極東の巣窟

今日初めてドンキホーテ中野駅前店に入店した。関東近郊にお住まいの方ならばお馴染みの激安の殿堂である。多くの人は一度は入店したことがあるのではないだろうか?

中野在住の友人は入店してすぐサササとエレベーターのある場所に向かった。『6階行く?』6階もあるのか!とおののきながら待つその空間がなんと狭いことか。そもそもエレベーターの位置が売り場に埋もれていてパッと見ただけではわからない。店内にベタベタと貼られたチラシ群やファンシーな携帯のマスコットなどを無駄に眺めながらエレベーターを待つ。

安売りをアピールするシールがてんこ盛りの商品を眺める。店内はさながら祭りのようである。(田舎出身者はよくこの表現を使う)衣類売り場にはメイド衣装を売るコーナーまであった。中野は秋葉原、池袋に続くオタクTOWNであるらしい。

しかしながら店内はものすごい騒音である。ラジカセからは本来趣味の良いミディアムテンポの音楽が爆音でかかっている。極東の激安の殿堂でパワープレイされることになると彼は想像しただろうか。しかも彼の美しい歌声はたまに音飛びする。

階段で下階に降りると日用品コーナーに辿り着いた。やっと現実的な商品に巡り会いホッとする。
するとまたしても彼女はサササとデンタルケアグッズのコーナーに移動した。非常に熱心に商品に見入る彼女を横目にドイツ製デンタルペースト、settimaを手に取る。これ使ってみたかったんだよナ。
彼女は頼んでもいないのにホワイトニングアイテムを数点手に取り、やや一方的に「買ってやる」と言い放つ。それは最近彼女がホワイトニングに目覚めたからなのか、それとも彼女なりの警告なのか真意は不明だがおとなしく買ってもらうことにする。

以前住んでいた小平市にもドンキホーテがあった。その建設前、付近で建設反対の看板をいくつも見かけた。深夜営業の店舗は若者の溜り場になり騒音も迷惑だ、という理由なのだろう。
一方大学生で暇を持て余していた自分は(早く出来ないかナー)と開店を心待ちにしていた。当時の暇つぶしスポットはコジマ電機とカメラのキムラヤ、レンタルビデオのGEOだった。その一帯を勝手に「小平のメガロポリス」と呼び、店舗のはしごをしていたのだ。

そして数カ月後ドンキホーテがオープンした。開店後数日してからメガロポリスに出掛けると、ものすごい人混みである。反対していた住民は本当にいたのか!?と思うほどの盛況ぶりにやはり祭りを連想する。

国分寺には「ピカソ」という店があった。店構えはドンキホーテとほぼ同じ系列店であるが、なぜ店名がピカソなのか?周りの友人も誰も知らなかった。24時間営業している駅近くの店舗は居酒屋の帰りの日用品の買い物に重宝した。よくゴミ袋や洗剤を購入したものだ。

自分の思い浮かべるドンキホーテ的アイテムの最たるはヒョウ柄の座椅子だ。できればピンク色が好ましい。まったく節操のないヒョウ柄と座椅子という日用品の組み合わせは、この上なくドンキホーテ的である。


本日の1曲
This Love / Maroon 5


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