Archive for the 'ライブ&音楽' Category

Radiohead “JAPAN TOUR 2008” @さいたまスーパーアリーナ(2008.10.05 Sun)


客電が落ちれば、直前にしていた会話すら思い出せなくなってしまう。さいたまスーパーアリーナに集まった数万人が息をのんだ瞬間。今夜、最新アルバム『In Rainbows』のオープニングトラック「15 Steps」でライブがスタートした。

2曲目はRadioheadの名を世界に知らしめた『OK Computer』のオープニングトラック「Airbag」、自室で聴きまくっている『The Bends』から「Just」、『Hail To The Thief』からは「There There」、長年MTVのCMに使用され続けている『Amnesiac』の「Pyramid Song」。

ベストアルバムが発売されたこともあって、序盤は新旧アルバムから1曲ずつ楽曲が演奏されていく。
ここまでされると、してきたはずの心の準備も追い付かない。


彼らが二酸化炭素の排出削減を目論んでいることを加味すれば、最小限の装置で最大限の演出効果があるステージセットと言えるだろう。暗闇に輝く虹色のネオンはシンプルで洗練された印象さえ与える。

「コンバンワ。」「・・・Are you ready?」
最小限にとどめられたMCで、今夜はバンドメンバーの紹介すらされていない。その代わり、次々と演奏されていく楽曲の圧倒的な存在感に満たされていく。

「Paranoid Android」のイントロが流れると一際大きな歓声があがった。静かな歌い出しから一転、へヴィーなサウンドが病み付きになる。鍵盤を叩き「Fake Plastic Trees」を呟くように歌うトム・ヨークの歌声を聴けば、時間が過ぎるのが本当に惜しくなってしまう。

個人的には、今夜のハイライトは「Idioteque」だった。とかく内向的と称される『KID A』の代表曲がアクティブなアレンジでフロアを揺らす。ギターを置いたトムが踊り、アリーナに密集したオーディエンスの狂騒がさらに気分を高揚させる。ステージから遠く離れた5階のスタンドだって揺れていた。

一夜開けても、目を閉じればステージのネオンとギターサウンド、オーディエンスの熱っぽい歓声が蘇ってくる。
初めて観るRadioheadのライブ、その雰囲気はロックバンドのライブそのものだった。この楽曲たちと世界を旅することができるなんて、なんて稀有な人達なんだろう・・・!

(Photo/Rolling Stone.com –Radiohead photos


SETLIST

01. 15 Step
02. Airbag
03. Just
04. There There
05. All I Need
06. Pyramid Song
07. Weird Fishes/Arpeggi
08. The Gloaming
09. Myxomatosis (Judge, Jury & Executioner)
10. Faust Arp
11. Knives Out
12. Nude
13. Optimistic
14. Jigsaw Falling Into Place
15. Idioteque
16. Fake Plastic Trees
17. Bodysnatchers

– Encore –
18. Like Spinning Plates
19. Videotape
20. Paranoid Android
21. Reckoner
22. Everything In Its Right Place

– Encore2 –
23. Go Slowly
24. My Iron Lung
25. How to Disappear Completely


本日の1曲
Idioteque (Live) / Radiohead

▼『I Might Be Wrong – Live Recordings』
『KID A』『Amnesiac』に収録されている楽曲のライブ音源を集めた
オフィシャル・ライヴ盤。「Idioteque」はとにかく必聴。
Amazon(リンク)のほか、iTunes Store(リンク)でも購入できます。

>>関連エントリー >>
2008/09/12 『買い物日誌005 二酸化炭素とロックンロール

Weezer “WEEZER FESTIVAL” @東京 国立代々木競技場第一体育館


ホールでドリンクの長い列に並んでいると、スタッフがライブの開始を告げて回っていた。場内に顔を出すと、照明が客席を照らしている。あれ?ライブは始まったんじゃないの?

皆の視線が集中している後方を見ると、voリバースがマイクを持ち、客席の一人一人に名前を聞き『ハジメマシテ。』と丁寧に頭を下げている。この日、ファンと一緒に楽曲を演奏する企画(フーテナニー)が進行していたみたいで、この丁寧なご挨拶が30人分くらい繰り返された。

ほどなくしてセッションが始まり、早くもアンコールのような和やかで不思議な雰囲気が包む。ライブらしからぬ明るい照明と手拍子は、どこかの市民会館のリサイタルみたいだ。ロックのギグとは程遠い。

リバースは『ツヅケテ〜』と「Beverly Hills」を歌いながら言い去ったあと、ようやく反対側のステージに姿を現した。今夜のライブ、波乱の幕開けである。

ここ数年のWeezerは、日本のファンが聴きたい曲を惜しみなく演奏してくれている。この日のセットリストを振り返ると、1stアルバムと2ndアルバムからの楽曲が多いことがわかる。「Pink Triangle」や「Why Bother?」(どちらも2ndアルバム「Pinkerton」収録)、美しいコーラスワークの「Susanne」(シングル「Undone」のB面に収録)まで披露されるとはまったく驚いてしまった!

そしてなんと、半分くらいの曲で、リバース以外のメンバーが楽曲を歌うという異例の事態。いや、その慣れた様子や、オフィシャルサイトで公開されている動画からするに、最近はこのスタイルなのかもしれない。

ステージに座り込み、ボーカルを取らない、ドラムを叩き始める。ポニョの歌詞を口ずさみ、曲の真っ最中に『コノキョク、スキデース』と叫ぶ。終始奔放なパフォーマンスを続けたリバース。まったく、ファンの期待に応えているのか、裏切っているのか!?

