U2 〜VERTIGO TOUR 2006〜 @さいたまスーパーアリーナ

ライブではステージにアーティストが登場する前、楽器を使ったサウンドチェックが行われる。しかしその段階でここまで大きな歓声を聞いたのは初めてだった。皆が登場を待ちきれないというふうに顔を歪めている。長きに渡るU2のVERTIGO TOUR、日本公演が遂に本日からスタートした。

大きな日の丸を翻しながら、ボノがステージを闊歩する。そのパフォーマンスで会場は更なる歓声に包まれた。登場して数十秒で、彼は既に何万の観衆の心をすっかり掴んでしまった。

広いアリーナを見下ろすスタンドは天井のすぐ下まで連なる。今夜は珍しく”スタンド指定”を選択したが、ステージ右手2階は思っていたよりもずっとステージに近かった。
アリーナ前方はステージから伸びる左右の花道に囲まれ、今夜一番のエキサイティングゾーンと言えそうだ。アリーナ後方までびっしりと人々がひしめき合っている。

まずは最新アルバム”How To Dismantle An Atomic Bomb”から”City of Blinding Lights”で幕を開ける。いきなり自分の好きな曲から始まってしまった。目の前には前後に脚を広げ熱唱するボノの姿があった。遂にU2を目撃する日が訪れた。しばし放心状態に陥る。

続く”Vertigo”では冒頭のカウントが『Unos!dos!tres!catorce!』から『イチ!ニ!サン!』と日本語バージョンになっていたし、お辞儀をしながら歓迎に応えるボノは『ドウモ、ドウモ。』と言っていた。
ボノ曰く”For the first time in this world, on this planet”、新曲『 Window in the Skies』がここ日本で初披露された。
何度か曲間にステージを降り、差し出される沢山の指先に触れる姿が印象的だった。至近距離でボノのシャウトを体験すると人生すら変わってしまうんじゃないだろうか?

ステージの巨大スクリーンには世界人権宣言が映し出される。上方に流れていく文章は日本語、女性のナレーションは英語だった。

今回のVertigo Tourの全会場において、彼等は世界人権宣言をスクリーンに投影し続けてきた。U2はにわかに信じがたい数のライブを行い続けているが、その度世界中で同じ主張を繰り返している。宣言が読み上げられている間も、会場は賛同の歓声に沸き返っていた。

終盤、ボノの呼び掛けを受けて皆が携帯電話を頭上に掲げた。何千の液晶画面が闇に浮かび上がる。ステージを縁取る赤い電球と液晶の灯り。ボノはそれを『クリスマスツリー』と形容し、会場が感嘆に包まれる。
普段から見慣れた液晶の小さな光はイルミネーションの一部と化した。美しい光景に溜息が出る。それは何よりも自分という個を意識する瞬間だった。
そして始まったのは”One”、シチュエーションは何万のオーディエンスによって完璧に用意された。

ボノが、その歌声を持って生きていくということはどんな気分なんだろうか?力強く、美しい歌声は世界を本当に変えてしまうかもしれない。そう思った夜だった。


SETLIST

01.City of Blinding Lights
02.Vertigo
03.Elevation
04.I Will Follow
05.Still Haven’t Found What I’m Looking For
06.Beautiful Day
07.Window in the Skies
08.Walk On
09.Sometimes
10.Bad
11.Sunday Bloody Sunday
12.Bullet The Blue Sky
13.Miss Sarajevo
14.Pride (in the Name of Love)
15.Where the Streets have no Name
16.One

-encore1-
17.The Fly
18.Mysterious Ways
19.With or Without You

-encore2-
20.The Saints are Coming
21.Angel of Harlem
22.One Tree Hill


本日の1曲
One / U2



U2 〜Vertigo Tour 2006〜

06/11/29(水) さいたまスーパーアリーナ
06/11/30(木) さいたまスーパーアリーナ
06/12/04(月) さいたまスーパーアリーナ

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