。アリーナを囲むスタンド席には緩やかな傾斜がついている。先月の幕張メッセで”アリーナ立見”を体験済みであった為今回は座席指定のスタンド席を選択した。オープニングアクト2組の演奏が終わると間もなくしてASIAN KUNG-FU GENERATIONが登場した。

1曲目の『センスレス』はやはりオープニングに相応しい。ライブ開始前のチューニングを兼ねた”名のない曲”は今年アルバム『ファンクラブ』に収録され、曲名を与えられた。続くは『フラッシュバック』、『未来の破片』。ファンが熱望する初期の楽曲がたたみ掛けてくる。1万のどよめきと共に今夜のライブが始まった。

ステージ背面と、その上部にはそれぞれ大型のスクリーンが掲げられている。スクリーンに大写しになった後藤氏の表情に見入りながらの『無限グライダー』、CDで幾度となく聴いた楽曲も歌詞が一層染みてくる。

ー辛い辛いよもう現実と理想の境目で僕らの
ー夢、希望、その類 砕けた幻
ー痛いよ痛いもう現実を受け止めたあの日の僕らの
ーこころの片隅 浮かんだ面影


会場を見下ろしているとオーディエンスの反応度がはっきりとわかった。バンドを一気にメジャーに押し上げた楽曲『リライト』は今も熱狂を持って迎えられる。イントロが始まった瞬間に歓声がこだまし、場内は合唱の嵐。『エントランス』、『羅針盤』への反応もすごい。壮観。
結成から10年が経った記念すべきアリーナツアーでインディーズ時代にリリースされた6曲入りアルバム『崩壊アンプリファー』から実に3曲が演奏された。次はいつ聴けるか判らない初期の楽曲に、沸くオーディエンス。

後藤氏曰く、今夜は『今日は30歳になってから初めてのライブ』だという。横浜アリーナに詰めかけたオーディエンスの大半は若者で、10代とおぼしき少年少女も沢山いた。
かつて後藤氏は『ロック・バンドはティーンエイジャーを興奮させてナンボ』と発言していた。若者は面倒な持論を展開しない替わりに本当に好きなものにしか反応しない。彼等がその感覚に応えることができているというのは誇らしい事実だと思う。

『初めて日本語で作った曲』というMCと共にアンコールでは『粉雪』が演奏された。ライブで演奏されることは少なく、今日一番の”レア曲”と言えるかもしれない。『どうしても演りたくて』急遽セットリストに加えたという。
それまでは英詩の曲を演奏していたが『ライブで歌詞がすぐに伝わるのはすごいと思った』そうだ。

『作った時はまさかここで演奏できるなんて思ってませんでした』演奏を終えると一層感慨深そうに言った。横浜という土地が特別な彼に感情を起こさせたのだろう。日本語のロックに目覚めた彼が横浜のスタジオで作った曲は、2006年の横浜アリーナを湧かせた。
先月から始まった初のアリーナツアーもここ横浜で折り返す。


SETLIST

01.センスレス
02.フラッシュバック
03.未来の破片
04.サイレン
05.無限グライダー
06.ブルートレイン
07.ブラックアウト
08.Re:Re:
09.N.G.S
10.ロケットNo.4
11.振動覚
12.リライト
13.エントランス
14.羅針盤
15.ループ&ループ
16.アンダースタンド
17.君という花
18.海岸通り

-encore-
19.粉雪
20.君の街まで
21.遥か彼方
22.或る街の群青
23.月光


本日の1曲
無限グライダー / ASIAN KUNG-FU GENERATION





06/11/06(月) 下北沢SHELTER
06/11/11(土) 幕張メッセ展示場ホール9・10・11
06/11/12(日) 幕張メッセ展示場ホール9・10・11
06/11/19(日) 名古屋レインボーホール
06/11/25(土) マリンメッセ福岡
06/12/09(土) 横浜アリーナ
06/12/10(日) 横浜アリーナ
06/12/15(金) 北海道立総合体育センター きたえーる
07/01/10(水) 大阪城ホール
07/01/11(木) 大阪城ホール

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11/11 『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 酔杯2006-2007 -The start of a new season- @幕張メッセ』 
08/03 『ASIAN KUNG-FU GENERATION @FUJI ROCK FESTIVAL2006』 
07/17 『ASIAN KUNG-FU GENERATION @NANO-MUGEN FES.2006』 
06/27 『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour2006 -count 4 my 8 beat- @ZEPP TOKYO
04/28 『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour2006 -count 4 my 8 beat- @千葉LOOK