この日数少ないちゃんとした演奏(?)「Say It Ain’t So」は、Weezerってこんなに格好良かったっけ?、と思ってしまう。(CD音源を真似て)メンバーへのインタビューから始まった「Undone (The Sweater Song)」など、最初の数音で身体が反応してしまう。

Weezerは自分にとって大切なバンドであるものの、一般的には意外にも知名度が低い。それでいてこれだけのオーディエンスが集まり、ブーイングが起こらないのもすごい。(「Perfect Situation」はリバースに歌って欲しかった気もするけれど)

今回の来日ツアーは本日が最終日となる。MCでそれを告げるとリバースはくるりと後ろを向き、バンドメンバーに「オツカレサマデシタ。」とおじぎをする。打ち上げでもない、ライブ真っ最中に行われたシメの挨拶には笑わずにいられない。(4代目bassの)スコットもバンドに馴染んでいるみたいだし、日本人のワイフのおかげでリバースのニホンゴMCも快調である。

昨年あたりはバンド解散説が飛び交ったこともあった。しかし今年リリースされたアルバムの出来は最高。今はYouTubeを使ってファンと曲を合作したり、フーテナニー企画でファンとセッションするなどの(以前のWeezerではちょっと考えられない)変化も起こっている。バンドは、周囲の心配をよそに楽しんでいるみたいだった。

自分のダメっぷりを歌うWeezerのスタイルは、かつて「泣き虫ロック」と呼ばれていた。
今夜は興奮と笑いが交互にやって来る不思議なライブ。リバースだっていつまでも泣き虫じゃいられない。日本に甘えた男(!)の最高のショウだった。


SETLIST
– Hootenanny –
01. Island in the sun
02. El Scorcho
03. Beverly Hills

04. Dreamin’
05. Dope Nose
06. Pork & Beans
07. Why Bother?
08. Hash Pipe
09. Buddy Holy
10. Creep (Radiohead cover)
11. My name is Jonas
12. Pink Triangle
13. Susanne
14. Undone (The Sweater Song)
15. Keep Fishin’
16. Perfect Situation
17. Say it ain’t so
18. Thought I Knew
19. Troublemaker

– Encore –
20. Automatic
21. Greatest Man That Ever Lived (Variations on a Shaker Hymn)


本日の1曲
Say It Ain’t So / Weezer
youtube-logo

The Pillows “KOENJI HIGH GRAND OPEN” LIVE @高円寺HIGH


自宅を出ると、目の前の通りをPillowsのTシャツを来た人達が足早に歩いていた。今夜のライブ会場は自宅から近い。歩道を行けばライブハウス前に既に人だかりが出来ているのが見える。いよいよ高円寺HIGHthe pillowsがやってきたのだ。

おそらく今夜のライブの整理番号は200数十番まで発行されている。建物の中に入ると正面にロッカースペースがあり、左手の階段から地下のフロアに降りるようになっていた。客が入り切っても少し余裕があったから、300人くらいは入れるかもしれない。
山中氏が「高円寺らしからぬゴージャスなライブハウス」と言ったように、フロアの天井は高く、まだ新築の臭いが残っていた。広くはないもののちゃんと2階席まである。

客電が落ち、聞き慣れたSEに切り替わると、いつものタイミングでメンバーが登場し、大きな歓声に迎えられた。山中氏はステージの端からオーディエンスに向かって腕を差し出した。前方6〜7列目ながらあわや指先の触れる近さに驚く。

「今日はファンクラブなんだよなぁ?なーんだ、俺たちのこと大好きなんじゃねぇか!」
「PillowsTシャツ着てるの100パーセントに近いんじゃないか・・・? あ!?お前違うな!」

間違いなく今までに見たthe pillowsのライブの中で最小のハコ。前回参戦したZEPP TOKYOのキャパシティが約5,000人だとすると、そのフロントエリアだけを四角く切り取ったようなコンパクトさ。真鍋氏の肩が山中氏のギターネックに触れそうだ。

MCで山中氏は「いつもより適当で手を抜いたセットリスト」と笑った。確かに各アルバムやシングルからピックアップされた今夜のセットリストはきっちり収録曲順になっているけれど、『Smile』と『Thank you, my twilight』両アルバムが選ばれていたのは嬉しかった。

それに今日は気心知れた仲間達を集めたようなもの。知らぬ曲はないほど皆音源は聴き込んでいるはずで、「手抜き」のセットリストもどこから何をぶつけても不安がないという確信の表れのような気がした。今日の会場は終始、身内同士のような安心感に包まれていたと思う。

大晦日にthe pillows恒例のカウントダウンライブを行ったものの、それ以降は初めてのライブになる。新年らしく「今年の抱負」を述べる場面もあった。それぞれの宣言がまた笑いを誘う。

「そろそろpillowsに入りたい。」(鈴木:サポートメンバー)
「シンイチロウ君の美味しいパスタをまた食べたい。」(真鍋)
「ステージに布団を敷いて寝たい。」(佐藤)
「チューニングが早くできるようになりたい。」(山中)

ギターの真鍋氏は、「高円寺は思い出深い場所です。」と始める。当時高円寺に住んでいたドラムの佐藤氏の部屋で、the pillowsに加入することを決めたという。あらためてそのエピソードを聞くと、やっぱり嬉しくなる。

アンコールの “No Substance” のイントロで盛り上がりは最高潮に達し、後方から続々と人がなだれ込んでくる。アルバム未収録曲で最高の盛り上がりを見せるというのも今夜ならではの光景かもしれない。

真冬にも関わらずTシャツ姿で新築のビルに群がる若者達を見て、通行人のおじさんも「何があるの?」と声を掛けてくる。週末は若者が行き交うこのあたりでも、こんな人だかりは滅多に見かけない。
今夜は大好きなバンドが近所にやってきた、ちょっと不思議で楽しい夜だった。

SETLIST

01.Good Morning Good News
02.Waiting At The Busstop
03.この世の果てまで
04.Monster C.C
05.Rain Brain
06.ビスケットハンマー
07.バビロン 天使の詩
08.Ladybird girl
09.And Hello!
10.Tokyo Bumbi
11.Go! Go! Jupiter
12.Across The Metropolis
13.MY FOOT
14.ROCK’N’ROLL SINNERS
15.空中レジスター
16.Wake up! dodo
17.YOUNGSTER (Kent Arrow)
18.プロポーズ
19.スケアクロウ
-Encore1-
20.Sleepy Head
-Encore2-
21.No Substance


本日の1曲
Tokyo Bambi / The Pillows

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2007/12/16 『The Pillows “TOUR LOSTMAN GO TO YESTERDAY” @Zepp Tokyo
2007/10/09 『The Pillows “Wake up! Tour” @Zepp Tokyo
2007/08/15 『The Pillows 〜SUMMER SONIC 07〜 @Island Stage
2007/07/23 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 O-EAST
2007/06/13 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 CLUB QUATTRO
2006/12/16 『The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX
2006/09/07 『The Pillows 〜音楽と人 presents Music & People EXTRA 2!〜 @STUDIO COAST
2006/02/13 『The Pillows

The Pillows “TOUR LOSTMAN GO TO YESTERDAY” @Zepp Tokyo




『今日は随分古い曲もやるけど、ついてきてくれ』
vo.山中さわおは確認するかのように言い、それに応える大きな歓声は、明らかに普段のライブとは違う期待が込められていた。
ライブ会場にやってくる人々はいつも、「ライブであまり演奏されない古い曲」を期待しているものなのだ。

The Pillowsは先月、13年間在籍したキングレコード時代にリリースした全シングルを集めた「LOSTMAN GO TO YESTERDAY」を発売した。そのリリースを記念した東名阪ツアーともなれば、新旧織り交ぜたセットリストは必至だろう。

開始早々、“Rush”、“NO SELF CONTROL”、“Wonderful Sight” と、The Pillowsらしいオルタナナンバーが続き、ステージ左側の幾分控えめな位置に場所を取ったことを少し後悔する。すなわち、痒いところに手が届くような垂涎の選曲である。

”ノンフィクション” の曲間のブレイクから突如MCに突入。山中氏が最近買った『2000円から3000円というお値段も手頃な』腕時計が壊れ、『ちょうど9 時16分で』止まったらしい。The Pillowsの結成記念日(9月16日)はファンにはお馴染みだけれど、こうして皆が一斉に驚く姿はなんだかほほえましい。

すると『これはノンフィクションです。』と言い放ち、間髪入れずに演奏を再開する。そんな気まぐれな演出を楽しんでいるオーディエンスを見ると、ライブって面白いなとあらためて思う。

今年結成18年を迎えたThe Pillows、名曲も多いが「持ち歌」も多い。今夜の会場の反応を確かめるように差し出される「定番以外の」楽曲の数々。イントロが始まれば所々で感嘆の声が上がった。

そんな雰囲気の中、イントロのわずか数音目で、思わず友人氏と顔を見合わせたのは “白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター” 。黒いギターを持った赤い髪の少年は、そのまま若き日の山中自身の姿。上京する前、まだ北海道で暮らしていた頃を回想して書かれた曲だ。

呟くような歌い方とセンチメンタルなメロディーが、ひねくれた若者の鬱屈とした姿を想像させる。The Pillowsの楽曲の中でも、もっとも好きな曲のひとつだけれど、ライブではあまり演奏されないであろう楽曲でもある。CDでは幾度となく聴いた曲も、実際に体感するとまた一層胸が詰まる。一音も聴き逃したくない気になってステージを見つめた。

ところで、最近パーマをかけたらしい山中氏は、ヘアスタイルの加減にも注力しているみたいだった。セットした髪をいじりながら『・・・膨らんでるのか?』という(なんとも返しようのない)問い掛けをマイクで轟かせながら、いつもの調子で水を飲みギターをチューニングしている。

そして懐かしい曲を演奏し終えるたびに『イヤー、良い曲しか書かないなぁ』と、冗談めかして笑いを誘っていた。かと思えば、ふと真剣な表情で『こんなに沢山の人の前でやれて嬉しいよ。(昔の)曲のためにもなった、ありがとう。』と言ってみたりもする。

自分に強い自信を持てる人を羨ましく思う。しかし彼の場合、現在の揺るがない自信を手に入れるまでにどれだけの迷いや困難を経験してきたのだろう。
自分の価値なんて誰も判ってくれないと思っていた時代。なんでもひとりで抱え込んでいた青年は、長い時間をかけてメンバーと信頼関係を築き、そんな心情が反映された名曲が生まれていった。

今夜の “ONE LIFE” “Swanky Street” の流れは、The Pillowsというバンドのヒストリーをそのまま語っているかのようだった。それは強い意志を持って自分たちの音に辿り着いたバンドの音楽であり、メンバーがいる尊さをちゃんと自覚している音楽でもある。誰もが親密な仲間を持てるわけではないことも、彼らは知っているはずだ。
続く『ストレンジカメレオン』。定番曲でありながら色褪せもせず、聴くたびに山中さわおのシャウトが心を震わす。

本編終了後にたまらず目の前のバーをくぐりフロントエリアに潜り込む。アンコールでは、先週39歳の誕生日を迎えた山中氏が、でかでかと「39」とプリントされたTシャツを着て登場した。

『なんか楽しくなってきちゃった!』と缶ビールを勢いよく飲み、『曲数増やしてもいいかな!?』とステージから叫ぶ。
大喜びするオーディエンスに向かって『照明さんに言ったんだよ!』と笑い、さらに皆が沸き返った。まるで会場中がアフターパーティーのような盛り上がりだった。


SETLIST

01.TRIP DANCER
02.RUSH
03.NO SELF CONTROL
04.Wonderful Sight
05.Sleepy Head
06.ノンフィクション
07.HEART IS THERE
08.Nightmare
09.白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター
10.開かない扉の前で
11.Ninny
12.DAYDREAM WONDER
13.ガールフレンド
14.Tiny Boat
15.Tokyo Bambi
16.Ladybird girl
17.彼女は今日、
18.ONE LIFE
19.Swanky Street
20.ストレンジカメレオン
21.その未来は今
-Encore-
22.チェリー
23.ハイブリッドレインボウ
-Encore2-
24.サード・アイ
25.Advice