U2 〜VERTIGO TOUR 2006〜 @さいたまスーパーアリーナ

ライブではステージにアーティストが登場する前、楽器を使ったサウンドチェックが行われる。しかしその段階でここまで大きな歓声を聞いたのは初めてだった。皆が登場を待ちきれないというふうに顔を歪めている。長きに渡るU2のVERTIGO TOUR、日本公演が遂に本日からスタートした。

大きな日の丸を翻しながら、ボノがステージを闊歩する。そのパフォーマンスで会場は更なる歓声に包まれた。登場して数十秒で、彼は既に何万の観衆の心をすっかり掴んでしまった。

広いアリーナを見下ろすスタンドは天井のすぐ下まで連なる。今夜は珍しく”スタンド指定”を選択したが、ステージ右手2階は思っていたよりもずっとステージに近かった。
アリーナ前方はステージから伸びる左右の花道に囲まれ、今夜一番のエキサイティングゾーンと言えそうだ。アリーナ後方までびっしりと人々がひしめき合っている。

まずは最新アルバム”How To Dismantle An Atomic Bomb”から”City of Blinding Lights”で幕を開ける。いきなり自分の好きな曲から始まってしまった。目の前には前後に脚を広げ熱唱するボノの姿があった。遂にU2を目撃する日が訪れた。しばし放心状態に陥る。

続く”Vertigo”では冒頭のカウントが『Unos!dos!tres!catorce!』から『イチ!ニ!サン!』と日本語バージョンになっていたし、お辞儀をしながら歓迎に応えるボノは『ドウモ、ドウモ。』と言っていた。
ボノ曰く”For the first time in this world, on this planet”、新曲『 Window in the Skies』がここ日本で初披露された。
何度か曲間にステージを降り、差し出される沢山の指先に触れる姿が印象的だった。至近距離でボノのシャウトを体験すると人生すら変わってしまうんじゃないだろうか?

ステージの巨大スクリーンには世界人権宣言が映し出される。上方に流れていく文章は日本語、女性のナレーションは英語だった。

今回のVertigo Tourの全会場において、彼等は世界人権宣言をスクリーンに投影し続けてきた。U2はにわかに信じがたい数のライブを行い続けているが、その度世界中で同じ主張を繰り返している。宣言が読み上げられている間も、会場は賛同の歓声に沸き返っていた。

終盤、ボノの呼び掛けを受けて皆が携帯電話を頭上に掲げた。何千の液晶画面が闇に浮かび上がる。ステージを縁取る赤い電球と液晶の灯り。ボノはそれを『クリスマスツリー』と形容し、会場が感嘆に包まれる。
普段から見慣れた液晶の小さな光はイルミネーションの一部と化した。美しい光景に溜息が出る。それは何よりも自分という個を意識する瞬間だった。
そして始まったのは”One”、シチュエーションは何万のオーディエンスによって完璧に用意された。

ボノが、その歌声を持って生きていくということはどんな気分なんだろうか?力強く、美しい歌声は世界を本当に変えてしまうかもしれない。そう思った夜だった。


SETLIST

01.City of Blinding Lights
02.Vertigo
03.Elevation
04.I Will Follow
05.Still Haven’t Found What I’m Looking For
06.Beautiful Day
07.Window in the Skies
08.Walk On
09.Sometimes
10.Bad
11.Sunday Bloody Sunday
12.Bullet The Blue Sky
13.Miss Sarajevo
14.Pride (in the Name of Love)
15.Where the Streets have no Name
16.One

-encore1-
17.The Fly
18.Mysterious Ways
19.With or Without You

-encore2-
20.The Saints are Coming
21.Angel of Harlem
22.One Tree Hill


本日の1曲
One / U2



U2 〜Vertigo Tour 2006〜

06/11/29(水) さいたまスーパーアリーナ
06/11/30(木) さいたまスーパーアリーナ
06/12/04(月) さいたまスーパーアリーナ

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ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 酔杯2006-2007 -The start of a new season- @幕張メッセ

今年結成10周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATION
今夏のFUJI ROCK FESTIVALでは念願のグリーンステージに立ち、ライブハウスで始まった自主企画イベント”NANO-MUGEN FES.”は横浜アリーナで2日間開催されるまでに成長した。

会場の入り口をくぐると、そこは広大な”ロビー”と化していた。クロークカウンターや物販エリアが隅に配置され、皆は身支度や買い物に動き回っていた。その眺めはまるでフェスティバルの会場のようであった。
ゲストバンド2組の演奏が終了した19時少し過ぎ、お馴染みの”Driving South”のSEと共にASIAN KUNG-FU GENERATIONが登場した。