本日の1曲
白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター / The Pillows


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2007/10/09 『The Pillows “Wake up! Tour” @Zepp Tokyo
2007/08/15 『The Pillows 〜SUMMER SONIC 07〜 @Island Stage
2007/07/23 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 O-EAST
2007/06/13 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 CLUB QUATTRO
2006/12/16 『The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX
2006/09/07 『The Pillows 〜音楽と人 presents Music & People EXTRA 2!〜 @STUDIO COAST
2006/02/13 『The Pillows

今日も音楽が僕に降りそそぐ



仕事中はほとんど片耳にイヤホンを突っ込んでインターネットラジオを聴いている。主にカリフォルニアのラジオステーションから届くオルタナティブロックを。
知っている曲が流れてくれば人知れず盛り上がるし、気になった曲があればポストイットにメモしておいて、あとでAmazoniTunes Music Storeで購入する。

自宅同様、職場のパソコンからも常にアカウントにオートログインしている状態だし、会社で使用しているウェブ・ブラウザにはご丁寧にAmazonの検索ボックスまでついている。思い立ったらその場で注文すればいい。

スムーズな配達システムのおかげで、商品の多くは翌日に自宅のポストに配達される。要するに「一晩我慢すれば」手元にCDが届く。配達を待てなければダウンロード購入だってできる。
疲れた身体を引きずってわざわざCDを買いに行くには、いろんなスタンバイが整い過ぎている。Amazonの顧客たちは待ち時間すらなしに『レジに進む』ことができるのだから。

そんなわけで、最近レコードショップに行かなくなった。世界中のラジオステーションから日夜届けられる音楽と、Amazonという巨大な倉庫。音楽は多方向からやってきて、自分の音楽ライフが変化してきたのを感じる。
ところで、我々はそれによってなにかを失っているのだろうか?

考えてみれば、(ちょっと面白そうだから聴いてみるか)とマキシ・シングルを買わなくなった。我が家のラックに並ぶ「輸入盤のマキシ・シングル」というマイノリティな品物は、ほとんどが暇を持て余していた学生時代に買ったものだ。レコードショップの棚の前でUK輸入盤とUS輸入盤をひっくり返して、収録曲を見比べることも随分していないような気がする。

先日、アメリカのバンドが、自分の知らない間にニューアルバムをリリースしていたことを知った。リリース日のアナウンスを聞き逃していた自分に驚き、仕事帰りに渋谷QFRONTのTSUTAYAに駆け込んだ。0時も近いというのにビルには沢山の人達がいて、スターバックスには長い列が出来ている。

残念なことに、この店舗は目当てのCDを扱っていなかったけれど、他にもいくつか気になるバンドの新譜を発見した。今夜ここに足を運ばなければ、今日知ることのできなかった情報である。試聴機の中身は次から次へと入れ代わるし、ある程度メジャーなバンドでない限りリリース情報は耳に入りにくい。

こういう「周りを見渡す行為」は、レコードショップならではの特徴といえるけれど、それを意識したシステムがAmazonやiTunes Music Storeにもある。『この商品を買った人はこんな商品も見ています』というメッセージと共に類似商品を紹介してくれるサービスだ。
例えて言うならば、腰の低い店員氏の「コレも・・・どうスかね?」的なアプローチで、こちらは『すでに持っています』ボタンや、『興味がありません』ボタンでリアクションをとればいい。実際にそれで新しい出会いが叶うこともある。

昨夜、仕事帰りにタワーレコード渋谷店へ行った。自分のためだけに用意された検索結果もありがたいけれど、普段なら排斥するであろう雑多な情報に溢れた売場をもっと歓迎すべきなのだ。(店員氏による思い入れたっぷりのPOPもこちらを楽しませてくれた!)

音楽との接点が増えたのは喜ばしい。今や、購入の形態もひとつではない。なんだか多方向から音楽がやってくる時代になった。そんなことを実感した一週間だった気がする。


本日の1曲
Rape Me / Nirvana

The Pillows “Wake up! Tour” @Zepp Tokyo

開場時間に到着していたおかげで、今夜はフロントエリアに潜り込むことができた。メンバーが登場するやいなや、後方から人々がなだれ込む。

開演前に携帯を触って時間を潰したり、友人と談笑していた人々が熱っぽいライブオーディエンスへと変わる瞬間でもある。みるみるうちにフロントエリアに熱気が立ち込めてスルスルと汗が滴り落ちてくる。ライブが終了すると、摩擦でポロシャツが毛玉だらけになっていた。

6月から始まった「Wake up! Tour」もZepp Tokyoのこの2日間で幕を閉じる。追加公演を含む全25公演。6月の渋谷クアトロ、7月のO-EASTに続き、その1日目のライブに参戦することが出来た。

メンバーの平均年齢は40を越えるというのに、会場には学生らしき若者も多い。都内のライブハウスでは最大級のキャパシティを持つZepp Tokyoも、今夜は当日券の発売すらない完全SOLD OUTとなった。
これまで大勢に受け入れられることをどこか拒んでいたかのように思える彼らが、ファンに求められてたどり着いた場所。『オッサンになればなるほど売れていくThe Pillows。』と山中氏は笑っている。

中盤で披露された “Swanky Street” は忙しい朝に聴くことが多い。朝、これから始まる自分の一日を想像して、ウンザリする時だってある。

僕らは間違いながら 何度も傷ついたけど
信号が何色でも ブレーキなんて踏まない
壊れてもいいんだ

ぼんやりと朝の煙草なんかを吸いながら “Swanky Street” を聴くと(かなわねぇなぁ・・・)と思う。同じような感情に頷き、楽曲に共感していたとしても、自分から逃げなかった人間の強い意志にはかなわない。

The Pillowsの楽曲は音楽に身を捧げる並々ならぬ覚悟を感じさせる。少なくとも自分にはそう聞こえて、毎日を嫌がるなら飛び込む覚悟はあるか?と自分に問う。今夜、大音量で演奏される “Swanky Street” はそんなしがない自分の日常とシンクロした。

終盤、突如巨大なバスター君がステージに現れた。「バスター君」はTシャツやタオル、CDジャケットの裏やミュージックビデオにも頻繁に登場するファンにはお馴染みのThe Pillowsのバンドキャラクターなのだ。”Ride on shooting star” では音楽に合わせてその巨体がゆらゆらと揺れ、笑顔と共に会場が沸き返った。

『9年前に “LITTLE BUSTERS” って曲を作ったときから、いつかイントロででかいバスターを出したいって思ってたんだよ!』曰く、舞台裏では『バスター君の担当とは思えないほど』ガラの悪い人達が人力で操っているとのこと。

さわお氏の歌う「君」は恋愛相手への君ではなく、バンドのメンバー達に向けられているのではないかと思う時がある。The Pillowsの楽曲の魅力はそんなバンドソングにあると思っていて、これまでもメンバーに向けられた絶対的な信頼をさわお氏は楽曲に込めてきた。それは愛情や友情に近くて、少し違う感情だと思う。

男同士の友情を描いた映画『スケアクロウ』はThe Pillowsの楽曲のタイトルにもなった。作品中では、友情の誓いの証として3度握手が交わされるらしい。

『オレ達は握手した記憶がないなと思ってたんだけど・・・、そういえば15周年のライブの時に、ステージ上で握手したんだよな。』オーディエンスは、ライブDVDにも収録されている当のシーンを回想していたのだろう、頷いている人も多かった。

『俺たちに誓いや約束は必要なかったんだ。同じとこを目指してたのがわかってたから。』いつになく強い口調のMCに会場中が一瞬静まり返る。その後演奏された ”スケアクロウ” はいつも以上に特別な響きをもたらしたように思う。

The Pillowsのライブはいつも、楽曲に共感する半面、圧倒的な存在の違いを見せ付けられるような感覚が襲う。今夜、真正面に山中さわおを見据えながらその静かな凄みに釘付けとなった。
『いい夜じゃねえか!』
ライブの終盤になると山中氏が吐く言葉。無論こちらにとってもThe Pillowsの音楽があってよかった、と感じさせる「いい夜」だった。

SETLIST

01.Wake up! dodo
02.Skinny Blues
03.I know you
04.Dead Stock Paradise
05.プロポーズ
06.空中レジスター
07.Ladybird girl
08.シリアス・プラン
09.プライベート・キングダム
10.つよがり
11.Swanky Street
12.MY FOOT
13.Black Sheep
14.BOAT HOUSE
15.GIRLS DON’T CRY
16.その未来は今
17.サードアイ
18.Century Creepers(Voice of the Proteus)
19.プレジャー・ソング
20.LITTLE BUSTERS
21.YOUNGSTER(Kent Arrow)
22.ROCK’N’ROLL SINNERS
-Encore-
23.Ride on shooting star
24.スケアクロウ
25.Sweet Baggy Days
-Encore2-
26.ハイブリッド レインボウ


本日の1曲
Swanky Street / The Pillows


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2007/08/15 『The Pillows 〜SUMMER SONIC 07〜 @Island Stage
2007/07/23 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 O-EAST
2007/06/13 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 CLUB QUATTRO
2006/12/16 『The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX
2006/09/07 『The Pillows 〜音楽と人 presents Music & People EXTRA 2!〜 @STUDIO COAST
2006/02/13 『The Pillows

SUMMER SONIC’07 〜東京会場2日目〜 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

前日はP氏と居酒屋で乾杯したのち深夜に帰宅。シャワーと洗濯を済ませ、ライブの余韻に浸っているともはや明け方。それでも7時過ぎに迎えに来たC氏の車になんとか乗り込んだ。

首都高に乗り、左手に東京タワーを眺め、まだ人気のないお台場を過ぎ、観光気分で朝のドライブは続く。幕張メッセに到着すると、駐車場は早くも半分くらい埋まっていた。
まだ開場前のメッセを離れ、カフェテリアにてのんびりと過ごす。2日目のみ参戦のC氏が揃い、朝からテンションがあがってしまう。

しばらくしてステージに向かった両氏と別れ、物販エリアを偵察することにした。横に連なった屋外のテントには出演アーティストのTシャツがずらりと並んでいる。その後電話をかけようと携帯電話を見るも圏外の表示。場所を移動しても圏外は続き、公衆電話の存在に気付くまで約4時間の単独行動となった。

せっかくなのでスタジアム周辺を散策しようとバスに乗り込んだ。ビーチステージに向かう人々は、海辺に続く小路に入っていった。

今年のお盆はとにかく暑かった!炎天下を歩き回ったあとはメッセに引き返し、ライブを眺めたりかき氷を食べたりした。
ちょうどその頃P、C両氏は炎天下のBeach Stageにいたようで、曰く『砂に足を取られて暑さ倍増!』という体験をしたらしい。

午後になりめでたく両氏と再会、ふたたびスタジアムへ引き返す。Marine Stage2日目はBlocPartyからヘッドライナーの Arctic Monkeysまでイギリスのバンドが続く。これまでUS色の強いSUMMER SONICというイメージがあったけれど、UKでも若いバンドを揃えるところがSUMMER SONICらしい。今年はTHE OFFSPRINGやPETSHOP BOYSなどのべテラン勢がスタジアムを譲った形となった。

Bloc Partyは本日の個人的メインアクトのひとつ。毎年新しいバンドがいくつも現れるものの、1stアルバムと同じように2ndアルバムに夢中になれるバンドにはあまり出会えない。今や中堅に差し掛かる数々のバンドがデビューしだした数年前、Bloc Partyはもっとも興味を引くバンドだった。

Bloc Partyの音楽は殺風景な都会の夜の風景をイメージさせる。少し陰欝で幻想的ですらある。それゆえに昼間のアウトドアステージへの登場に違和感を感じもしたけれど、”Waiting For The 7.18″ や”I Still Remember”(YouTube)などのメランコリックなメロディーはオープンエアーならではの爽快感が感じられた。

一方、“Banquet”(YouTube)や ”Helicopter”(YouTube)といったもっともBloc Party的なサウンドに挑発された人々はグラウンドに駆け込み、フロントエリアにみるみる人が増えていった。(体力温存よろしく、スタンドに座ってしまったことを後悔してしまった!)