後藤氏の発言から予想していたにしろ、今夜のセットリストはすごい。最新アルバム収録の『センスレス』で幕を開けた今夜、次は2003年リリースのアルバム『君繋ファイブエム』から『フラッシュバック』、『未来の破片』が続く。これまでにリリースされた作品からくまなく選曲される新旧楽曲の数々。イントロが始まる度に会場には歓喜と驚愕の混じった歓声が沸き起こる。
『ここからかなり懐かしくなります。じゃあ敢えて曲名は言わずに・・・』というMCから始まったのは『ロケットNO.4』。2003年にリリースされたシングルのカップリング曲で、ライブで演奏されることは希だ。歓声を上げ飛び跳ねるオーディエンス。皆本当によく知っている!と感心してしまった。

ライブツアーはアルバムリリースをきっかけにして行われることが多く、演奏される曲目は新作が中心になる。沢山のバンドが出演するフェスティバルでは、観客の”最大公約数”に応えるべくシングル曲多めのセットリストが組まれるが、持ち時間は制限されている。よって、リリースが遡る楽曲ともなるとライブで演奏される機会は徐々に減っていってしまう。

会場前方、Aブロックの最後方にいるとステージもよく見渡せた。他人同士の肩が触れ合うライブハウスもいいけれど、今夜は幾分ゆったりと楽しむことができた。ファンにも人気が高い楽曲『アンダースタンド』では皆が軽快に手を叩きながらリズムに合わせてジャンプする。その光景は巨大フィットネスジムのエアロビクラスのようにも見え微笑ましかった。

本編最後を飾る『海岸通り』ライブで演奏を聴くのは今回が初めてだった。個人的には(マッテマシタ!)的ハイライトであった。
“Whatever you do Whatever you say Yeah i know it’s alright”
アウトロで後藤氏は敬愛するOASISの歌詞を鼻歌のように織り交ぜて歌っていた。

アンコールでは今冬公開の映画『鉄コン筋クリート』のために書き下ろした新曲『或る街の群青』が披露された。発売前の音源にオーディエンスは聴き入り、スクリーンに映し出されたアニメーションに見入っていた。

同世代として、現在までの10年間がどれ程の迷いと不安に彩られた年月であったかは想像がつく。
大学生だった彼等がバンドを結成したのが1996年。2003年にメジャーデビューし、瞬く間にCDを何十万枚も売り上げるアーティストになった。ホールをファンで埋め尽くすバンドになるのは、その中でもほんの一握りに過ぎないはずだ。人生を変えるような変化は全てこの10年の間に起こった。

冬の恒例行事となりつつあるライブツアー『酔杯(Sui Cup)』。今年はThe start of a new seasonと題してアリーナーツアーの形態をとった。普段はライブハウスを中心にライブを行う彼等だが熾烈を極めるチケット争奪戦を考慮して「ライブに来たい人が大勢来られるように」大きな会場を選んだそうだ。
そして2006年、ASIAN KUNG-FU GENERATIONはライブハウスと巨大ホールを自由に行き来できる数少ないバンドになった。


SETLIST

01.センスレス
02.フラッシュバック
03.未来の破片
04.サイレン
05.無限グライダー
06.ブラックアウト
07.Re:Re:
08.桜草
09.ワールドアパート
10.ロケットNO.4
11.N.G.S.
12.エントランス
13.羅針盤
14.Hold Me Tight
15.ループ&ループ
16.アンダースタンド゙
17.君という花
18.海岸通り
-Encore-
19.或る街の群青
20.君の街まで
21.リライト
22.月光


本日の1曲
アンダースタンド (Live) / ASIAN KUNG-FU GENERATION





06/11/06(月) 下北沢SHELTER
06/11/11(土) 幕張メッセ展示場ホール9・10・11
06/11/12(日) 幕張メッセ展示場ホール9・10・11
06/11/19(日) 名古屋レインボーホール
06/11/25(土) マリンメッセ福岡
06/12/09(土) 横浜アリーナ
06/12/10(日) 横浜アリーナ
06/12/15(金) 北海道立総合体育センター きたえーる
07/01/10(水) 大阪城ホール
07/01/11(木) 大阪城ホール

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08/03 『ASIAN KUNG-FU GENERATION @FUJI ROCK FESTIVAL2006』 
07/17 『ASIAN KUNG-FU GENERATION @NANO-MUGEN FES.2006』 
06/27 『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour2006 -count 4 my 8 beat- @ZEPP TOKYO
04/28 『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour2006 -count 4 my 8 beat- @千葉LOOK