夕刻、Cyndi Lauperを横切り(!)Island Stageへ。6、7月のワンマンに続き、初めてフェスティバルのステージでThe Pillowsを観る。(The Pillows / SUMMER SONICレポートはこちら
終演後会場後方に向かっていると、今度はマキシマム ザ ホルモンのTシャツを着た若者達がフロントエリアに移動していった。物販エリアで「マキシマム ザ ホルモン専用」の列が設けられていたことに驚いたけれど、近くにいた若者たちは最近ライブのチケットがとれないと嘆いていた。

ライブの途中、わくわくした顔で『前行かない?』と耳打ちしたC氏と共に、熱狂の渦の中へ飛び込んだ!
『残ってる体力!す・べ・て奪わせていただきます!!』の雄叫びが轟き、全員で「麺カタこってり」をすることに。
「麺カタこってり」とは、マキシマムザホルモンのライブの定番、全員強制参加(スタッフ含む)の恋のおまじないのこと。会場全体で『麺カタ(両手を叩いて)こってり(親指を立て身体を思い切り後ろに反らせ)ヤッター!(勢いよく起き上がり両手を天へ)』と、勢いよく恋のおまじないをかけた。

ナヲ氏のスウィートボイス響き渡る ”恋のスウィート糞メリケン”、ラストの ”恋のメガラバ” は今年の夏のモッシュおさめとなった。やり切った感に充たされ、時刻は19:30。今年のSUMMER SONICも、いよいよヘッドライナーを残すのみ!

スタジアムでは大音響でロックンロールが鳴り響き、皆が若きバンドの音楽を歓迎していた。
3月の段階でSUMMER SONIC事務局は、早くも今年のヘッドライナーがArctic
Monkeys
であることを公表した。それは賛否両論の ”ちょっとした騒ぎ” を巻き起こすくらい衝撃的なアナウンスだった。

Arctic Monkeysの平均年齢は21歳。セールス記録を次々と塗り替えたイギリスの少年達は、SUMMER SONIC史上最年少、デビューから最速でヘッドライナーに抜擢された。信じがたいことに、このバンドがギターを初めて手にしたのは21世紀に入ってからだそうだ。

MCも控えめに、彼らは淡々と演奏を続けた。“When The Sun Goes Down”(YouTube)では一段と大きな歓声があがる。人々は夜の照明にオレンジ色に照らされて、まるで大音響の振動に震える粒みたいに見える。胸のすくようなこの光景見たさに、ステージから離れたスタンドに座っていると言ってもいい。(トイレで着替えている間に、“Fake Tales Of San Francisco“(YouTube)が終わってしまったのは、なんともはや!)

今やArctic Monkeysは、海外の巨大フェスティバルでもヘッドライナーをつとめている。何万の視線を受けて、若きロックスターの胸には何を想うのだろうかと、そんなことを考えてしまった。

最後の曲、”A Certain Romance” は特に印象的だった。Arctic Monkeysの音楽はラウドなだけではない。時に鬱屈としたメロディーの曲間には歓声が一段とよく映える。ライブが終盤に差し掛かるにつれて、熱狂が加速していった。

ストイックにロックンロールを見せ付けた彼らがステージを去ると、派手なスターマインが打ち上がる。何万の人々による歓声と沸き起こる拍手の中、これ以上ない晴天と音楽にまみれたエキサイティングな二日間が終了した。


本日の1曲
When The Sun Goes Down / Arctic Monkeys


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2007/08/26 『SUMMER SONIC’07 〜東京会場1日目〜 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

SUMMER SONIC’07 〜東京会場1日目〜 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

2007年8月11日、記念すべき今年のお盆休み初日。
SUMMER SONICが本日から開催される。
昼頃自宅にやって来た友人P氏と高円寺駅から電車に乗り込んだ。本日も正真正銘の猛暑日である。

サマーソニックは東京会場(千葉県幕張)・大阪会場で同時開催される真夏の音楽フェスティバル。各会場の出演者は両日でごっそりと入れ代わる。2000年の開始以来、年々規模は拡大し、参加者20万人の大型フェスティバルに成長した。毎年お盆時期に開催されるため、帰省する学生の数が全国的に減少したのではないかと思うくらいだ。(タイムテーブルステージマップ

幕張メッセに到着後、P氏おすすめのGym Class Heroesを観にMountain Stageへ。P氏がすすめるだけあって、すぐに気に入ってしまった。

フェスティバルでは往々にして “知る”と “観る” が同時にやってくる。素晴らしい環境に感謝しながら身体を揺らしていると、Fall Out Boyのvo.パトリックがゲストボーカルとしてステージに登場し、場内は熱っぽい歓声に包まれた。そのパトリックのボーカルで “Clothes Off!!”(YouTube)を披露。大音響の中、思わず『イイネ!』とP氏に耳打ちしたこの曲は、現在もっともよく聴いている曲のひとつである。

この時はまだ知らなかったけれど、Gym Class Heroesは、Fall Out Boyと同じ ”Fueled By Ramen Records” に所属している。”ラーメンでお腹いっぱい” というなんとも気の抜けた名前のレーベルには、旬の若手バンドが名を連ね、注目USエモロック好きには有名なレーベルなのだ。

それにしても、Fall Out Boyの人気は想像以上みたいだった。夕方から控えているステージが一層楽しみになる。そして会場に到着して早々、いいバンドを見られたことですっかりテンションがあがってしまった。

本日は夕方からが忙しい。今のうちに食事を済ませようとタイ料理の屋台の列に並ぶ。P氏に『またタイ料理!』とからかわれる。フェスティバルでは、無意識にタイ料理の列に並んでしまう習性があるらしい。
今頃、炎天下のMarine Stage(幕張スタジアム)では、大学生時代に聴きまくったGoo Goo Dollsが演奏中のはずだ。食事する時間がもったいない!とすら思いながら、好物のタイ料理をおいしく食した。

その後メッセ内を渡り歩き、入場制限で殺気立つDance Stageに飛び込んだりしながら、真っ昼間からの興奮状態を謳歌した。
目当てのアクトが立て続けに控えたフェス初日。タイムテーブルをジロリと見れば言いようのない充実感が込み上げてくる。
別口でやってきた友人と合流し、夕刻のMountain Stageへ入場。いよいよ、Fall Out Boyが登場する。

先程のステージで心の準備なく目撃したものの、初めてのFall Out Boyのライブである。メンバーの登場と共に、待ちに待ったショウを歓迎する大歓声と幾多の拳が視界を覆う。
1曲目は現在の彼らにとって決意表明的アンセム、”Thriller” 。ドラムの重低音が響けば、説明しようのない気持ちが込み上げてくる。

マイiPodの再生回数トップ25の常連 “The Take Over, The Breaks Over”(YouTube)、”The Carpal Tunnel Of Love”(YouTube)ではbassのピートがスクリーム(絶叫)でオーディエンスを煽りまくる。
まさに息をつく暇もないエモーショナルの応酬。降り注ぐ爆音と、壮絶なモッシュ。刻一刻と足りなくなる酸素!

終演後、我に返ると、手にしていたはずのペットボトルがいつの間にか無くなり、腰から下げていたタオルが消えている。息を吐くと頭部から滝のような汗が滴り落ちた。しばしの放心。

たまらず屋台に駆け寄りミネラルウォーターを摂取。このあと同じステージにはELLEGARDENが登場する。
直前のアクトで予想外に体力を消耗したため、ELLEGARDENは後方での参戦。後方からステージ脇のスクリーンに大写しになるvo.細美氏を見つめる。

ライブで初めて聴く ”I Hate It” 思わず息をのむ。夏の終わりを歌った ”The Autumn Song” は是非聴きたかった曲である。

ELLEGARDENのライブではよく大きなサークルを見かける。知らないもの同士が肩を組み、大きな円陣が形成されるのだ。
この日も視界の中には数個のサークルがあった。そんな光景を見て、ELLEGARDEN の音楽が与えた何かに思いを馳せる。人々が大切にしたいと願う「目に見えないもの」というのは、この景色。そういうことなのかもしれないなぁ、と思った。

ELLEGARDEN終演後、意気揚々とDance Stageへ向かったP氏と別れ、友人2人とスタジアム行きのシャトルバスに乗り込む。ここでやっと今年初のMarine Stageである。スタジアム前に降り立つと、ゴォォ!とこだまする大歓声が聞こえる。スタジアムでは本日のヘッドライナー、Black Eyed Peasのステージ真っ只中である!

巨大なステージを駆け回るメンバーに合わせ、ステージ上方に掲げられた3面スクリーンがリズミカルに切り替わる。
現在のBlack Eyed Peasフィーバーは、きっとファーギーの存在なくしては語れない。美しい容姿にパワフルでスウィートな歌声。彼女を見たら、きっと誰もが心を奪われてしまう。

今夜、否応なくスタジアムを揺らしまくったBlack Eyed Peas。世界的大ヒットとなった “Pump It”(YouTube)が始まるやいなや、スタジアムは爆発的に沸き返る。

サマーソニック名物のスターマインは、毎年スタジアムのメインアクト終演直後に打ち上げられる。しかしこの日、初めて演奏中から花火が打ち上げられるのを見た。ライブの興奮に、さらなる追い打ちをかけるかのごとく夜空を花火が覆っていく。
Black Eyed Peasはその巨大な花火すら手中に納めたような完璧なエンターテイメントを見せてくれた!


本日の1曲
Thriller / Fall Out Boy


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2007/09/02 『SUMMER SONIC’07 〜東京会場2日目〜 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ

The Pillows 〜SUMMER SONIC 07〜 @Island Stage

ここからふいに照明が落ちた瞬間から、広い会場中に歓声が沸き上がる。詰めかけた人だかりの隙間から、両手のひらを頭の上に立てて “ご挨拶中” の山中さわおが見える。その姿に自然と口元が緩む。
いよいよ。SUMMERSONICThe Pillowsがやってきた。
間もなくして鳴り響いたイントロに、そこかしこからどよめきが起こった。一曲目は “ストレンジカメレオン” 。

山中さわお本人もそう語るように、ストレンジカメレオンはThe Pillowsにとって重要な曲。ライブでは終盤に演奏されることの多い曲だ。
皆に受け入れて欲しくて、自分を変えようとしてみたものの、結局他のなににも変わることが出来なかった。山中さわおは自らの体験を歌い、この曲で厄介な自分という存在を受け入れる覚悟を表明した。

イエローの照明に照らされたステージは、一曲目とは思えないシリアスな空気に満ちていた。一気にライブ終盤へショートカットしてしまったような錯覚に陥る。

『こんなに集まってくれて、びっくりしてんだよ!』『オレ、自分の人生にはポジティブなんだけど、バンドの人気にはネガティブなんだよ。』と笑いながら話す。どうやらここまでの会場の「入り」を予想していなかったみたいだ。

前方ではよくわからなかったけれど、きっと後方までオーディエンスが押しかけていたんだろう。真夏の巨大フェスティバル、SUMMERSONIC。サブステージとはいえ、キャパシティはZEPP TOKYOと変わらない。

山中さわお、未だに頭の中は売れなかった頃のままのようで、ライブのMCでは、いつもこのたぐいの話をする。Pillowsが結成されてから18年、チケットが売り切れ、追加公演が決まり、大きな会場が人で埋まるようになったのは本当に最近の話なんじゃないかと思う。そんな時の山中氏は、まじまじとオーディエンスを眺めては、皮肉屋が少し照れたような顔を見せる。
自分の音楽を求めてくれる人々を前に、まだそれが信じられないという顔を。

同時刻、隣のステージではCindy Lauperのライブの真っ只中だった。(Cindyのファンを公言する山中氏だけに、タイムテーブルが発表された時は、少し同情してしまったくらいだ)

今日のステージの彼女の赤いパンツ(『フリフリ付きだぜ?』)に興奮した様子で、『オレも赤いパンツ仕込んでくればよかったな。』とぼやいている。そしてかつてThe Pillowsのシングルにも収録されたCindyのカバー ”When you were mine” を披露した。

今日はシングル曲やアルバムリード曲が中心のセットリストが組まれていた。発売を控えている最新シングル “Ladybird girl” も披露。前方にひしめくファン達が一層ヒートアップしたのは ”Ride On Shooting Star” 。ギターネックを振りながらの演奏スタイルもなんともThe Pillowsらしい、ライブを楽しむための楽曲。
最後の曲は弾き語りから静かに始まった ”ハイブリッド・レインボウ”。この日一番の沢山の拳が上がる。

SUMMERSONICに一緒に参加した友人達は皆、初めてのThe Pillowsのライブだった。
フェスならではのそんな状況も楽しい。そして、友人のひとりがこの日披露された新曲を気に入ってくれたことが、なんだかとても嬉しかった。

SETLIST

01.ストレンジ カメレオン
02.MY FOOT
03.Wake up! dodo
04.Ride on shooting star
05.Ladybird girl
06.When You Were Mine
07.スケアクロウ
08.サードアイ
09.ハイブリッド レインボウ


本日の1曲
Ladybird girl / The Pillows


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2007/07/23 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 O-EAST
2007/06/13 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 CLUB QUATTRO
2006/12/16 『The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX
2006/09/07 『The Pillows 〜音楽と人 presents Music & People EXTRA 2!〜 @STUDIO COAST
2006/02/13 『The Pillows

The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 O-EAST

前回同様、今夜も平日のライブ参戦。またしても開演ぎりぎりに会場に飛び込んだ。急いでロッカーに荷物を預け、ステージを振り返るとポロシャツにネクタイ姿のメンバーが登場した。

今夜のライブはMUSIC ON! TVで生中継されている。『気ぃ利かせて、いつもより2割増で盛り上がってくれよ?』と vo.山中さわおが言えば、Dr.佐藤シンイチロウは『白髪を染めてきましったぁー!』と叫ぶ。今夜はメンバーにとってもちょっと特別なライブなのだ。(いわずもがな、曲順を間違えた山中氏の姿もしっかり放送されていた)

MCで山中氏が突如『今日 “ノンフィクション” Tシャツ着てる男の子いる?』とフロアを見渡す。『オマエ今日3時くらいに渋谷歩いてただろ?』
いわく、いつサインするかどきどきしていた「山手線で来たロックスター」の前を、自分のバンドTシャツを来た少年が素通りしていったらしい。

ライブが中盤に差し掛かったあたり、長きにわたって聴き続けているイントロに思わず息をのむ。観覧車にひとりで暮らす少年の歌、”CARNIVAL” !
The Pillowsを聴くきっかけとなった楽曲であり、今でも聴くたびに大学生だった当時の心境を思い出す。さみしさに慣れて、幸せな気分すらどこか俯瞰しているかのような歌詞。語幹とは裏腹にもの悲しい ”ahahahahahahaha”というハミングが堪らない。この曲を作った人間になら全てを委ねてもいい、とさえ思わせる名曲。

今回のツアーでは、追加公演がアナウンスされた。山中氏、その事実を告げたあと『なんだかおかしなことになってるぞ・・・?』と嬉しそうにおどけている。

The Pillowsのようなバンドでも、ライブハウスを人で埋め尽くすまでには時間がかかる。おそらくこちらの想像以上にThe Pillowsはそこまでに時間がかかったバンドだろう。そして昨年ZEPP TOKYOの公演がソールドアウトになった際に作った歓びの歌 ”プレジャー・ソング” が始まる。

本編終了後、鳴りやまない手拍子に再登場したアンコール。フロントの3人がギターとベースを垂直に高く掲げると、早くもかしこから歓声があがる。照明が落ち、シンとした場内。そのままの姿勢で静かに “Calvero” のイントロが始まる。正面を見据えたまま、指先だけを動かして演奏を続ける。淡々としたプレイスタイルとは打って変わってオーディエンスは飛び跳ね、熱狂する!

ライブが終わりに近づくとパンと「タガ」が外れてしまう時がある。今夜一番のモッシュは “Waiting At The Busstop”。山中氏は煽りに煽り、フロアが揉みくちゃになる。
『オマエらもう帰れよぉー。』と嬉しそうにアンコール2度目の登場。アンコールならではの親密な空気の中、山中氏の弾き語りから静かに始まった”Hybrid Rainbow” を後方から見守る。

ハイブリッドレインボウは「異種混合の虹」。決してきれいな7色ではないけれど、3人だからこそ見られる、一風変わった「虹の歌」。
オーディエンスが突き上げる幾多の拳でステージはほとんど見えない。だけど、それはとても素晴らしい景色だった。


SETLIST

01.Wake up! dodo
02.Skinny Blues
03.I Know You
04.インスタントミュージック
05.プロポーズ
06.空中レジスター
07.シリアス・プラン
08.プライベート・キングダム
09.CARNIVAL
10.Midnight down
11.つよがり
12.like a lovesong(back to back)
13.MY FOOT
14.BOAT HOUSE
15.GIRL’S DON’T CRY
16.プレジャー・ソング
17.YOUNGSTER(kent Arrow)
18.ROCK’N’ROLL SINNERS
19.スケアクロウ
20.サードアイ
21.Century Creepers(Voice of the Proteus)
22.Sweet Baggy Days
-encore-
23.Calvero
24.Ladybird Girl
25.Waiting At The Busstop
-encore2-
26.Hybrid Rainbow


本日の1曲
Calvero / The Pillows


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2007/06/13 『The Pillows “Wake up! Tour” @渋谷 CLUB QUATTRO
2006/12/16 『The Pillows TOUR “LOSTMAN GO TO CITY” @SHIBUYA-AX
2006/09/07 『The Pillows 〜音楽と人 presents Music & People EXTRA 2!〜 @STUDIO COAST
2006/02/13 『The Pillows